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O1b2は日本列島発祥で決まり!?【追記あり】 [ゲノム解析で古代史]

これで、O1b2は山東省発祥ではなく、日本列島発祥でほぼ決まりなのでは?

【参考】パズルの最後の1ピースを探し求めて、注目される山東省のDNAのデータ
・O1b2(M-176)は山東省が発祥?

【2024.8.15追記】


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【古代考察】なぜ後進地域だった奈良盆地が西日本の中心になったのか【畿内説】 〈前編〉 [ゲノム解析で古代史]

【古代考察】なぜ後進地域だった奈良盆地が西日本の中心になったのか【畿内説】 〈前編〉

日本史板.JPG

この動画は凄いです。1時間半以上ありますが、邪馬台国論争に興味がある人は必見でしょう。
いい意味で、いままでの「考古学の常識を打ち破る」内容と言えます!

誰が作ったんですかね? 内容からすると、おそらく九州の考古学者なんでしょうね。

なぜか、邪馬台国論争の考察というnoteには取り上げられていませんね。
※以前の動画は非公開になった模様です。



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鐘状ビーカー文化の到来とオークニー諸島 [ゲノム解析で古代史]

メモメモ (._.)φ

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引退した科学者がトンデモ歴史本を書く理由? [ゲノム解析で古代史]

Xにこんなポストがありました。

私は逆に読みます。

よくある話で、禁止条項があるのは、そういう人が存在するから必要。
「落書き禁止」なら落書きで困っているから、そう書いているわけです。
困っていないなら、ことさらに言う必要はありません。

つまり、多くの引退した科学者が歴史本を書いて、それらは結構な影響力があるということです。
そもそも、そういう歴史書に影響力がないなら、わざわざこんなことをポストする必要なんかありません。

意外だったのは、こういった定説への疑問に「真面目」に応えようという姿勢が、既存の歴史学からは読み取れないことです。

少なからず硬直的だから、新しい試みをしようとか、新たなファンを獲得しようとか、一般の人に分かりやすく説明しようということにもならないのでしょう…。
非常に残念なことです。

その意味で、若い研究者には期待しています。

こう言ってはなんですが、そういうことだから↓の記事が出るのだと思います。

考古学関係者に衝撃与えた炭素14年代測定 歴博を退職した藤尾慎一郎さんが振り返る稲作開始時期めぐる21年前の発表
弥生時代の開始の問題は九州の考古学者の独壇場という雰囲気が強かったにもかかわらず、九州大出身とはいえ、関東にいる研究者が関わったことが納得いかないということがあったのではないか。加えて、最初の発表が学会ではなく、記者会見だったことが余計に火に油を注いだ。
国立歴史民俗博物館(歴博)が弥生時代の開始年代を500年さかのぼらせる研究結果を発表して21年。考古学関係者の間で意見の相違が解消しない中で、各地の博物館も弥生時代の表記についてさまざまな対応をしている。

次は“対応例”です。

・神奈川県立歴史博物館(横浜市中区)は展示室のパネルで、日本列島への稲作の伝来を「紀元前10~同9世紀」と歴博年代を反映した。

・一方、東京国立博物館は従来の「紀元前5世紀」としている。

こんなことだから、「引退した科学者がトンデモ歴史本を書く理由」というポストが必要になるのでは?
学問的な論争があるのは、既存の歴史学を活性化し、人々の注目も集めるのだから、肯定的に評価すべきでしょう。

論争はぜひ学会内かつオープンに行ってほしいと思います。

ちょっとがっかりしました。[バッド(下向き矢印)]

【追記】

実際、古墳、銅鏡、鉄器などの貴重な(たぶん多額の公費が投入されている)データが、今どきオープンデータになってないことは信じられません。

またAIやゲノム解析どころか、GISもあまり活用されてないようで、理系の人間が一言あるのは当然だと思います。それが不当な批判だと感じるなら、学会や学問の発展は期待できないのでは?

逆に、これだけ「ブルーオーシャン」が広がっているなら、マーケット拡大の絶好のチャンスなので、既存の歴史学の研究者も反対する理由はないと思うのですが、これは理系的・技術屋的な発想なのかもしれませんね。[たらーっ(汗)]

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邪馬台国“近畿説”は「学説」なのか? [ゲノム解析で古代史]

とある邪馬台国“近畿説”の考古学者の方とネットで議論したので、勉学のために推奨された本[本]を買って全部読んでみました。


魏都・洛陽から倭都・邪馬台国へ ―『親魏倭王』印の旅―

魏都・洛陽から倭都・邪馬台国へ ―『親魏倭王』印の旅―

  • 出版社/メーカー: 雄山閣
  • 発売日: 2019/11/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


日本の誕生 (岩波新書 新赤版 510)

日本の誕生 (岩波新書 新赤版 510)

  • 作者: 吉田 孝
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/06/20
  • メディア: 新書


邪馬台国 (古代を考える)

邪馬台国 (古代を考える)

  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 1998/06/01
  • メディア: ハードカバー


邪馬台国論争 (講談社選書メチエ 52)

邪馬台国論争 (講談社選書メチエ 52)

  • 作者: 岡本 健一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/07/01
  • メディア: 単行本


邪馬台国論争

邪馬台国論争

  • 作者: 原田 大六
  • 出版社/メーカー: 三一書房
  • 発売日: 2024/04/25
  • メディア: ペーパーバック

しかし、残念なことに、邪馬台国“近畿説”は「学説」として成り立っているのかどうか、私には全然理解できませんでした。

なぜなら、魏志倭人伝の記述である「距離」「方角」「墳墓」をほぼ全部否定しない限り、邪馬台国は近畿には存在できないからです。
たぶん、文献史学的に「距離」(1万2千里)、「方角」(帯方郡の南方)、「墳墓」(卑弥呼の墓は円墳)を説明している本はないのでは?

仮に、魏志倭人伝がそこまで信頼できないなら、そもそも邪馬台国自体の年代だけではなく、存在自体も怪しいと推測するのが普通でしょう。

もし、“近畿説”では年代も存在自体も絶対確実だが、他の記述はまったくデタラメだと主張するなら、それなりの(屁・笑)理屈や論理が必要なはずですが、残念ながら私の力では発見できませんでした。
言い換えれば、ポパー的な反証は不可能ということになります。

こうなると、私が一番理解しやすいのは、邪馬台国は近畿(大和)にあるという結論が先にあり、それを正当化する証拠を探してくるのが“近畿説”というものです。
それなら、そもそもポパー的な解釈などは“邪道”かつ不要、ということになります。

こう考えると、確かに上記の本の記述は極めて素直に理解が可能です。
また、この構造は例の「発掘捏造事件」とも酷似しています。

これに対して、邪馬台国九州説は、(少なくとも論理的には)簡単かつ単純です。
魏志倭人伝の記述は基本的に正しいし、政治的な理由などで書き換えられた部分は○○で、その理由は××ということになります。
もちろん、その(屁・笑)理屈や論理が正しいかどうかは別として、少なくとも「学説」としては成り立ちます。
また、ポパー的な反証は、少なくとも限定的には成り立ちます。

もちろん、「放射説」のように、現在の基準では相当怪しいものもありますが、少なくとも魏志倭人伝に沿って解釈していることが基本です。

そして、こう考えると、ここまで考古学的な証拠が多くなっても、論争に決着が付かない理由も明らかでしょう。
なぜなら、「邪馬台国論争」は学術的なものではないからです。[たらーっ(汗)]

そもそも、専門家の正否の認定基準が不明なため、ポパー的な反証は不可能ということになります。
言い換えれば、どういう条件が満たされるなら、近畿説や九州説が正しいのか不明なのだから、はじめから「水掛け論」なのです。

では、議論に決着を付けるためにはどうすればいいのか。
これは「血液型論争」を経緯を見れば明らかでしょう。[ひらめき]

【2024.4.28追記】

近畿説では、特に箸墓古墳に非常にこだわるのが不可解です。魏志倭人伝によると、卑弥呼の墓は「円墳」。それを無視し、「前方後円墳」である箸墓古墳が彼女の墳墓だというなら、年代も無視しないと辻褄が合わない。それなのに、C14法の年代にあれだけこだわるのは奇妙というしかありません。なぜ誰も指摘しないんですかね?
箸墓古墳にこだわらず、当時の大和は北部九州より先進的だというなら、まだ理解できるのですが…。


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全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴 [ゲノム解析で古代史]

あちこちで新聞記事になっていた、理研の「三重構造説」のプレスリリースです。
英語で読むのは大変なので、日本語のプレスリリースは助かります。

20240418_2_fig.jpg

テクニカルな解説はそのとおりですが、この記事に書いてないことも結構あります。

1. 「二重構造説」の拘束が緩くなってきた

二重構造説は、東大の埴輪教授が提唱した説です。
しかし、最近のゲノム解析で事実と合わないことが増えてきました。
東大系の研究者は現在でも二重構造説が主流ですが、そうでない人は結構自由に物が言えるようになってきたのかな(?)という感じがします。

2. Admixtureでは「クラスター分析」を行う

Admixtureは、クラスター分析を行うソフトです。
このソフトは、最初に何グループに分けるか設定するようになっています。
言っては悪いですが、3グループと設定すれば、きれいに結果が出てきます。
この論文にもあるように、感染症などによる自然淘汰があった場合は、その結果が妥当かどうかは慎重な検討が必要です。

3. 本当に「関西地方は漢民族と遺伝的親和性が高い」のか?

ゲノム解析でそう出ても、漢民族が大陸から大量に来た証拠は発見されていません。
逆に、Y染色体を調べると、縄文人と現代人は結構共通しています。
関西地方は漢民族と遺伝的親和性が高いのは、実は「他人の空似」なのか、それとも大量の移民があったからなのかは、この研究だけでは分かりません。
他の分析との緻密なクロスチェックが求められます。

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アイヌの祖先は縄文人ではない【追記あり】 [ゲノム解析で古代史]

ゲノム解析の結果はこんな感じです。

これもそうです。

また、英語論文もあります。
例えば安達氏らのもの。

Ethnic derivation of the Ainu inferred from ancient mitochondrial DNA data
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ajpa.23338
Discussion
The present study strongly recommends revision of the widely accepted dual-structure model for the population history of the Japanese, in which the Ainu are assumed to be the direct descendants of the Jomon people.
本研究は、アイヌ民族が縄文人の直系子孫であるとする、広く受け入れられている日本人の人口史の二重構造モデルの見直しを強く勧告するものである。

【訳文】その結果、現代のシベリア人、オホーツク文化人、現代のアイヌに共通するミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプログループA、C、Yは、北海道の縄文人には観察されないことが判明した。

実際はこんな感じだそうです。

shinoda1.PNG
ソース:篠田謙一 DNAで解明する人類の起源と拡散 DNA系統研究のその後

【2024.7.27追記】
ポストがダブりますが…
【2024.8.17追記】
Mitochondrial DNA haplogrouping of the Okhotsk people based on analysis of ancient DNA: an intermediate of gene flow from the continental Sakhalin people to the Ainu

【別スレッド】

【別スレッド】
Autosomal and Y-chromosomal STR markers reveal a close relationship between Hokkaido Ainu and Ryukyu islanders
These results would suggest that the Ainu and the Ryukyu islanders had a common ancestor around 40000 years ago, corresponding to the middle of the Last Glaciation.
これらの結果は、アイヌと琉球の島民が約40000年前に共通の祖先を持っていたことを示唆している。

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7300年前頃の鬼界アカホヤ噴火は完新世で最大規模だった [ゲノム解析で古代史]

有益な情報なのでメモ(._.)φしておきます。

オリジナルの神戸大学ニュースリリース(2024.2.22)
海底を覆う大量の鬼界カルデラ巨大噴火の噴出物を発見
過去1万2千年で地球上最大の噴出量
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20240222-21789/
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7300年前頃の鬼界アカホヤ噴火後に「縄文人」が「無人」だった朝鮮半島に渡った?【追記あり】 [ゲノム解析で古代史]

雑記帳1.JPG
元論文はこちらです。
そして、その元論文の根拠となった、同じ著者らによるデータ↓

雑記帳2.JPG

IntCal20で補正すると最古は安島の8200年前です。
しかし、多くは6500yBP前後(7300年前頃)。
アカホヤ以前に少数が渡っていたが、7300年前に加速度的に増えた、というのが一番もっともらしい解釈だと思います。

データソースはこの論文。
Jangsuk Kim, Chuntaek Seong
Final Pleistocene and early Holocene population dynamics and the emergence of pottery on the Korean Peninsula
https://doi.org/10.1016/j.quaint.2020.10.049

seong.png

【参考】山下大輔 鬼界アカホヤ火山灰の年代

https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/records/19751
関西大学.png

【2024.3.17追記】

雑記帳3.JPG

↑の朝鮮半島の地図は次のとおりです。

seong2.JPG

【2024.3.18追記】

seong.png

↑のデータは、IntCal20で補正(経過年数が+800年)した後に、海水リザーバー効果(経過年数が-数百年)でもう一回補正する必要がありますね[たらーっ(汗)]
全く気が付きませんでした…。

結局、プラスとマイナスがちょうど相殺されて、ほぼuncalの値でいいようです。
なんじゃそりゃ[わーい(嬉しい顔)]

これで、アカホヤ後に縄文人が朝鮮半島に渡ったのはほぼ確定です[るんるん]

【2024.3.19追記】

そうしたら、↓の関西大学の紀要によると、朝鮮半島南岸の海洋リザーバー効果は、高々200年のようです。
ただし、東岸は300年位のところもあるようですね。

中西利典ほか 九州沿岸における放射性炭素海洋リザーバー効果の時空間変化の検討
https://www.kokudo.or.jp/grant/pdf/h26/nakanishi.pdf

海洋リザーバー効果.JPG

と思ったら、↓の歴博の論文では、安島の較正年代は7430~6620BPなのだそうです(測定誤差を考えると7300BPより前)[たらーっ(汗)]

藤尾 慎一郎 弥生人の成立と展開Ⅱ : 韓半島新石器時代人との遺伝的な関係を中心に
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/records/2000021

安島貝塚から出土した遺物には中国系の玦状耳飾り,縄文系の轟式土器,石匙,結合式釣針,佐賀県腰岳産の大量の黒曜石片などがあり,なかでも黒曜石の出土数は韓半島においては一遺跡としては多い方で,剝片数220 点を数える。また,タマキガイ科の貝で作られた貝釧を装着した人が見つかるなど,九州西北部の縄文文化との共通性を見せている。安島貝塚の状況は,西遼河系の核ゲノムを持つ人がいる一方で,縄文系の道具をもっている人がいる点で文化的にも多様である。
ソウル大学校の年代測定室が集石付近で見つかった骨片や貝殻を対象に14C年代測定を行っているが,土壙墓出土人骨自体の14C 年代測定は行われていない。2008 年以前の測定なので較正曲線はIntCal04,較正年代は7430~6620 14C BP であった。

結局、何が正しいか分かりません…[あせあせ(飛び散る汗)]

ただし、↓の論文、

Jangsuk Kim, Chuntaek Seong
Final Pleistocene and early Holocene population dynamics and the emergence of pottery on the Korean Peninsula
https://doi.org/10.1016/j.quaint.2020.10.049

は投稿が2020年と文在寅政権下なので、相当な“政治的バイアス”が考えられます。

よって、

○本命  鬼界カルデラ大噴火の7300年前より「後」
○対抗馬 鬼界カルデラ大噴火の7300年前より「前」

とします。

仮に対抗馬が正しいとしても、鬼界カルデラ大噴火より前のサンプルはかなり少ないのです。
その前に縄文人が住んでいたとしても、人数が少なかったことは確かでしょう。
ということで、大量に縄文人が避難したのは、どっちにしろ大爆発後ということになります[るんるん]

【2024.3.21追記】

と思って、しつこく調べてみたところ…

結局、「本命」の鬼界カルデラ大噴火の7300年前より「後」が正しいようです[るんるん]
これで、「二重構造説」はほぼ完全に否定されます。
言い換えれば、“渡来人”の多くは「里帰りした弥生人」ということです。
(一部は中国大陸からの本物の「渡来人」)

これは、きちんとした証拠があります。具体的には…

李 相均
縄文前期前半期における轟B式土器群の様相 : 九州, 山陰地方, 韓国南岸を中心に
On the Todoroki B-type Pottery of the Jomon Period in Kyushu, San'in and South Korea
東京大学文学部考古学研究室研究紀要 1994-03-25
DOI: https://doi.org/10.15083/00029592

藤尾 慎一郎
[論文] 弥生人の成立と展開Ⅱ : 韓半島新石器時代人との遺伝的な関係を中心に
[Article] Formation and Development of the Yayoi People II : Focusing on Genetic Relationships with the Neolithic People in the Korean Peninsula
国立歴史民俗博物館研究報告 第242集
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/records/2000021

の2つです。

ただし、2番目の論文の分析は間違っているので、「事実」のみから判断してください。
ヒントは、轟B式土器と朝鮮半島南部の遺跡の分布です。

というか、なぜこんな単純明快なことを専門家が思い付かなかったのか不思議です。
なにかタブーがあるんですかね?

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