SSブログ

心理学者の側は「血液型と性格との関連を否定したい」 [新聞・雑誌]

血液型と性格に造詣が深い渡邊芳之さん[帯広畜産大学、現日本パーソナリティ心理学会理事長]ですが、心理学の「血液型と性格」について、2016年にこう書いています。

Psyochology Review2016.7.PNG

日本の心理学においてもっとも多く追試されたのは,心理学がみずから主張したのではない「血液型性格関連説」である(佐藤・渡邊,1992;最近では縄田,2014)。しかしこの場合には心理学者の側に「血液型と性格との関連を否定したい」という強い動機づけがアプリオリにあり,じっさい追試(で関連が再現されないこと)によってそれが否定されるという結果になっているので,これも本来の意味での追試とは呼びにくい。

念のため、この「心理学評論」は発行元の心理学評論刊行会のサイトによれば「日本で唯一の心理学のレビュー雑誌」ですし、その雑誌に日本パーソナリティ心理学会理事長が直々に執筆しているのですから、心理学会全体の雰囲気が「血液型と性格」に否定的な態度であるということは明々白々なわけで、ここまであからさまに書かれているのには、ちょっと驚きました。

念のためですが、「関連が再現されている」ことは明らかですが、学会の公式の立場として認めることはできないのでしょう…。

なお、関連部分の全文は次の通りです。

続きを読む


コメント(8) 

アメリカの懐疑主義者の雑誌、Skeptic誌で「血液型と性格」 [新聞・雑誌]

アメリカの懐疑主義者の雑誌、Skeptic誌で「血液型と性格」が取り上げられていることを発見しました。
残念ながら、英語圏の情報しか調べてないようですね…。

Buckner, Rebecca Anders, and John E. Buckner, V. "It's not in your blood: exploring claims that blood type and personality are linked." Skeptic [Altadena, CA], vol. 19, no. 3, 2014, p. 24+

skptic2014s.png

記事の結論は次の通りです。

私たちの知見
完了した調査は、182名のボランティア(男性97名、女性85名)の参加者から収集され、O型56.0%、A型30.2%、B型10.4%、AB型3.8%で、ほぼアメリカ人の平均を示している。 我々の分析結果(MANOVAまたはMultivariate Analysis of Variance)は、5つの広範な性格特性[ビッグファイブ]と血液型との間に全体的な関係を示さなかった。
したがって、これらの知見は、血液型が性格に関係していないという主張を支持する。
Completed surveys were collected from 182 volunteers [29] (97 male, 85 female), and participants formed a fair representation of blood types in the U.S. -- 56.0% type O, 30.2% type A, 10.4% type B, and 3.8% type AB. [30] Results of our analysis (MANOVA or Multivariate Analysis of Variance) [31] showed no overall relationship between the five broad personality characteristics and blood type. [32]
Therefore, these findings support the contention that blood type is NOT related to personality.

このことは、まさに心理学の限界を示しているのですが、さすがにアメリカでもそうは言えないんでしょうね。

面白いのは、アメリカでも「血液型」と性格の話題が徐々に知られるようになってきたということです。以下は、記事の要約からの抜粋です。

この主張[血液型と性格]は広く普及しており、世界の特定の地域、すなわち日本で受け入れられている。 この信念は、最近、人気のある書籍、「答はあなたの血液型」[Steven M. Weissberg & Joseph Christiano: The Answer is in Your Blood Type]に書かれているような主張を通じて、米国でも(再)紹介されている。
This claim is widespread and largely accepted in certain parts of the globe, namely Japan. This belief is also being (re)introduced in the U.S. more recently through popular books and claims such as those outlined in The Answer is in Your Blood Type.

続きを読む


コメント(0) 

6/4の産経WESTに「韓国人は血液型の話題が好き」という記事 [新聞・雑誌]

産経WESTに「韓国人は血液型の話題が好き」という記事が掲載されました。[るんるん]

韓国人の生態に驚く米国人…「小顔」「血液型」「記念日」へのこだわり、日本人も同様だが http://www.sankei.com/west/news/170604/wst1706040004-n1.html
[iモード]この記事の元記事 中央日報の記事(日本語) 外国人が挙げた「韓国人の独特な行動5つ」 http://japanese.joins.com/article/165/229165.html
[iモード]オリジナル記事(韓国語) http://news.joins.com/article/21579189
#なぜか、行動の数が5つでなく「6つ」になっています…
[iモード]BuzzFeedのFaceBook https://www.facebook.com/BuzzFeedVideo/videos/2214206522053551/

buzzfeed.PNG
出典:BuzzFeed 手前に見える韓国人女性が「彼はA型?」と尋ねている場面

このBuzzFeedのFBには、
Will Riu Liu: Taiwanese and Japanese also love to talk about how blood type (and western zodiac) influences personality …とのコメントがあります。
Liuさんによると、このとおり、韓国だけではなく「台湾でも日本でも血液型の話題は女性に好まれる」とのことなので、台湾でも血液型の話題がポピュラーであることがわかります。

中央日報の英語版にはこの記事は掲載はないらしく(blood typeで検索しても出てこない)、どうやらこの手の話題はアメリカ人には受けないようです。
中国語版はなぜか検索自体ができませんでした。[たらーっ(汗)]

【追記】BuzzFeedのFBの他のコメント
フィリピン人のコメント
Will Davis Stg: i think those are just things Asian people do in general lol minus the blood type thing thats a new one but im filipino
では、これらの習慣はアジア人には共通だが「血液型を除く」とあるので、フィリピンでは血液型を相手に尋ねるのは珍しいようです。
また、別なコメントでは、
Angela Yinching So: ... sixth (blood type) cases apply to other east asians, ie chinese, japanese as well
とあり、血液型は「東アジア人、例えば中国人」でもそうだとあるので、中国でも血液型はそれなりにポピュラーな話題らしいです。ただし、ここでの「中国」が、地理的にどこまで(台湾?香港?本土?)指すのかは明らかではありません。

顔写真から血液型を当てる人工知能に挑戦!結果は? [新聞・雑誌]


Interface(インターフェース) 2017年 04 月号

Interface(インターフェース) 2017年 04 月号

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: CQ出版
  • 発売日: 2017/02/25
  • メディア: 雑誌

専門誌「インターフェース」2017年4月号で「顔写真から血液型を当てるラズパイ人工知能に挑戦してみた」というという、血液型ファン垂涎の記事を発見しました。
しかし、結果は散々で、正解率は27.8%と低かったそうです。
確かにこれでは「当たる」とは言えないですね。[バッド(下向き矢印)]

もっとも、学習した画像データは128×128のエリア(画素)に分割したそうなので、かなり解像度は低いです(ちなみにハイビジョンは1920×1080画素)。
そこで、「鼻」だけに特徴を絞るとか、顔を正面向きに補正するとか、いろいろと工夫してみたのですが、正解率は低いままだったそうです。

とは言っても、この実験だけで「血液型による顔の特徴がない」と結論づけるのは早すぎるような気がしますが…。

interface2704.PNG

私は顔かたちでは血液型は当てられませんが、B型は頬骨が低いとか、A型は富士額が多い、O型は丸顔…とか、いろいろあるようです。
これを128×128画素で分析しても当たるとは思えません。[たらーっ(汗)]

続きを読む


日刊ゲンダイDIGITAL 5月25日 日本人の血液型信仰 「B型」のイメージが悪いのはなぜ? [新聞・雑誌]

『日刊現代デジタル』の2017年5月25日付の記事に、山岡重行さん(聖徳大学)の記事が掲載されています。

日本人の血液型信仰 「B型」のイメージが悪いのはなぜ?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/206016/1

gendai170525.PNG

ただ、この記事は肝心なところが間違っています。[たらーっ(汗)]

そもそもの起源は、東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)教授、古川竹二氏の論文「血液型と気質」(1927年)だ。親族11人の血液型と性格を観察し、B型とO型は能動的、A型とAB型は消極的と結論付けたことから始まった。

「親族11人」にはAB型はいません。だから、「A型とAB型は消極的と結論付けた」は間違いです。下の図は、その論文の関係する部分の抜粋です。明確に「Ⅳ型(AB型)は吾人の親族に存在しなかつた」とあります。

 古川1927.PNG

普通は、こういう記事なら、取材先(山岡さん)に原稿をチェックしてもらうはずなのですが、今回はそういうことはなかったということなのでしょうか?

もう一つ奇妙なのは、記事中に

山岡博士は1999年から2014年にかけて、首都圏の私大5校の男女8772人を調査。血液型性格診断に科学的な根拠はなく

とあることです。ここには、彼の持論である科学的根拠の「思い込み」や統計の話が全く出てきません。日刊現代デジタルの読者層を考えてデータを省略したのか、あるいは記者が理解できなかったのか、それともスペースの関係で省略したのか(紙媒体ならともかく、ウェブなのでスペースの関係が理由とは思えませんが)…。

いずれにせよ、不思議な内容だと思います。

O型は認知症になりにくらしい… [新聞・雑誌]

イギリスのデーリーメール紙によると、O型は認知症になりにくらしいです。
見出しはまだいいのですが、本文を読むと…。
それは、読んでからのお楽しみです。[わーい(嬉しい顔)]

Can your blood type protect you from getting dementia? Experts reveal how your group can affect everything from your health to your love life
Read more: http://www.dailymail.co.uk/health/article-4310188/Can-blood-type-protect-getting-dementia.html
Follow us: @MailOnline on Twitter | DailyMail on Facebook

Science_is_revealing_how_having_a_particular_blood_type_can_play-a-2_1489438560801.jpg
※画像はデイリーメール紙より

朝日新聞 2017年4月26日 血液型と性格、研究は90年前から 厳密さ欠くニセ科学《続》 [新聞・雑誌]


週刊 かがくるアドベンチャー 2008年5月4日号 Vol.03

週刊 かがくるアドベンチャー 2008年5月4日号 Vol.03

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2008
  • メディア: 雑誌


前回紹介した「朝日新聞デジタル」の記事
血液型と性格、研究は90年前から 厳密さ欠くニセ科学 樋口大二 2017年4月26日19時34分
http://www.asahi.com/articles/ASK4N5Q6NK4NUZVL001.html?iref=comtop_favorite_01
の内容紹介です。

この記事を書いた樋口大二記者は、子供向けの「週刊 かがくるアドベンチャー」の編集をしていたようです。確か、以前に血液型を否定する記事を書いていたような…。
第3号には、「ミクロのふしぎ(植物・昆虫・人体) シイタケ仙人の小さな旅 血液型 A型とB型はどうちがうの?」という記事があります。
だから、「心理学」とは直接関係ない「宇宙科学者」や「物理学者」の意見の紹介となっているのでしょうか?

ただ、なぜここまで間違った内容が堂々と掲載されるのでしょう?
典型的なものを紹介しておきますが、“素人”ではなく新聞社なのだから、少し調べれば分かるはずなのに、実にひどいものです。

続きを読む


朝日新聞 2017年4月26日 血液型と性格、研究は90年前から 厳密さ欠くニセ科学 [新聞・雑誌]

久しぶりに新聞社のサイト「朝日新聞デジタル」にこんな記事が掲載されました。
活発な議論が進むのは好ましいことです。

血液型と性格、研究は90年前から 厳密さ欠くニセ科学
樋口大二2017年4月26日19時34分
http://www.asahi.com/articles/ASK4N5Q6NK4NUZVL001.html?iref=comtop_favorite_01

「あなたB型でしょう」などと記者もよく言われるが、血液型で性格がわかるという考え方は、実は日本や韓国などごく一部の国でしか通用しない。世界で初めてこれを提唱したのは、古川竹二という日本の教育学者だった。…

ちなみに、「世界で初めてこれを提唱したのは、古川竹二という日本の教育学者」は間違いです。
世界で最初でもないし、教育学者というよりは心理学者です。なぜなら、彼の論文は主に「心理学研究」誌に掲載されているからです。
記事の他の内容は大丈夫なのかな?

RikaTan 2017年4月号「ニセ科学を斬る!2017」で血液型の話題が [新聞・雑誌]


理科の探検 (RikaTan) 2016年 10月号

理科の探検 (RikaTan) 2016年 10月号

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文 理
  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: 雑誌

来年の「理科の探検」(RikaTan)2017年4月号の特集は「ニセ科学を斬る!2017」です。
2年ぶりに血液型が復活しますので、注目していきたいと思います。

【参考】

「ニセ科学を斬る!2017」で予定されている内容

「血液型性格判断や占い」 菊池聡
「生態学からみたEMの問題性」占部城太郎
「〇〇の科学性を評定する~科学性評定サイトの試み」石川幹人
「反オカルト論の意義」高橋昌一郎
「メディアを賑わす“地震予知”のニセ科学性」 横浜地球物理学研究所
「放射能関連のニセ科学」 菊池誠
「人工化学物質対自然・天然」 桝本輝樹
「「酵素」をうたう農法,健康食品」 小波秀雄
「化粧品関係のニセ科学」 くられ
「行政・教育機関に忍び寄るニセ科学」大石雅寿
「ネットワークビジネス商品のニセ科学性」猫小次郎
「悪質商法とニセ科学 消費者問題」平林有里子

samakikakuの今日もワハハ SAMA企画
2016-09-09 理科の探検(RikaTan)誌2017年4月号「ニセ科学を斬る!2017」の内容
URL: http://d.hatena.ne.jp/samakita/20160909

毛沢東はAB型? [新聞・雑誌]

またまた英語ネタです。2008年の英ガーディアン紙にありましたが本当なのかな?

Typecast - Japan's obsession with blood groups
From A to AB
Type A Reserved and prone to worry, sensitive perfectionists such as Britney Spears and Adolf Hitler.
ブリトニー・スピアーズ、アドルフ・ヒトラーはA型
Type O Decisive, self-confident, curious, and ideal for sport, including Elvis Presley and the Queen.
エルビス・プレスリー、クイーンはO型
Type B Cheerful caring, flamboyant free-thinkers such as Jack Nicholson.
ジャック・ニコルソンはB型
Type AB High-maintenance, distant, suited to arts, such as Mao Zedong.
毛沢東はAB型
[https://www.theguardian.com/world/2008/dec/04/japan-world-news]