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新型コロナは沈静化しつつある!?【5月17日・国民全員のPCR検査は有害!?】 [新型コロナ]

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前回の記事の続きです。

池田信夫氏によると、経済学者を中心として「54兆円で国民全員にPCR検査しろ」という提言が出ているそうです。

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あまりにもバカバカしいので、面白い冗談かと思っていたのですが、どうやら関係者は真剣のようですね。

サイトを見たら、なんと私も知っている超有名な経済学者もメンバーになっていました。
まさかこの提言が実現することはないと思いますが、万が一本当のことになっても困るので、ごく簡単な解説を書いておきましょう。

はっきり言って、この提言は有害です!
何兆円、何十兆円も費やして大混乱を引き起こすことは間違いないですが、加えて(極論ですが)国民の命を危険にさらす可能性さえあります。

経済学者は数字に詳しい人が多いと信じていたのですが、あまりにもナイーブで実務を知らない人が多いのには驚きました。

池田信夫氏は、紳士的に「PCR検査で病気は治らない」と書いています。
しかし、くり返しますが、国民全員にPCR検査をするのは明らかに有害です!

すぐに考えつくのは、

・PCR検査でコロナは治らないので、54兆円はドブに捨てるようなもの
・多くのリソースがPCR検査に投入されるので、医療崩壊が起こる
・事務手続きが特別定額給付金(10万円)と同じぐらい混乱する

これらは間接的に引き起こされる問題です。

しかし、私は直接的な被害の方が大きいと考えます。
なぜなら、現状で国民全員にPCR検査をした場合には、ある程度「陽性」と「陰性」を取り違える可能性が否定できないからです。

取り急ぎ試算すると、

☆本当は「陽性」の人の30%が、検査では「陰性」と判定される

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☆検査で「陽性」と判定された人の50%は、本当は「陰性」である

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このまま「54兆円で国民全員にPCR検査」なんかしたら、大混乱するだけではなく、有害であることは火を見るより明らかでしょう!

具体的な数字で説明しましょう。

最近でこそ多くの人に知られるようになりましたが、PCR検査の精度(感度)は70%程度とされています。
つまり、本当に陽性である人の30%が陰性、つまり「偽陰性」と判定されるのです。
この30%の人は、当然自粛なんかしないでしょうから、あちこちでウイルスをばらまくことになります。
もっとも、空港検疫のデータを見ると、感染者のほとんどが無症状なので、現実にはあまり影響はないかもしれません。

さて、問題はこの次です。

「偽陰性」があるのですから、当然「偽陽性」もあります。
では、検査で陽性と判定された人の何%が本当は陰性なのでしょう。

この計算は単純にはいきませんが、推測することはできます。

現在、PCR検査で陽性とされている人は1万人ほどです。
少なすぎると思う人もあるので、気前よく10倍の10万人だと仮定します。

10万人というのは、1億2,500万人の日本人の約0.1%です。
では、この場合のPCR検査の精度(特異度)はどうなるでしょう?
実は、確たるデータはありません!
99%という人もいるし、99.9%という人、いや100%だという人もいます。
ただ、国民全員を検査するといった大量のデータの場合、人的ミスは防げないので「ゼロ」はあり得ません。
残念なことですが、これは保健所のデータに少なからず訂正があったことで明らかです。
#保健所と医療関係者の方は本当にお疲れ様でした。

仮に、中間値を取って99.9%としましょう。
この場合、本当は陰性なのだけれど、検査で陽性と判定される「疑陽性」は0.1%(!)で、本当の陽性の人数と同じか多くなります。

以上の結果を整理すると、

・本当は「陽性」の人の30%が、検査では「陰性」と判定される
・検査で「陽性」と判定された人の50%は、本当は「陰性」である

となります。実際には、PCR検査で陽性なのは1万人程度でしょうから、

☆検査で「陽性」と判定された人の90%は、本当は「陰性」である

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が、一番ありそうな結果となります。ということは、

54兆円と膨大な手間をかけて、陽性と判定された人の9割が、本当は陰性!?

発起人は実際に試算してみたのですかね?
少々信じられない結果になったので、誰かチェックをお願いします…[たらーっ(汗)]

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