新型コロナは沈静化しつつある！？【謎の整理】

前回の続きです。

今回は、ちょっと趣向を変えて、自分の備忘録として、専門家の知見に反する謎を整理してみます。

1. 感染者が爆発的に増えても、死亡者と重症者は増加しない？

現在、感染者が爆発的に増えていますが、死亡者と重症者の人数の増加数はほぼ一定です。
決して指数関数的に増加はしていません。


出所：まるみさんのツイート

少なくない数の専門家が、感染者が爆発的に増加→１～２週間後に死亡者と重症者が爆発的に（指数関数的に）増加すると警告していました。


出所：Hironori Funabikiさんのツイート

しかし、感染者の数に関係なく、毎日発表される死亡者と重症者の数はほぼ一定です。

理由は不明ですが、PCR検査が増加→見かけ上の感染者が増加、というのが一番素直な見方となります。

なお、４月上旬に死亡者と重症者が増えたように見えたのは、アウトブレイク（＝永寿総合病院の死亡者20名、重症者は不明）のせいだと考えられます。
この数を補正すると、死亡者と重症者の数は増えていません。→3.を参照

逆に、指数関数的に減少しているとも言えませんが、この点は奇妙に韓国の状況と似ています。


出所：札幌医科大学

2. 日本の死者と重症者は驚異的に少ない？

BCGの効果なのかどうか、世界的に見ると、日本の死亡者と重症者は驚異的に少ないのです。


出所：池田信夫さんのツイート

韓国や中国も意外と少なく、台湾やインドはさらに少なくなっています。

参考までに、東京都の100万人当たりの死亡者数は2.9人（永寿総合病院の死亡者20人を除くと1.4人）、日本全体だと0.7人、中国は2.4人、韓国が3.8人です。

英語のニュースは、緊急事態宣言の話ばかりで、日本の死亡者数が報道されることは少なく、なんだかなぁと思ってしまいます。

なお、日本の専門家は、BCGの効果についてはノーコメントです。

3. 東京の死亡者数はピークアウトししつつある？

データを見ると、東京の死亡者数はピークアウトしつつあります。



ただし、アウトブレイクを考慮すると、ピークアウトというよりは、１日１人ぐらいの死者数はあまり変わらないことになります。
この点についても、なぜか専門家で明確に説明している人はいないようです…。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月10日版・追記あり】

前回の続きです。

厚労省から4月10日のデータが発表されたので追加しました。
前日の4月9日に比べると、死亡者が3人増、重症者は8人増でした。

※この報告の「【別添１】新型コロナウイルス感染症（国内事例）の状況（累積）」は東京都と愛知県の死亡者の数値が間違っているようです。正しくは、東京18→36、愛知21→3でしょう。おそらく、東京の数字の一部（18人）を愛知に加えてしまったものと思われます。連日深夜までのお仕事、大変お疲れ様です。どうか身体に気を付けて頑張ってください。



3月25日頃から感染者が急増して2週間ほどが経過し、
・死亡者数は前回のピークと比べて微増
・重症者数は前回のピークと比べて倍増
となりました。

※7日間移動平均で比較するのは、土日の影響でデータが1週間サイクルで発表されるため。

ところが、今日になって死亡者数に永寿総合病院の20人が含まれていることがわかりました。



当然のことですが、この数字は「異常値」なので、全体の人数から除く必要があります。

※データを比較するなら、基本的に「同じ条件」でないといけません。永寿総合病院は「異常値」（アウトブレイク＝突発的なもの）と思われるので外しました。もし、同じようなケースがあるというなら比較対象に含めます。［2020.4.11 8:30追記］

私の推定では、上のグラフの赤の二重線に示すように、死亡者数は既にピークアウトしているという結果になりました。

この20人を除いた感染者数と死亡者数・重症者数の関係も調べてみました。



当然のことですが、死亡者数は既にピークアウトしている模様です。

繰り返しになりますが、専門家の知見は「ブラックスワン」では必ずしも正しくはないようですね…。


出所：時事通信　4月3日付
新型コロナ、厳格な外出制限を　接触８割減で急速に減少―北大教授が試算

なお、本日4/10発表の東京の重症者は1人、死亡者は4人（4/8～4/10に各1人、死亡日不明が1人）でした。大阪は、23:00現在未発表です。

日付　東京/大阪の死亡者数
3/28　1/0
3/29　5/0
3/30　1/0
3/31　0/0
4/1　2/0
4/2　2/1
4/3　3/0
4/4　2/0
4/5　1/0
4/6　1/0
4/7　2/0
4/8　2/2
4/9　2/0
4/10　1/0 【2020.4.10 23:50大阪府の死亡者数を追記】

出所
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報
大阪府：新型コロナウイルス感染症について

状況がピークアウトしているという予想（少なくとも東京では）が絶対に正しいとは断言できませんが、かといって一概に間違っているとも言えないようです。

なお、各社の報道によると、熊本、愛知、茨城で各1人の死亡者が発生したということなので、東京でピークアウトしたとしても、地方ではまだ沈静化せず増加する可能性もあります。

※東京都の100万人当たりの死亡者数は2.9人（永寿総合病院の死亡者20人を除くと1.4人）、日本全体だと0.7人。ちなみに、中国は2.4人、韓国が3.8人。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月9日版・追記あり】

前回の続きです。

厚労省から4月9日のデータが発表されたので追加しました。
前日の4月8日に比べると、死亡者が4人増、重症者は10人増でした。



3月25日頃から感染者が急増して2週間ほどが経過し、
・死亡者数は前回のピークと比べて微増
・重症者数は前回のピークと比べて倍増
となりました。

※7日間移動平均で比較するのは、土日の影響でデータが1週間サイクルで発表されるため。

重症者数は倍増ですが、感染者数・患者数は3月25日頃のなんと5倍以上となっています。

そこで、感染者数と死亡者数・重症者数の関係を調べてみました。



第2波が到来したせいか、感染者数は以前の5倍以上に激増しました。
しかし、死亡者数・重症者数は、明らかに感染者数より伸びが鈍くなっています。
影響があったのは重症者数だけで、死亡者数にはほとんど変化がないようです。

この傾向が続くとすると、パンデミックが起きるとするなら、感染者数が現在の100倍や1000倍になるといった、相当非現実的な仮定をしないと不可能だと思われます。

ということで、専門家の予想は、こういうブラックスワン的なケースだと、必ずしも正しいとは限らないようです…。


出所：時事通信　4月3日付
新型コロナ、厳格な外出制限を　接触８割減で急速に減少―北大教授が試算

【2020.4.10 7:00追記】
少なくとも、東京の死者が増える様子はなく、減少傾向のようです。
日付　東京/大阪の死亡者数
3/28　1/0
3/29　5/0
3/30　1/0
3/31　0/0
4/1　2/0
4/2　2/1
4/3　3/0
4/4　2/0
4/5　1/0
4/6　1/0
4/7　2/0
4/8　1/2
4/9　1/0
出所
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報 https://bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1007261/index.html
大阪府感染症対策情報
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/

中国は100万人当たりの死者が2人、韓国だと4人。
日本はこの中間だとすると、死者が300人～400人になるまでジリジリと増え続けるというのが、いちばんありそうなシナリオでしょうか…。
仮に1日の死者が5人なら、あと250人増えるので、単純計算だと250人÷5人/日＝50日後に終息することになります。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月8日版・再追あり】

前回の続きです。

厚労省から4月8日のデータが発表されたので追加しました。
前日の4月7日に比べると、死亡者が1人増、重症者は未発表です。



3月25日頃から感染者が急増して2週間ほど経過しましたが、死亡者と重傷者は前回のピークと比べて微増かほぼ同じ（7日間移動平均）です。
※7日間移動平均で比較するのは、休日の影響でデータが1週間サイクルで発表されるため。

やはり、現実のデータから判断する限り、パンデミックが起きる可能性はかなり低くなったようです。
それにしても、専門家の知見がこれほどあてにならないとは…。


出所：時事通信　4月3日付
新型コロナ、厳格な外出制限を　接触８割減で急速に減少―北大教授が試算

なんか、2010年の報告で、福島第一原発に震度7クラスの大地震は来るはずがないと言い切った日本地震学会を思い出させます。

もちろん、専門家を責めているわけではありません。
人間は神様ではありませんから…。
だだ、専門家の意見を100%信用していけないことは、どうやら事実のようです。

やはり、BCG仮説は正しいんでしょうかね…。

それはともかくとして、現場の医師など医療関係者の懸命の努力に深く感謝いたします。

【2020.4.8 20:10追記】

その後に、厚労省の発表があったので、PCR検査者数と重症者数を追加しました。



死亡者は微増で変わりませんが、重症者（人工呼吸器又は集中治療室に入院している者）が19人増のため、7日間移動平均は以前のピークから倍増しました。残念です。

今後どうなるかわかりませんが、今夜の東京と大阪の数値を見れば、ある程度推測はできます。

【2020.4.8 23:10追記】

全国ではこれまでで最高の400人以上の感染者が出た模様です。
・東京…感染者144人、死亡者4人、重症者2人
・大阪…感染者43人、死亡者2人、重症者2人
残念ながら、第2波が到来した可能性が高くなりました。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月7日版・追記あり】

前回の続きです。

厚労省から4月7日のデータが発表されたので追加しました。
前日の4月6日に比べると、死亡者が7人増、重症者は1人増です。



3月25日頃から感染者が急増して2週間ほど経過しましたが、死亡者と重傷者は前回のピークとほぼ同じ（7日間移動平均）なので、増加したようには見えません。

なお、NHKの情報によると、今日4月7日の東京都の感染者は80人とのことなので、連日100人を突破していた状況から2桁の人数に落ち着いてきました。

現実のデータから判断する限り、パンデミックが起きる可能性は低くなったようです。

正直、かなりほっとしています。

さっき（4月7日午後7時）、安倍首相が緊急事態宣言を出しましたが、政府の努力が無駄になることを祈っています。

【2020.4.7 22:50追記】

今日4/7夜の発表では、東京は感染者80人、死亡者1人、大阪は感染者53人、うち重症者7人となりました。成り行きを見守りたいと思います。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月6日版】

前回の続きです。

厚労省から4月6日のデータが発表されたので追加しました。
前日の4月5日に比べると、死亡者が3人増、重症者は9人増です。



3月25日頃から感染者が急増して１週間以上が経過しましたが、死亡者と重傷者は前回のピークと同じぐらいなので、必ずしも増加したとはいえないでしょう…。

なお、4月6日夜に発表された東京・大阪のデータ（このグラフには含まれていません）では、死亡者なし、重症者はそれぞれ3人増と1人増でした。

この調子ならいいのですが…ね。
今後の状況を慎重に見守りたいと思います。

新型コロナは沈静化しつつある！？【4月5日版】

前回の続きです。

厚労省から4月5日のデータが発表されたので追加しました。
4月4日に比べると、死亡者が1人増、重症者は不明です(表は4月4日のままなので誤記？)。

結果ですが、3月25日頃から感染者が急増して１週間以上が経過しましたが、死亡者と重傷者は増加してないようで、ひとまず安心というところです。



前述のとおり、厚労省の重症者のデータがない(数字は4月4日のまま)のですが、私が確認できたのは大阪府の1人だけでした。明日になればはっきりすると思います。

と思ったら、こんな仮説があるようです。

日本は第2波が各地に襲いかかっている状況。欧米から3月初旬に入ってきたのが広がっているということか？

出所：Hironori Funabikiさんのtwitter

常識的に考えて、感染者が急増して1週間以上経過すると、死亡者と重傷者は増加するはずですが、そういう様子は見られません。

私はどの仮説が正しいかわかりませんが、数日すれば結果がはっきりすると思います。

ということで、まだまだ安心できないようです…。

新型コロナは沈静化しつつある！？【追記あり】

最近のニュースは、海外も含めて新型コロナウイルスの話題ばかりですね。



しかし、センセーショナルな報道ばかりで、飽き飽きしている人も多いのではないでしょうか。

私は、冷静な分析で定評がある池田信夫氏、三重大の奥村晴彦氏、毎日更新される東洋経済新報社のサイトを参考にしています（ありがとうございます）。

ただ、池田氏と奥村氏のサイトは、専門的でわかりにくい点もあります。
また、東洋経済のサイトは、基本的に厚生労働省の生データのままなので、統計的な誤差も散見され、休日は病院や自治体のデータが極端に少ないため（見かけ上）データのばらつきが大きく、ちょっと見にくいのです。

そこで、素人にも簡単にわかるようなグラフを試作してみました。
病院や自治体のデータが出てくるのは「１週間サイクル」ですから、７日間の移動平均をグラフ化すればいいのです。
あまりにも単純なので、誰にでもわかりますよね（笑）。

棒グラフが実際のデータで、点線が７日間の移動平均です。
※見やすくするために棒グラフの上下はカットしてあります。

結果は驚くべきものでした！

なんと、新型コロナは沈静化しつつある！？という数字が出たのです。
そんなバカなという人がほとんどだと思います…
正直、私自身も信じられませんでした。

ということですので、あくまで素人の論考という位置付けですが、ここに皆さんにそのまま公開することにします。

最初のグラフは、マスコミによく出ている、感染者数・患者数・ＰＣＲ検査者数の推移です。

※ＰＣＲ検査者数は、実際の数字の1/10を表示しています。

３月下旬から東京や大阪などの大都市を中心に、感染者数が急激に増加しています。
毎日報道されているので、知っている人がほとんどでしょう。

しかし、感染者数の内訳を見てみると、急増しているのは無症状者や比較的軽症の感染者なのです。

では、重症者数と死亡者数の推移はどうでしょう？



不思議なことに、死亡者数は横ばいです。
重症者数に至っては、３月下旬には激減しているのです。

この傾向が本当なら、日本では新型コロナは沈静化しつつある！？ということになります。

ちょっと信じられないのですが、これは事実です！
東京や大阪でロックダウンが真剣に検討されているのに、本当なんでしょうか？
上の私の論考のどこかに、重大なミスか落とし穴があるのでしょうか？
かなり不安です…

まぁ、ず～っとこのまま行けばいいのですが、ね。

【2020.4.4 20:30追記】

厚労省から4月4日のデータが発表されたので追加しました。