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ゆっくり解説 歴史上の人物と古代人の血液型【訂正あり】 [動画]

やっと新しい動画をアップしました。

ゆっくり解説 歴史上の人物と古代人の血液型

歴史上の人物 2023-07-08 17-02-41.jpg

以下は解説です。

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視聴者の皆様へ

超弱小の本チャンネルも、お陰様で累計5000アクセスを突破しました。
大変ありがとうございます。

今回は、拙サイトでトップクラスの人気の「歴史上の人物の血液型」の映像化です。

残されている血判、遺骨、遺髪などから血液型が判定された、戦国武将を中心にまとめました。

・豊臣秀吉
・織田信長
・伊達政宗
・上杉謙信

そのほか、明治の元勲の血液型も何人か解説しています。

なお、2019年には縄文人の血液型、2021年にはネアンデルタール人とデニソワ人の血液型が、最新のゲノム解析によって判明しました。
せっかくなので、この情報も追加しました。

これは、2022年にノーベルを受賞した、ペーボ博士の開発した手法の成果となります。

では、どうぞお楽しみください。

【2023.7.10読者のメールにより訂正】

動画に縄文人の血液型に触れられていましたが、縄文人11個体の血液型を調べた論文をみつけたのでどうぞ↓。

https://www.nature.com/articles/jhg201090.pdf
[続縄文人も含めるとO3:A4:B2:AB2]

jomonABO.PNG

これによると、
縄文人の血液型の頻度分布はO型が少ないものの現代日本人と大差がなかったです。その代わりサブタイプレベルでは違いがあり縄文人ではO02型(←O型の一種)が多いです。O02型は現代日本人では東北や九州南部や沖縄に多いそうです。

それに対してオホーツク人はO型の頻度がかなり高いです。
[13人中8人がO型]

前にアイヌの血液型の分布に触れていましたが、アイヌにO型の頻度が高い集団が存在するのは、オホーツク人の影響です。

アイヌの血液型の分布は集団によってバラツキが大きいです。↓

https://www.jstage.jst.go.jp/article/minkennewseries/16/3-4/16_KJ00003543555/_pdf/-char/ja

aunuABO.PNG

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動画をご覧いただき、大変ありがとうございます!

6/30の血液型番組(ホンマでっか!?TV)のせいもあるのか、お陰様でアクセス好調です。

また、貴重な情報もありがとうございます。

縄文人はO型が多いと予想していたのですが、続縄文人も含めるとO3:A4:B2:AB2で、なぜか現代人とあまり変わりませんね。

正直、ちょっと意外です。
なんでかな?

江戸時代のアイヌは、mtDNAの解析によると、続縄文人、東北地方の和人、オホーツク人の混血らしいですが、それが血液型でも裏付けられた感じですね。

プレ・アイヌ期の人類集団を捉え直す:北海道先史時代人骨についての総合的研究
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17H03737/

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ネアンデルタール人とデニソワ人にはcisABが多い?【訂正・追記あり】 [論文]

前回「ネアンデルタール人にはA型がいなかった?」の続きです。

そうしたら、PLOS ONEで別の論文を見つけました。

Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)

この論文の著者は、どうやらcisABを理解してないらしく、無理矢理A型かB型に当てはめ、こんな図を描いています。

専門家に確認したところ、このPLOS ONEの論文の方が正しいとのことでした。
整理した内容については、お手数ですが最後の訂正文をご覧ください。

journal.pone.0254175.g001.PNG

この図を見てはたと思いつきました。

以前に紹介した論文、

ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文
ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文【続】

では、A型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生したとありますが、↑のcisABの塩基の突然変異で1つだけ変わると、

・Vindija 33.19はB型になります。
・AltaiとChagyrskaya 8はA型になります。

そして、cisABよりは、A型やB型の方が免疫力が強いのは明らかなので、いったんA型やB型ができてしまえば、淘汰圧に打ち勝ってA型やB型が増えることは確実です。

こう考えると、すべての事実に辻褄が合ってきます。

面白いことに、Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE) には、北野さんの論文(ヒトのA型遺伝子はB型遺伝子とO型遺伝子の組換えで誕生した…という論文 )が参考文献に出てきますが、最初に紹介したOxrordの論文には出てきません。

なんで?

【2023.7.10訂正】

専門家に確認したところ、Oxford大学の論文は間違っており、訂正文↓も出しているとのこと。

https://academic.oup.com/mbe/article/38/12/5835/6383596

そして、この訂正文も間違っており、前出のPLOS ONEの論文↓が正しいのだそうです。

Blood groups of Neandertals and Denisova decrypted (PLOS ONE)

journal.pone.0254175.g001.PNG

なお、ABO血液型は複対立遺伝子のため、2本の染色体にそれぞれ遺伝子があります。
よって、人数は正しくは8人ではなく、2本の染色体×4人=8本でした…[バッド(下向き矢印)]

ということで、

・AltaiはAAのA型
・Vindija 33.19はBOのB型
・ChagyrskayaはAOのA型
・DenisovaOOのO型

が正しく、

1. ネアンデルタール人3人は、A型が2人(AA1, AO1)、B型が1人(BO)
2. デニソワ人1人はO型(OO)

という結論になります[たらーっ(汗)]

【2023.7.18追記】

↑の論文より前に、ネアンデルタール人2人がO型だったという論文が出ていたそうです。

Genetic characterization of the ABO blood group in Neandertals

皆様、情報提供ありがとうございます。

【2023.9.17追記】

その後、丸魚さんから、ネアンデルタール人の1人はcisABではないかと9/6付けでコメントをいただきました。
問い合わせてみましたが、確たる結論が出ないので、当面は両論併記にしたいと思います…[たらーっ(汗)]

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