「正反対の者同士は惹かれ合う」は真実ではない? [論文]
恋愛関係に関して昔から言われる「正反対の者同士は惹かれ合う」という説は、実際には正しくないようだ。何万組ものカップルを対象に130種類以上の特性について相関を調べた結果、正反対の者同士が惹かれ合うという主張を裏付ける結果は得られなかったことが報告されたのだ。米コロラド大学ボルダー校のTanya Horwitz氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Human Behaviour」に8月31日掲載された。
https://job.mynavi.jp/conts/medical/news/0764/
元の論文
https://www.nature.com/articles/s41562-023-01672-z
コロラド大学のプレスリリース
https://www.colorado.edu/today/2023/08/31/news-flash-opposites-dont-actually-attract
同じ血液型の中国人は結婚しやすい?
https://abofan.blog.ss-blog.jp/2023-03-09
となると、やはり↑の中国の論文は正しい?
https://job.mynavi.jp/conts/medical/news/0764/
元の論文
https://www.nature.com/articles/s41562-023-01672-z
コロラド大学のプレスリリース
https://www.colorado.edu/today/2023/08/31/news-flash-opposites-dont-actually-attract
同じ血液型の中国人は結婚しやすい?
https://abofan.blog.ss-blog.jp/2023-03-09
となると、やはり↑の中国の論文は正しい?
2023-10-01 21:18
コメント(0)
ネアンデルタール人とデニソワ人にはcisABが多い?【訂正・追記あり】 [論文]
前回「ネアンデルタール人にはA型がいなかった?」の続きです。
そうしたら、PLOS ONEで別の論文を見つけました。
Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)
この論文の著者は、どうやらcisABを理解してないらしく、無理矢理A型かB型に当てはめ、こんな図を描いています。
専門家に確認したところ、このPLOS ONEの論文の方が正しいとのことでした。
整理した内容については、お手数ですが最後の訂正文をご覧ください。

この図を見てはたと思いつきました。
以前に紹介した論文、
・ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文
・ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文【続】
では、A型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生したとありますが、↑のcisABの塩基の突然変異で1つだけ変わると、
・Vindija 33.19はB型になります。
・AltaiとChagyrskaya 8はA型になります。
そして、cisABよりは、A型やB型の方が免疫力が強いのは明らかなので、いったんA型やB型ができてしまえば、淘汰圧に打ち勝ってA型やB型が増えることは確実です。
こう考えると、すべての事実に辻褄が合ってきます。
面白いことに、Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE) には、北野さんの論文(ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文 )が参考文献に出てきますが、最初に紹介したOxrordの論文には出てきません。
なんで?
【2023.7.10訂正】
専門家に確認したところ、Oxford大学の論文は間違っており、訂正文↓も出しているとのこと。
https://academic.oup.com/mbe/article/38/12/5835/6383596
そして、この訂正文も間違っており、前出のPLOS ONEの論文↓が正しいのだそうです。
Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)

なお、ABO血液型は複対立遺伝子のため、2本の染色体にそれぞれ遺伝子があります。
よって、人数は正しくは8人ではなく、2本の染色体×4人=8本でした…![[バッド(下向き矢印)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/156.gif)
ということで、
・AltaiはAAのA型
・Vindija 33.19はBOのB型
・ChagyrskayaはAOのA型
・DenisovaOOのO型
が正しく、
1. ネアンデルタール人3人は、A型が2人(AA1, AO1)、B型が1人(BO)
2. デニソワ人1人はO型(OO)
という結論になります
。
【2023.7.18追記】
↑の論文より前に、ネアンデルタール人2人がO型だったという論文が出ていたそうです。
Genetic characterization of the ABO blood group in Neandertals
皆様、情報提供ありがとうございます。
【2023.9.17追記】
その後、丸魚さんから、ネアンデルタール人の1人はcisABではないかと9/6付けでコメントをいただきました。
問い合わせてみましたが、確たる結論が出ないので、当面は両論併記にしたいと思います…![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)
そうしたら、PLOS ONEで別の論文を見つけました。
Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)
専門家に確認したところ、このPLOS ONEの論文の方が正しいとのことでした。
整理した内容については、お手数ですが最後の訂正文をご覧ください。
面白いことに、Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE) には、北野さんの論文(ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文 )が参考文献に出てきますが、最初に紹介したOxrordの論文には出てきません。
なんで?
【2023.7.10訂正】
専門家に確認したところ、Oxford大学の論文は間違っており、訂正文↓も出しているとのこと。
https://academic.oup.com/mbe/article/38/12/5835/6383596
そして、この訂正文も間違っており、前出のPLOS ONEの論文↓が正しいのだそうです。
Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)
なお、ABO血液型は複対立遺伝子のため、2本の染色体にそれぞれ遺伝子があります。
よって、人数は正しくは8人ではなく、2本の染色体×4人=8本でした…
![[バッド(下向き矢印)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/156.gif)
ということで、
・AltaiはAAのA型
・Vindija 33.19はBOのB型
・ChagyrskayaはAOのA型
・DenisovaOOのO型
が正しく、
1. ネアンデルタール人3人は、A型が2人(AA1, AO1)、B型が1人(BO)
2. デニソワ人1人はO型(OO)
という結論になります
![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)
【2023.7.18追記】
↑の論文より前に、ネアンデルタール人2人がO型だったという論文が出ていたそうです。
Genetic characterization of the ABO blood group in Neandertals
皆様、情報提供ありがとうございます。
【2023.9.17追記】
その後、丸魚さんから、ネアンデルタール人の1人はcisABではないかと9/6付けでコメントをいただきました。
問い合わせてみましたが、確たる結論が出ないので、当面は両論併記にしたいと思います…
![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)
2023-07-08 06:19
コメント(12)
ネアンデルタール人にはA型がいなかった? [論文]
読者の方から、ネアンデルタール人にはA型がいなかったかも?という面白いメールをいただいたので、ここに紹介させていただきます。
-----
最近特に読者からのメールにたくさん論文が紹介されていておもしろいです。
私もおもしろい論文をみつけたので紹介しようと思います。
ネアンデルタール人の血液型の論文↓がありました。
https://doi.org/10.1093/molbev/msab109

現代人にはあまりみられないcisAB型がネアンデルタール人でみつかったそうです。このcisAB型はB(A)型と言われて現代人のB型とほとんど変わらないです。現代人に多いO型もネアンデルタール人でみつかっています。
しかし、この論文でおもしろいのは、この4人のネアンデルタール人で現代人のA型がみつからなかったことです。前にbbマンさんが紹介していた現代人のA型が最近できたというのにも矛盾していないように思えます。
-----
最近特に読者からのメールにたくさん論文が紹介されていておもしろいです。
私もおもしろい論文をみつけたので紹介しようと思います。
ネアンデルタール人の血液型の論文↓がありました。
https://doi.org/10.1093/molbev/msab109
現代人にはあまりみられないcisAB型がネアンデルタール人でみつかったそうです。このcisAB型はB(A)型と言われて現代人のB型とほとんど変わらないです。現代人に多いO型もネアンデルタール人でみつかっています。
しかし、この論文でおもしろいのは、この4人のネアンデルタール人で現代人のA型がみつからなかったことです。前にbbマンさんが紹介していた現代人のA型が最近できたというのにも矛盾していないように思えます。
2023-06-21 19:55
コメント(0)
日本人とアイヌの血液型分布 [論文]
読者の方から情報提供がありました。
日本人の都道府県都市別の血液型分布のデータです。
サンプル数が400万人超とすごいです。
The Distribution of the ABO Blood Groups in Japan

アイヌの分布もありましたが、O型が多くなってますね。
On the Blood Groups among the Aiun in Niikappu, Hokkaido

日本のデータは、古畑種基さんの115万人のもの
A 38.4%, B 21.8%, O 30.7%, AB 9.4%
大久保康人さんの赤十字血液センターのもの
A 39.1%, B 21.5%, O 29.4%, AB 10.0%
が有名ですが、今回のデータは400万人超とサンプルサイズが凄いですね。
いずれにしても、A:B:O:ABはほぼ4:3:2:1なことは確かなようです。
アイヌについてですが、日本人にA型が多いのは水田稲作のせいだとすると(結核菌はB型なのでA型が強い)、アイヌは狩猟採集民族ですからO型が多くとも不思議ではないと思います。
なお、ゲノム解析では、日本人、韓国人、中国人のいずれからも離れていました。
日本人の都道府県都市別の血液型分布のデータです。
サンプル数が400万人超とすごいです。
The Distribution of the ABO Blood Groups in Japan

アイヌの分布もありましたが、O型が多くなってますね。
On the Blood Groups among the Aiun in Niikappu, Hokkaido

日本のデータは、古畑種基さんの115万人のもの
A 38.4%, B 21.8%, O 30.7%, AB 9.4%
大久保康人さんの赤十字血液センターのもの
A 39.1%, B 21.5%, O 29.4%, AB 10.0%
が有名ですが、今回のデータは400万人超とサンプルサイズが凄いですね。
いずれにしても、A:B:O:ABはほぼ4:3:2:1なことは確かなようです。
アイヌについてですが、日本人にA型が多いのは水田稲作のせいだとすると(結核菌はB型なのでA型が強い)、アイヌは狩猟採集民族ですからO型が多くとも不思議ではないと思います。
なお、ゲノム解析では、日本人、韓国人、中国人のいずれからも離れていました。
2023-06-18 06:49
コメント(2)
パキスタンの「血液型と性格」の論文 [論文]
関係ある、という結果のようです。
Kashaf MustafaSana Haseeb KhanFaiza Jave et al.
Is your blood grouping associated with personality and intelligence?
September 2022
DOI: 10.51441/BioMedica/5-779
Kashaf MustafaSana Haseeb KhanFaiza Jave et al.
Is your blood grouping associated with personality and intelligence?
September 2022
DOI: 10.51441/BioMedica/5-779

2023-06-17 12:44
コメント(0)
中国の血液型【追記あり】 [論文]
2022年の最新データです。
A 28.72%, B 28.17%, O 34.20%, AB 8.91%とのこと。
Distribution characteristics of ABO blood groups in China
https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2022.e10568
安徽省や湖南省は日本と同じで、A型が一番多いと言われていたのですが、実際は僅差でO型が多いようです。
A型が一番多い地域はないんですね…。へ~。

【2023.7.16追記】
別の文献です。
Frequencies and ethnic distribution of ABO and RhD blood groups in China: a population-based cross-sectional study
A 28.72%, B 28.17%, O 34.20%, AB 8.91%とのこと。
Distribution characteristics of ABO blood groups in China
https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2022.e10568
安徽省や湖南省は日本と同じで、A型が一番多いと言われていたのですが、実際は僅差でO型が多いようです。
A型が一番多い地域はないんですね…。へ~。

【2023.7.16追記】
別の文献です。
Frequencies and ethnic distribution of ABO and RhD blood groups in China: a population-based cross-sectional study
2023-06-14 22:05
コメント(2)
ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文【続】 [論文]
読者の方(bbマンさん)から、再度メールをいただきました。
これまた面白そうな内容なので、共有しておきます。

これまた面白そうな内容なので、共有しておきます。
先週、メッセージを送らせていただいたbbマンです。
このサイトとブログに私のメッセージが紹介されているのを拝見しました。
とても光栄です。
コメントありがとうございました。
私もヒトではA型が一番古いと信じていたのでこれをみた時には驚きました。
先週のものと内容はほとんど同じですが、また面白い論文を見つけました。↓
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwiF6amlz_v-AhWOp1YBHdIfCL4QFnoECBMQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.ncbi.nlm.nih.gov%2Fpmc%2Farticles%2FPMC3830805%2F&usg=AOvVaw0JgLnwxQs_e0EYEj_9dGJb
内容は「ヒトのA型遺伝子が組換え型であることを世界中の人々のデータ(HapMapデータ)から検証し直した。」
また先週紹介した論文の筆頭著者の北野誉教授が、先週の論文の内容を日本語で解説したサイトもみつけました。↓
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjP-u3n0Pv-AhVEMd4KHSfYDkMQFnoECAgQAQ&url=https%3A%2F%2Fsites.google.com%2Fsite%2Fkitanosite%2Fstudy%2Ffigure-in-kitano-et-al-2012&usg=AOvVaw2KY7OItEkjV-mfUG5Vgq4a

2023-05-18 22:11
コメント(2)
ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文 [論文]
読者の方(bbマンさん)からこんなメールをいただきました。
面白そうな内容なので、共有しておきます。

以下は、Abstractの仮訳です。
面白そうな内容なので、共有しておきます。
面白い論文を見つけました。↓
https://doi.org/10.1093/molbev/mss021
[Takashi Kitano, Antoine Blancher, Naruya Saitou. (2012). The Functional A Allele Was Resurrected via Recombination in the Human ABO Blood Group Gene, Molecular Biology and Evolution.]
内容は「ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した。」
性格のことではなく、進化のことですが、面白いと思ってabo fanさんと共有したいと思い、メッセージを送りました。
以下は、Abstractの仮訳です。
機能性A対立遺伝子とB対立遺伝子は、ヒトABO血液型遺伝子のエクソン7の2つの重要な部位で区別される。最も頻度の高い非機能性O対立遺伝子は、フレームシフトを引き起こすエクソン6に1塩基の欠失があり、エクソン7の2つの重要な部位にA型の特徴を持っている。以前の研究では、B対立遺伝子とO対立遺伝子がヒト系統のA対立遺伝子に由来することが示されていた。本研究では、6つの代表的なハプロタイプA101、A201、B101、O01、O02、および O09を使用して系統発生ネットワーク分析を実行した。その結果、A対立遺伝子は、おそらく遠い昔にヒト系統で一度絶滅したと思われるが、30万年弱前にB対立遺伝子とO対立遺伝子の間の組換えによって復活したことが示された。
2023-05-13 07:44
コメント(7)
ベートーベンのDNA鑑定が行われました [論文]
ケンブリッジ大学などの研究チームがベートーベンのDNA鑑定を行ったそうですが、残念ながら血液型は発表されてないようです…。![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)

以下はソースのURL
Genomic analyses of hair from Ludwig van Beethoven: Current Biology
https://doi.org/10.1016/j.cub.2023.02.041
Beethoven's DNA
https://www.cam.ac.uk/stories/beethovens-dna-reveals-health-and-family-history-clues
1st ever analysis of Beethoven's DNA sheds light on the mystery of his death | Live Science
https://www.livescience.com/1st-ever-analysis-of-beethovens-dna-sheds-light-on-the-mystery-of-his-death
![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)
以下はソースのURL
Genomic analyses of hair from Ludwig van Beethoven: Current Biology
https://doi.org/10.1016/j.cub.2023.02.041
Beethoven's DNA
https://www.cam.ac.uk/stories/beethovens-dna-reveals-health-and-family-history-clues
1st ever analysis of Beethoven's DNA sheds light on the mystery of his death | Live Science
https://www.livescience.com/1st-ever-analysis-of-beethovens-dna-sheds-light-on-the-mystery-of-his-death
2023-04-01 11:04
コメント(0)
同じ血液型の中国人は結婚しやすい? [論文]
これはなかなかすごい論文ですね。
中国人100万人のデータを解析したところ、同じ血液型は結婚しやすいという結果が出ているようです。
にわかには信じがたいのですが…。
Assortative mating on blood type: Evidence from one million Chinese pregnancies

ただ、著者は超一流の清華大学なので、ウソとも思えないです。
中国人100万人のデータを解析したところ、同じ血液型は結婚しやすいという結果が出ているようです。
にわかには信じがたいのですが…。
Assortative mating on blood type: Evidence from one million Chinese pregnancies
ただ、著者は超一流の清華大学なので、ウソとも思えないです。
2023-03-09 19:52
コメント(0)