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「血液型と性格」を60万人超のデータで実証 ヒューマンサイエンスABOセンター [論文]

ヒューマンサイエンスABOセンターからプレスリリースが出ています。

「血液型と性格」を60万人超のデータで実証
~英語論文では世界初*1~
一般社団法人 ヒューマンサイエンスABOセンター2021年3月24日 13時20分

一般社団法人ヒューマンサイエンスABOセンター(東京都中央区 代表理事 市川千枝子)の研究員の金澤正由樹は、「ネイチャー」など計60万人以上のデータと、これを補完する4,000人の独自調査に基づき、血液型と性格の関連性を心理学的に実証しました。これまでの研究結果を統一的に説明できる英語論文としては、世界初のものとなります*1。

*1 ヒューマンサイエンスABOセンター調べ 2021年2月現在

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【Yahoo!ニュース】

「血液型と性格」60万人超データで実証
「A型:神経質」「B型:自己中」「O型:大雑把」「AB型:二重人格」

yahoo.PNG


【論文情報】

Relationship between ABO Blood Type and Personality in a Large-scale Survey in Japan
International Journal of Psychology and Behavioral Sciences
日本時間 2021年3月15日オンライン公開

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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【表面化は1/1500?】 [新型コロナ]

前回の続きです。

※この記事を読む前に、前回の記事~新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【まとめ】~に目を通していただくと理解が早いです。 

ワクチン接種後に新型コロナに感染したというケースは「報告されていないからないはずだ」という反論をいただきました。しかし、公開データから計算すると、表面化しているのは1/1500(?)という驚きの結果になりました。私自身も半信半疑なので、ぜひ他の方の検証をお願いします!

---☆---☆---☆---

さて、次のツイートで、韓国でワクチン接種後「感染30人」というニュースが出ていることがわかりました。


韓国の新型コロナウイルス感染症予防接種対応推進団は、きのう(19日)の0時基準で 新型コロナ予防接種後に感染した事例は計30人だと、今日(20日)明らかにした。

職業別では 医療従事者が19人で最も多く、医療人10人、患者1人が接種後 感染した。
新型コロナウイルス感染症予防接種対応推進団は、ワクチン接種後 新型コロナに感染した事例について、予防接種前または予防接種後 防御免疫が形成される前に感染したものと推定している。

そこで、公開されたデータから韓国の感染率を試算してみます。

詳細は後述しますが、結果だけ書いておくと、韓国のワクチン接種後の感染率は韓国人平均の「ほぼ半分」です。WHOの情報だと、医療関係者の感染率は国民平均よりずっと高いとのこと。ところが、韓国の“実測値”では、ワクチン接種後の感染率は「半減」したことになるようです。

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出所 NHKニュース

ということで、ワクチン接種で陽性者が増えたという仮説は成立しません。やはり公開データだけでは検証が難しいのなかぁ…とちょっとがっかりしました。

とここまで書いて、私の頭が悪すぎることに気が付きました…[たらーっ(汗)]

なぜなら、陽性者はワクチン接種とは関係なく「毎日」出ているからです!

厚労省のサイトによると、日本の医療関係者でワクチン接種を受けたのは、3月19日現在で553,454人(2回目除く)です。

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現在の検査陽性者は毎日1,000~1,500人で、ワクチン接種開始日である2月17日からほぼ1月が経過しました。厚労省のサイト(オープンデータ)によると、2月17日から最新の3月19日までの陽性者は35,054人で、日本人の0.3%となっています。

少々乱暴ですが、これをワクチン接種者50万人に換算すると、陽性者は1,500人という結果が得られます。この数値の妥当性はさておき、さすがに1人もいないというのはあり得ないでしょう…。

前述のように、韓国で「ワクチン接種後 新型コロナに感染した」のは30人ということですが、陽性者の人口比は日本と同じで、人口は日本の1/2.5ですから、やはりこの数字は少なすぎると思います。

日本では情報が公開されているのでしょうか?

私が知らないだけかもしれませんが、公開されているのは次の大阪の1人だけのようです。

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出所 読売新聞

看護師、ワクチン接種後に感染確認…コロナ患者の担当

大阪府東大阪市の市立東大阪医療センターは18日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した50歳代の女性看護師について、接種後に感染が確認されたと発表した。
センターによると、看護師は12日に1回目のワクチン接種を受けた。15日以降にせきや頭痛などの症状を訴え、PCR検査で17日に陽性が判明した。接種時に既に感染していた可能性もあるという。

いくらそういうケースが少ないとしても、まさか1,500人が1人になることは絶対にないでしょう…。

以上のことから確実に言えるのは、医療関係者のデータはほとんどが「非公開」ということです。また、ワクチン接種後に新型コロナに感染したというケースは「報告されていないからないはずだ」なんていっている人は、データリテラシーが(私も含め…[たらーっ(汗)])決定的に欠けているということでしょう。

日本は韓国より情報公開が進んでいると信じていたのですが、こういうデータを見せつけられると、一国民として極めて残念と言うしかありません。

ちなみに、韓国の新型コロナのサイトはこんな感じで、

korea.PNG

厚労省のサイトはこんな感じです。

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9月なんていわずに、すぐにデジタル庁を開庁してほしいものです。

---☆---☆---☆---

【参考情報】

国立感染症研究所のデータによると、感染→発症は平均6日で、報告ベースの数値とはタイムラグが生じます。感染→発症は翌日から2週間後と相当ばらついているのがわかります。

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たまたま、ワクチン接種後のタイミングで感染が確認されたとしても、その原因まではわかりません。

なぜなら、原因を大きく分けると、

1. 接種時に既に感染していた
2. ワクチン接種後に感染したが、ワクチン接種とは関係ない
3. ワクチン接種後に、ワクチン接種の副反応(免疫が低下)で感染した

ですが、最後の3だけの人数を調べるのは事実上不可能だからです。

日本で使われているファイザー製のワクチンは、接種後2週間程度は免疫が低下し、新型コロナに感染しやすくなる可能性が示されています。


私は、これを公開データで検証しようとデータを集めていました。本当は接種者と非接種者との感染率を比較したかったのですが、残念ながら日本では情報が公開されていないようです。

諸外国と日本のマクロデータから推測する方法を採用したのは前回までの記事のとおりです。

そこで、公開されたデータから韓国の感染率を試算してみます。

・韓国の1日の感染者数 約400人

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出所 Google

・韓国の接種者数 60万人

Yahoo!ニュース 韓国、コロナワクチン接種「60.2万人」、異常反応「8751人」

・3月20日までの感染報告 30人(前述)

感染→発症・報告まで1週間とし、3月20日の1週間前3月13日までの感染者数に限定すると、400人×16日=6,000人です。韓国の人口は5,200万人なので、感染率は約1/10,000となります。接種者数は60万人なので、韓国人平均で計算すると60人が感染することになります。医療関係者なら、感染率はもっと高いとは思いますが…。

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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【まとめ】 [新型コロナ]

前回の繰り返しになりますが、2月17日に医療関係者を対象にファイザー製のワクチン接種が全国一斉にスタートしました。

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出所 NHKニュース

現在の厚労省の計画によると、3月1日の週には500箱(約50万人分)のワクチン、次の3月8日の週には更に500箱(約50万人分)が追加されます。

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出所 NHK特設サイト

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出所 仙台市医師会

この影響と思われますが、厳寒期の2月に一気に2万人(推定)を高速接種した宮城県では、陽性者が爆発したため、県独自の緊急事態宣言を出さざるを得ない状態にまで追い込まれました。

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そこで、全都道府県の数値を追ってみたところ、地域によって大きく傾向が違うことがわかりました。

注意点ですが、国立感染症研究所のデータによると、感染→発症は平均6日で、報告ベースの数値とはタイムラグが生じます。従って、本格的な影響が目に見えるようになるのは、接種開始から1週間程度かかるということになります。

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下は典型的な例です。

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全国

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東北北部

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東京・大阪

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九州南部

出所 東洋経済オンライン

上のグラフのとおりで、九州はほとんど影響なしですが、東北は宮城県が極端ですが他も結構ひどい。東北で例外的に増加が認められないのは秋田県ですが、もともと感染者が少ない=ウイルスがあまり拡散していない、と仮定するとうまく説明できます。

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秋田県

気温の関係と思いますが、関東以南は影響も小さくなってきます。グラフから読み取ると、現在の増加分は全国で1日500人から1,000人といったところです。

根拠は次のとおりです。

2月末の平日は、検査陽性者は1日1,000人ほどで、昨年のトレンドだと同じだとすると、特殊要因を除くと3月は1週間で7割(3割減)ですから、3月中旬の推定値は500人程度となり、最大限多く見積もっても増える(実効再生産数が1を上回る)ことはないはずです。

ここ数日の陽性者はほぼ1,500人なので、この差の500~1,000人がワクチン接種による「純増分」ということになります。

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全国(再掲)

厚労省のサイトによると、最近のワクチン接種者は1日数万人ですから、このうち検査陽性になるのは1~2%程度でしょうか…。

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以上のデータから判断すると、1月や2月の高速接種は危険ですが、4月ならさほど大きな影響はないものと思われます。

どうやら感染爆発はなさそうなので、一安心しました。v(^^)

ただ、それなら医療機関に大量にクラスターが発生しているはずで、なぜニュースにならないのかという疑問があると思います。
確かに、新聞記事などを見ると、どうもそれらしきケースはあるようです。


しかし、仮に接種直後に陽性になったとしても、その本当の原因がワクチン接種なのかは確認しようがありません。あくまで推測ということになります。

また、年初に毎日数千人陽性者が出たときは、医療機関でも大量のクラスターが発生したはずですが、情報が公開されたという話は聞きません(セキュリティの関係?)。私も個人的に何件か知っていますが、いずれも公開されていないので、あくまで口コミによるものです。

これは、公開情報だけではウイルス接種の影響を確認しようがないということです。超過死亡と同じように、今回のようなマクロデータを分析するしか方法がないのかもしれません。

これらの分析の妥当性を確認するため、日本と似ている外国のケースと比較してみます。

日本と同じく、BCG接種国である韓国では、2月26日から医療関係者を対象に、のべ60万のアストラゼネカ製のワクチン接種がスタートしました。直前の陽性者と比べると、「純増分」は1日100~200人で、接種者の1%以下のようです。

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出所 Google

J Satoさんによると、アストラゼネカ製のワクチンは「魔の2週間効果が弱そう」ということで、これも上の日本のデータと整合的です。


彼によると、ノルウェーでは、ワクチン接種開始で陽性者が大幅増とのことですが、北欧の低い気温のせい?


なお、ここまで読んだ方ならおわかりかと思いますが、以上はマクロな統計データによる推測で、因果関係が証明されているものではありません。それは、超過死亡で新型コロナの影響を分析するのと同じことです。

また、当然のことに反論もあるので、参考例を示しておきます。



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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【その理由】 [新型コロナ]

前回の続きです。

新型コロナのワクチン接種で、なぜ感染が増えるのかという質問をいただきました。

きっちり説明すると大変なので、私自身の備忘録としてごくごくシンプルに説明しておきます。

ポイントは、日本で使われているファイザー社のワクチンでは、1回目の接種から2週間後=2回目の接種までは、人体の免疫力が極端に低下するということです。


日本人は、BCG接種国のせいか免疫力が強く、欧米人より1桁~2桁新型コロナに感染しにくいのですが、この免疫力が低下する「魔の2週間」には、新型コロナに感染する確率が高まると考えられています。

その具体的な数値ですが、デンマークのケースでは、

1回目接種2週間後までの発症率は非接種者の

・介護施設入所者 1.4倍
・医療従事者 2.04倍

という報告が出ています。


南米やイスラエルでも同じです。


日本と同じBCG接種国のジブラルタルでも、1回目のウイルス接種期間中の死亡率(CFR=黄色の実線)が旧上昇し、この期間が終わると急激に低下するという現象が報告されています。


もう少し技術的に細かい話をすると、日本で使われているファイザー社のワクチンは、新しい「メッセンジャーRNAワクチン」というものです。このタイプのワクチンでは、ウイルスへの抗体が作られるとき(図の7)に、免疫細胞の能力の大半が動員され、他の異物に対する免疫力が低下するのだと考えられています。

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出所  Snohomish Health District

いままでの説明は、マクロ的な数字はほぼ合っているのですが、検証データが乏しいので、残念ながら確信を持って正しいとは言えないのが苦しいところです…[たらーっ(汗)]


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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【冒頭に要約追記】 [新型コロナ]

タイトルを見て、執筆者の「頭がおかしい」と感じた人は正常です(笑)。
あまりにも情報が錯綜しているので、自分のための備忘録を作ってみました。お暇な方は、よろしければ読んでみてください。

さて、奇妙なことに、2月17日の新型コロナワクチン接種開始後から、陽性者がほぼゼロだった複数の県でも陽性者が出始めました。
仙台市の例だと、約1.6万人の接種者で400人ぐらい増で、単純計算だと接種者の約2%。

仙台市を含む宮城県のサイトによると、県全体では感染者は激増していますが、ピンクで示されている軽症者が圧倒的で、おそらくこれも新規陽性者がワクチン接種による状況証拠と思われます。なぜなら、ワクチンというのは、たとえて言えば、一種の「弱いウイルス」なので、軽症者が多くなるはずだからです。

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日本全体でもこの比率2%が同じだとすると、3月16日までの接種者30万人で6,000人増。Rtは0.3程度増ということになります。

3月初めから1週間に50万人の接種が予定されているので、単純計算では1日1,400人の検査陽性者増となり、従来の毎日1,000人余りから3,000人近くにまで急増するという試算結果になりました。

なお、この数値には自信がないので、あくまで「試算値」であることを頭に入れて読んでください。

以下は、この試算の経過です。

私のこの記事が「悪い冗談」で終わることを願うばかりです…[たらーっ(汗)]


-☆--☆--☆--☆-


ことの始まりは、J Satoさんのこのツイートでした。


さて、皆さんご存じのように、2月17日の医療関係者(国立病院など)の約1万人を皮切りに、やっと日本で待望のワクチン接種がスタートしました!

corona405.PNG
出所 NHKニュース

ところが…

不思議なことに、ワクチン接種が進んでいるイスラエルでは、陽性者の減少は他の国ほとんど変わらず、到底「効果90%以上」とは思えません。


実は、日本のようなBCG接種国=感染者が少ない国の多くで、ワクチン接種開始直後に陽性者が急増しているのです。


日本でも、こんな感じで、ワクチン接種開始直後に陽性者が急増したら大変なことになります。

そこで、実際のデータを調べてみました。ただ、現実に数値化するのは難しいので、例によって“やっつけ仕事”です。ぜひ、怪しい部分にツッコミを入れてください(笑)。

さて、ワクチン接種による検査陽性者の変化を数値化するには、

1. ワクチンの接種期間
2. ワクチンの接種人数
3. 検査陽性者数

の3つのデータが必要ですが、この3つが同時に揃っているケースはほとんどありません。

厚労省のサイトでは、日本全体の接種者数はわかりますが、接種→発症まで5日~10日かかるはずなので、3月8日から接種者が急増した影響は、公表されている3月17日までの報告では詳しくはわかりません。

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しかし、窮すれば通ずということで、やっと発見したのが仙台市のケースです。

仙台市では、先行接種用の122箱のうち16箱が到着し、2月中にほとんど接種が完了した模様です。


同ニュース 第59号 2021.3.15

3月10日現在の宮城県ワクチン対応チームによる宮城県におけるワクチン接種の状況報告です。医療従事者等優先接種について、3月第1週ワクチンが届いた医療機関では、3月5日に、県南中核病院で50人、大崎市民病院で20人の接種が始まりました。3月8日から、東北大学病院での接種が開始となりました。

仙台市では、ワクチン接種開始の2月17日まで、感染者がほぼゼロに近い状態なので、感染者の増加分はほぼワクチン接種によるものと見なせます。

ワクチン接種→PCR検査陽性報告まで5日~10日かかるはずなので、便宜的に接種開始日である2月17日の10日後=2月27日から、県南中央病院接種開始日である3月5日の10日後=3月15日までの陽性者は、すべて2月17日のワクチン接種によるものと仮定します。

・2月17日の累計感染者 2,262人
・3月15日の累計感染者 2,632人
・増加人数 370人

これを、仙台市医師会による総接種(予定)者1万6,000人で割ると、単純計算では約2%となります。

やっつけ仕事で、非常に荒っぽい計算ですが、「ワクチン接種者の約2%の陽性者が発生する」可能性があるという結果が得られました…[たらーっ(汗)]

この数字が妥当かどうかはわかりませんが、こんなJ Satoさんのツイートもあります。


※日本全体だと、「30万人中2000人で、Rtは0.1程度増」は、「30万人中6000人で、Rtは0.3程度増」の計算違いです…。

まあ、2%が本当は1%なのか5%なのかわかりませんが、当たらずといえども遠からずといったところでしょうか…[たらーっ(汗)]

なお、仙台市がある宮城県のサイトによると、県全体では感染者は激増していますが、ピンクで示されている軽症者が圧倒的で、おそらくこれも新規陽性者がワクチン接種による状況証拠と思われます。なぜなら、ワクチンというのは、たとえて言えば、一種の「弱いウイルス」なので、軽症者が多くなるはずだからです。

679117.jpg

さて、現在の厚労省の計画によると、3月1日の週には500箱(約50万人分)のワクチン、次の3月8日の週には更に500箱(約50万人分)が追加されます。

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出所 NHK特設サイト

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出所 仙台市医師会

これは、1週間で50万人接種するということですが、前出の厚労省の報告に比べてもおかしな数字ではありません。

ワクチン接種者の約2%の陽性者が発生するなら、1日だと50万人×2%÷7日=1,400人となります。

現在の検査陽性者は約1,000人なので、仮に1,400人増えるなら「倍増」することになります。

最初は何かの悪い冗談かと思っていたのですが、NHKによると3月17日の陽性者数は1,500人で、前日より400人増加しました。

参考までに、陽性者ほぼゼロ→2/17の接種開始から増という県は意外に多いようです。


とはいっても、宮崎県のように、例外的にほとんど陽性者がいないケースもあります。


いずれにせよ、私のこの記事が「悪い冗談」で終わることを願うばかりです…[たらーっ(汗)]
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Joshua Higuchiさん どうして性格は血液型で違うのか (文芸社セレクション) [新刊情報]


どうして性格は血液型で違うのか (文芸社セレクション)

どうして性格は血液型で違うのか (文芸社セレクション)

  • 作者: Joshua Higuchi
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2021/04/01
  • メディア: 文庫

紹介のみです

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面白すぎる!感染症研究所の英語論文 [論文]

最近、国立感染症研究所の論文(プレプリント=査読前論文)がネットで話題になっています。


この論文は、緊急事態宣言の効果について統計的に分析したものです。

感染研1.PNG

面白そうなので読んでみたのですが、内容はかなりト○デモとなっています。
英語で書いてあるせいか、一般には広まっていないようなので、ちょっと紹介しておきましょう。
なお、今回の内容は、2月23日付けのVersion 3によるものです。

さて、この論文の著者は国立研究所の職員3人です。
そういうメンバーなら、普通はスペリングなどの単純ミスは考えられないのですが、私が見つけただけでも3件ありました。

1. Results 1行目: 317,083 ommunity-acquired → communityが正しい
2. Discussion 4行目: i¥right → i¥が余計
3. Table 1の説明 3行目: statuss → status

下は2番目のミスです。

感染研2.PNG

どれも高校生レベルの単語で、かなり恥ずかしいミスです。
原稿執筆にWordを使えば、目立つように赤でエラーが表示されるのですが、なぜ見落としたのか…。
よっぽど焦っていたんでしょうか?
もう、最初から爆笑です。

また、参考文献の番号も思いっきり間違っています。

本文中の参考文献[Reference]11は2020年「7月」から始まったGoToキャンペーンについての資料のはずですが、

Reportedly, [11] travel-associated COVID-19 incidence during July 22–26, when GTTC started...

Referenceでは厚労省の2020年「4月」のサイトでした。

11. Japan Ministry of Health, Labour and Welfare. Press Releases.
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10723.html (in Japanese) [accessed on January 28, 2021].

これは、どう考えても15番の西浦氏らの論文が正しいようです。

15. Anzai A, Nishiura H. “Go To Travel” Campaign and Travel-Associated Coronavirus Disease 2019 Cases: A Descriptive Analysis, July-August 2020. J. Clin. Med 2021, 10, 398.
https://doi.org/10.3390/jcm10030398

番号が4つもずれるというのは、常識的には考えられません。本文が書き上がってから文献を4つ増やした(減らした?)のか…。

単純ミスでもこれですから、内容のミスは大幅にパワーアップ(笑)しています。

この論文のキモは「実効再生産数R(t)」です。

言葉は聞いたことがあっても、よく内容を知らない人もいるようなので、本家本元の新型コロナクラスター対策専門家のツイッターで再確認してみましょう。
ここでは、実効再生産数はRtと表記されています。
それによると、

ある時点で、1人の感染者が全感染期間に新たに感染させる平均の人数のことを実効再生産数と言い、対策の実行状況により変動します。
実効再生産数が低下する要因に、人々が病原体に免疫を持つこと、人々の行動(手洗いやマスクなどの感染予防、接触を減らすなど)の変容があげられます。

corona117.JPG

仮に私が新型コロナに感染しているとします。運よくすぐに治ればいいのですが、たいていは完全に回復する前に接触した誰かにうつしてしまいます。

では、平均すると、感染者1人は何人ぐらいにうつしているのでしょう? 多くの研究がありますが、以前は2.5人とされていました。この「1人が他の人にうつす倍率」、つまり2.5人÷1人=2.5が実効再生産数R(t)と呼ばれる数字です。

1人が2.5人にうつすと、時間とともに1人→2.5人→2.5×2.5=6.25人…と指数関数的に感染者は増大していきます。つまり、たった1人の感染者が、あっという間に何千人、何万人にもふくれあがり、重症者や死亡者が続出することになります。これが、新型コロナが恐れられている最大の理由です。

そこで、この実効再生産数R(t)を「8割削減」すれば、新型コロナの感染が終息するというのが西浦氏や専門家会議の提言だったのです。

人との接触を8割減らせば(=2割にすれば)、1人が0.5人(=2.5人×0.2)にしかうつしません。そうなると、感染者は1人→0.5人→0.5×0.5=0.25人…と指数関数的に減少して最終的には収束します。細かいことを言うと、R(t)が1より小さければ必ず終息するのですが、期間は長くかかることになります。

繰り返しますが、この2.5であるとされた実効再生産数R(t)を「1より小さくする」というのが大きなポイントです。

それでは、藤原かずえさんのツイートを。


現在のR(t)は1を下回っていますから、GoTo再開でこの数値が「1減少」するということは、言い換えれば数日で感染者が「ゼロ」になるということです!
いくらなんでも、そんな魔法のようなことは起きないでしょう(笑)。

さすがにおかしいと思ったのか、著者たちはいろいろな「言い訳」を書いていますが、これまた読んでみると面白いです。

In actuality, GTTC [GoToキャンペーン] has been presumed to have raised infectiousness to date, but it might have instead reduced infectiousness. At least, one can conclude that it did not raise infectiousness.
This counterintuitive result might reflect the situation for July. Before GTTC was started on July 22, even though the temperature was high, a second peak occurred, indicating that the non-GTTC period was affected by high infectiousness.

つまり、GoToキャンペーンより温度の方が影響が大きいということです。
奇妙なことに、後述の表1(Table 1)によると、温度の影響は大したことはありません。

こうなると、そもそも国立感染症研究所のモデルか分析方法がおかしいとしか考えようがありません。

また、なぜかわかりませんが、参考文献15の西浦氏の論文はミスリーディングだという批判が延々と50行ほど書いてあります。

We have identified some odd points in the report of that study.
(大幅に中略)
However, that share did not increase markedly during the GTTC starting period. This fact indicates that the authors’ results and conclusions are misleading.
(大幅に後略)

さて、この研究の最重要ポイントは、表1(Table 1)にあります。
不思議なことに、この表はなぜかクリックしないと読めないので、最初は見落としていたのですが、改めて読んでみて思わず大爆笑。

感染研3.PNG

第1回の緊急事態宣言[Emergency status] → R(t)が0.821低下
第2回の緊急事態宣言[Emergency status] → R(t)が1.19低下
GoToキャンペーン[GTTC] → R(t)が1.10低下
学校休校・イベント中止[SCVEC] → R(t)が0.548上昇

輪をかけて笑ってしまうのが、瀬久原志太郎さんのツイートです。


この国立感染症研究所の論文では、表1の結果を得るのに「回帰分析」を使っているのですが、この手法では「鶏が先」か「卵が先」かはわかりません。
つまり、「緊急事態宣言の効果」で「感染[R(t)]が減った」のか、「感染[R(t)]が減り始めた」あとに「緊急事態宣言を出した」のかはわからないのです。

実際のデータを見ると、瀬久原さんの言うように、後者の「感染[R(t)]が減り始めた」あとに「緊急事態宣言を出した」としか思えません。

感染研4.jpg
つまり、この論文を「まとも」に読むと、

1. 感染が減り始めてから緊急事態宣言を出した
2. 感染を減らすには、「GoToキャンペーンの再開」が最も有効
3. 感染を減らすには、「学校再開・イベント再開」が2番目に有効

ということになります(爆笑)。

ト○デモなのか、それとも冗談なのか…。
しかし、この論文は国立感染症研究所の職員3人が連名で書いた、国際的な英語論文なのです!

はて?
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