血液型を患者が知っていたとしても関係ない? [サイト紹介]
こういうツイートがありました。
この手のツイートは結構ありますが、結論から言うと間違っています。
なぜなら、前提が「設備がきちんとした医療機関で輸血が必要になるような(外科手術をする)場合」に限定されるからです。それ以外は、医師でも専門知識はありませんから、何も言えません。
極端な例ですが、私の茶化すようなリプ、
は、この前提に当てはまらないので、「血液型を患者が知っていたとしても関係ない」とは言えません。
また、仮に血液型と病気に密接に関係があるとするなら、血液型を知っていたら健康管理に役立つでしょうし、性格と関係があるとしたら、人間関係をスムーズにするのに役立つでしょう。
専門家だからといって、物事を単純に白黒で割り切らないで欲しいものです。
血液型を患者が知っていたとしても関係ないんですよこれ。Rh型まで知ってるかどうかもありますし、知っていて患者から申告されたとしても病院は必ず採血して血液型を確認します。それが医療安全です。待てないなら膠質液で時間稼ぎしつつO型緊急輸血
この手のツイートは結構ありますが、結論から言うと間違っています。
なぜなら、前提が「設備がきちんとした医療機関で輸血が必要になるような(外科手術をする)場合」に限定されるからです。それ以外は、医師でも専門知識はありませんから、何も言えません。
極端な例ですが、私の茶化すようなリプ、
軍隊では必ず調べますけど…。意味がないんですか?
は、この前提に当てはまらないので、「血液型を患者が知っていたとしても関係ない」とは言えません。
また、仮に血液型と病気に密接に関係があるとするなら、血液型を知っていたら健康管理に役立つでしょうし、性格と関係があるとしたら、人間関係をスムーズにするのに役立つでしょう。
専門家だからといって、物事を単純に白黒で割り切らないで欲しいものです。
2020-01-13 16:54
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血液型と水素水の論文が [サイト紹介]
目黒の秋刀魚ではないですが、血液型の論文は英語に限る(笑)という話を書きましたが、やっぱりそのようですね。
このツイートで紹介されているBeom Jun Kimさんらの論文は、もちろん英語です!
土嶺章子さんの論文も、日本語で書いたなら間違いなくリジェクトされているでしょう。
それと、水素水の論文も結構あるんですね。
びっくりです。
余談ですが、この三重大学の奥村先生は、大学教授らしくなく(失礼!)ざっくばらんな雰囲気からして、なんとなくB型っぽいですね(笑)。ちょっと親近感を感じてしまいます。
このツイートで紹介されているBeom Jun Kimさんらの論文は、もちろん英語です!
土嶺章子さんの論文も、日本語で書いたなら間違いなくリジェクトされているでしょう。
それと、水素水の論文も結構あるんですね。
びっくりです。
余談ですが、この三重大学の奥村先生は、大学教授らしくなく(失礼!)ざっくばらんな雰囲気からして、なんとなくB型っぽいですね(笑)。ちょっと親近感を感じてしまいます。
2020-01-12 06:57
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明智光秀はA型? [サイト紹介]
皆さんご存じのとおり、来年2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公は明智光秀です。
そのせいもあるのか、明智光秀の子孫と言われる家系の人々を中心とした、一般社団法人明智継承会では「みつひでAI」を公開しました。
まあ、常識的に考えると明智光秀はA型でしょう。A型は4つの血液型では一番忍耐強いのですが、我慢の限界を超えると一気に大爆発します。本能寺の変は、血液型的にはうまく説明できそうです。
さて、明智継承会は、なぜこのAIを開発したのでしょうか。
サイトにはこうあります。
また、みつひでAIについては、
とあります。
代表理事は誰なのかと思ったら、予想どおり光秀の子孫で、著書「本能寺の変 431年目の真実」がベストセラーになった明智憲三郎さん(彼は何型なんですかね?)でした。
最近では、コミックスまで出ているんですね。びっくり。
彼は三菱電機の技術者だったので、AIで明智光秀の再現を目指したのかもしれません。余談ですが、この「本能寺431年目の真実」はなかなか面白かったのでオススメです。内容は…ネタバレになるので、ここでは書きません(笑)。
そのせいもあるのか、明智光秀の子孫と言われる家系の人々を中心とした、一般社団法人明智継承会では「みつひでAI」を公開しました。
まあ、常識的に考えると明智光秀はA型でしょう。A型は4つの血液型では一番忍耐強いのですが、我慢の限界を超えると一気に大爆発します。本能寺の変は、血液型的にはうまく説明できそうです。
さて、明智継承会は、なぜこのAIを開発したのでしょうか。
サイトにはこうあります。
明智光秀やその一族についての世の中の定説・通説は、豊臣秀吉や江戸時代に創作された物語を現代の研究者や小説家が追認して広められたものに過ぎません。
秀吉政権、および秀吉を国家の英雄として称えた明治新政府は、光秀を極悪人として糾弾し、フェイクニュースを積極的に世の中に広めました。このため、明智一族の末裔と伝承された人々は何も語らずに隠れ忍ぶしかありませんでした。
こうして四百年間沈黙してきた明智家の人々を中心として、この度歴史の真実を世の中に広めるために、一般財団法人 明智継承会を設立いたしました。
明智家の歴史、伝承されてきた話・物品・心情を研究・整理して保存・継承し、世の中に公開・普及してまいります。これにより、本能寺の変や明智光秀ひいては戦国時代や戦国武将の実相に対する理解を広め、歴史の再発見に貢献いたします。
また、みつひでAIについては、
本サービスは、株式会社ZAITENの提供するAIプロダクト『Personality Reverse(R)』により制作された、明智光秀公の人格・音声・また歴史を再現することが可能な対話型AIです。
とあります。
代表理事は誰なのかと思ったら、予想どおり光秀の子孫で、著書「本能寺の変 431年目の真実」がベストセラーになった明智憲三郎さん(彼は何型なんですかね?)でした。
最近では、コミックスまで出ているんですね。びっくり。
彼は三菱電機の技術者だったので、AIで明智光秀の再現を目指したのかもしれません。余談ですが、この「本能寺431年目の真実」はなかなか面白かったのでオススメです。内容は…ネタバレになるので、ここでは書きません(笑)。
2019-12-28 07:54
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WIKIDATAにアメリカ大統領の血液型が [サイト紹介]
Wikipediaの姉妹版でWIKIDATAというサイトがあります。
アメリカ大統領の血液型が掲載されているので、結構便利です。
たとえば、クリントン大統領はAB型とあります。
クリントン大統領
血液型
アメリカ大統領の血液型が掲載されているので、結構便利です。
たとえば、クリントン大統領はAB型とあります。
クリントン大統領
血液型
2019-12-15 07:00
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O型の人は、なぜ積極的に献血したがるのか [サイト紹介]
大竹文雄の経済脳を鍛える
2017年12月14日
O型の人はなぜ献血するのか?
この部分の要約が、プレジデントオンラインに掲載されました
2019年11月19日
O型は他の人より利他的?献血行動と血液型の関係
O型の人は、なぜ積極的に献血したがるのか
なぜかこの記事はオリジナルのプレジデントオンラインには見つけられせませんでした…。
※「行動経済学の使い方」の一部を再編集したとあります。
もっとも、この記事は一読するだけでおかしいことがわかります。
O型がA型やB型の倍近く献血しているなら、血液が余ってしまいます(適正在庫の200%以上になると献血させないため)。
この場合、献血を遠慮してもらうことになるので、単にO型(そしてAB型)の血液が他の型より需要が多いということでしょう。
AB型についても同じで、そもそも利他的云々はあまり関係ないはずです。
大竹さんは、高名な経済学者で、私は尊敬していますし、著書も何冊か持っています。
わざわざ専門外のことには関わらないければいいのに(しかも間違っている!)と悲しくなってしまいます…。
※この記事の「ほとんどの研究が否定する血液型性格診断」が間違っている理由はこちら
ちなみに、たまたま先日新宿駅に行ったのですが、東口の献血ルームでは、O型とA型が足りないのですが、B型とAB型は足りている(成分献血のみ受付)ようでした。
参考URL1 B型献血哀愁流れ旅 ・・・
(B型の血液は本当に必要とされていないのか?)
このサイトにある大阪府赤十字血液センターのサイトの画像
参考URL2 はまれぽ.com
横浜駅周辺の献血事情!どうしていつもO型やA型の協力を呼びかけているの?
→昨年と今年の全血献血は全国的にO型が多く使用された
2017年12月14日
O型の人はなぜ献血するのか?
この部分の要約が、プレジデントオンラインに掲載されました
2019年11月19日
O型は他の人より利他的?献血行動と血液型の関係
O型の人は、なぜ積極的に献血したがるのか
なぜかこの記事はオリジナルのプレジデントオンラインには見つけられせませんでした…。
※「行動経済学の使い方」の一部を再編集したとあります。
もっとも、この記事は一読するだけでおかしいことがわかります。
O型がA型やB型の倍近く献血しているなら、血液が余ってしまいます(適正在庫の200%以上になると献血させないため)。
この場合、献血を遠慮してもらうことになるので、単にO型(そしてAB型)の血液が他の型より需要が多いということでしょう。
AB型についても同じで、そもそも利他的云々はあまり関係ないはずです。
大竹さんは、高名な経済学者で、私は尊敬していますし、著書も何冊か持っています。
わざわざ専門外のことには関わらないければいいのに(しかも間違っている!)と悲しくなってしまいます…。
※この記事の「ほとんどの研究が否定する血液型性格診断」が間違っている理由はこちら
ちなみに、たまたま先日新宿駅に行ったのですが、東口の献血ルームでは、O型とA型が足りないのですが、B型とAB型は足りている(成分献血のみ受付)ようでした。
参考URL1 B型献血哀愁流れ旅 ・・・
(B型の血液は本当に必要とされていないのか?)
このサイトにある大阪府赤十字血液センターのサイトの画像
参考URL2 はまれぽ.com
横浜駅周辺の献血事情!どうしていつもO型やA型の協力を呼びかけているの?
→昨年と今年の全血献血は全国的にO型が多く使用された
2019-12-01 08:14
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血液型に肯定的な論文は日本語で発表してはダメ!? [サイト紹介]
しばらくWikipediaの「血液型性格分類」を見ていなかったので、さっきチェックしたら驚くべきことが書いてありました。
それは、10月15日 8:56の変更で、「今日の心理学会では血液型性格分類の有効性を支持する意見は少数意見であり、学会誌の査読を通過することは一般にできない」ということです。
※赤が削除された部分、緑が追加された部分です。
なお、変更の理由は、「wikipediaガイドライン:中立的観点に基づき見出しを変更。少数派の意見をさも通説のように扱うことは方針に反します」とあります。
そんなの当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、これは日本だけに見られる現象です。
英語論文なら「関係がある」という論文もチラホラ見かけます。
また、日本語の論文でも、査読がないなら「データの差」は認めている論文は結構あります。
しかし、日本語の論文で査読があるものだけは、このWikipediaにあるとおりで、データの差があることさえ認めていないのです。
この奇妙な現象は、たとえば金澤正由樹さんの「血液型人間学のエッセンス」に“ミステリーゾーン”があるとして、こう紹介されています。
そして、その傍証としてWipediaにある清水さんらのこの論文を取り上げ、
と結論付けています。
では、日本だけこんな「ガラパゴス」的な査読を続けるとどうなるか?
結果は明らかで、かつては世界一だった日本のエレクトロニクス産業がアメリカや中国に完敗したように、日本の心理学界のガラパゴス化がどんどん進むということになります。
非常に残念なことですが…。
現実に、上の表に紹介されている土嶺章子さんらの論文は、英語で執筆されて海外のオープンアクセス誌に掲載されました。
そういう例がどんどん増えてくるはずです。
清水さんも、英語で発表すれば論文が掲載されたのではないでしょうか?
これは私が思いつきで言っているのではありません。
たとえば、日本社会心理学会には、「国際誌論文データベース」というページがあり、こう説明があります。
単刀直入に言えば、日本の心理学界がどんどん空洞化するということです。
そして、最終的に「黒船」が来港して…。
「血液型と性格」は、ほとんど日本オリジナルの研究なのに、実に残念だというしかありません。
ただ、時代の趨勢には逆らえないので、私もそろそろ“日本脱出”の準備をしないといけないようです…。
それは、10月15日 8:56の変更で、「今日の心理学会では血液型性格分類の有効性を支持する意見は少数意見であり、学会誌の査読を通過することは一般にできない」ということです。
※赤が削除された部分、緑が追加された部分です。
なお、変更の理由は、「wikipediaガイドライン:中立的観点に基づき見出しを変更。少数派の意見をさも通説のように扱うことは方針に反します」とあります。
そんなの当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、これは日本だけに見られる現象です。
英語論文なら「関係がある」という論文もチラホラ見かけます。
また、日本語の論文でも、査読がないなら「データの差」は認めている論文は結構あります。
しかし、日本語の論文で査読があるものだけは、このWikipediaにあるとおりで、データの差があることさえ認めていないのです。
この奇妙な現象は、たとえば金澤正由樹さんの「血液型人間学のエッセンス」に“ミステリーゾーン”があるとして、こう紹介されています。
日本の心理学会には「血液型によりデータの差がある」とは言えない雰囲気が存在し、査読者が逆らえないということなのであろうか?(p217)
そして、その傍証としてWipediaにある清水さんらのこの論文を取り上げ、
血液型によってデータに差があるとか、あるいは血液型と性格に関係がありそうだなどどいう論文が査読をパスして専門誌に掲載される可能性は……ほとんど100パーセントないだろう。(p220)
と結論付けています。
では、日本だけこんな「ガラパゴス」的な査読を続けるとどうなるか?
結果は明らかで、かつては世界一だった日本のエレクトロニクス産業がアメリカや中国に完敗したように、日本の心理学界のガラパゴス化がどんどん進むということになります。
非常に残念なことですが…。
現実に、上の表に紹介されている土嶺章子さんらの論文は、英語で執筆されて海外のオープンアクセス誌に掲載されました。
そういう例がどんどん増えてくるはずです。
清水さんも、英語で発表すれば論文が掲載されたのではないでしょうか?
これは私が思いつきで言っているのではありません。
たとえば、日本社会心理学会には、「国際誌論文データベース」というページがあり、こう説明があります。
日本の社会心理学者たちは,活発な研究活動を展開・公表しており,その成果は日本語による論文であれば例えば日本社会心理学会の機関誌である「社会心理学研究」等の学会誌に掲載され,また学術書として公刊されています.一方,当然のことながら学問に国境はなく,特に近年では国際的な論文誌や書籍にその成果が掲載されることも増えてきました.しかし,こうした国際的成果をくまなく知ることは,あまりにそのフィールドが広いためにあまり容易ではありませんでした.
そこで,このページでは,日本の社会心理学者による国際的な研究活動の成果を広く共有・広報するために,日本社会心理学会会員による国際査読誌や書籍に掲載された学術論文(2013年以降に公刊されたもの)を,会員の皆様からの自薦・他薦の情報提供にもとづいて,あるいは,広報委員が不定期にPsycINFO, GoogleScholarなどを使って渉猟して,掲載しています.書誌情報は,メールニュース等の媒体でもご案内します.
単刀直入に言えば、日本の心理学界がどんどん空洞化するということです。
そして、最終的に「黒船」が来港して…。
「血液型と性格」は、ほとんど日本オリジナルの研究なのに、実に残念だというしかありません。
ただ、時代の趨勢には逆らえないので、私もそろそろ“日本脱出”の準備をしないといけないようです…。
2019-10-20 22:43
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心理学の性格検査の結果は、「血液型人間学」とぴったり一致する!【奥村教授の勘違い】《再度追記》 [サイト紹介]
前回の続きです。
繰り返しになりますが、統計学の大家である三重大学の奥村晴彦教授のサイトで、血液型の統計解析があることを見つけました。
・話題: B型の彼氏 / 血液型と性格の無関連性 / またまた血液型と性格
奥村教授が作成した次のグラフ(Persistence=継続性)を見るとわかりますが、血液型の傾向どおり「A型が最も忍耐強い」「B型が最も飽きっぽい」「O型もその次に飽きっぽい」という結果になっています。
※点がその血液型の値で、誤差の推定範囲は点から上下に伸びる実線で示されています。
奥村先生は、これは「偶然である」として、こう書いています。
確かに、最初と2番目の赤の下線にあるように、遺伝子型(Blood types)も表現型(ABO)もp>0.05ですので有意ではありません。
しかし、この数字は間違っているのです。なぜなら、一番下の赤の下線にあるように、なぜか「Pillai 以外の方法」の値の記述がなく、元の(土嶺さんの)論文では有意になった「Pillai 以外の方法」の値を採用しているからです。
※元の論文にはp=0.001で有意とあります。
下に、私が教授と同じ方法でフリーソフトのjamoviを使って計算した結果を示します(欠損値を除いた1435サンプルで計算)。
確かに、Pillai's Traceこそ奥村教授と同じp=0.282となっていますが、Roy's Largest Root は、p=0.002ですから有意水準0.05よりはるかに小さく、文句なく有意となります。
奥村教授は、おそらくRoy's Largest Rootは計算しなかったのでしょう。
なぜなら、これらの4種類の数値、Pillai、Wilks、Hotelling、Royは、普通はだいたい一致するからです。
[2019.9.23 8:30追記 もう一度チェックしたら、論文中に"we used Roy's largest root statistics"とあるので、有意差が出ているのに無視した可能性もあります。仮にそうだとすると、少々問題なのではないかという気もしますが…。そもそも、MANCOVAのp値(genotypeで0.001、phenotypeで0.014)はAbstractも含めて何回も出ているのに、まったく書かないというのはケアレスミスとは考えにくいですしね。]
※jamoviの使い方は、こちらのサイトに日本語で解説されています。⇒MANCOVAはこちら
以前はRとEZRを使っていたのですが、jamoviはGUIで使えるので非常に使いやすいです。技術の進歩はすごいですね。
よって、奥村教授の「偶然である」という判断は否定されることになります。
ということで、奥村教授の次の文章、
は、MANOVAがp=0.002で有意なのですから、Persistenceに有意な差があることは確定と考えていいことになるでしょう。
結局、奥村教授の言う、差が出たのは「偶然」だという主張は、現実のデータで否定されてしまうのです。
では、なぜRoy's Largest Rootだけが他の3つの値と違うのでしょうか。
手持ちのデータでシミュレーションをしてみたところ、男女や年齢で血液型の影響が変わってくる場合、Roy's Largest Rootだけが有意になったりするようです。
よって、血液型のデータをMANOVAで分析する場合、奥村教授のように、Pillai's Traceだけで判断するのは「危険」ということになります。
ここで、念のために他の質問項目を調べると、Persistenceだけではなく、Reward DependenceやCooperativenessではほぼ血液型が予測するとおりの差が出ているようです。
RDは前回報告したとおりですが、Cでも、O型とA型は、B型やAB型より数値が高いのです。
7項目中3項目でそうなのですから、やはりこれらの差は偶然ではないと判断するのが妥当かと思われます。
実は、奥村教授のこのサイトには、もう一つの致命的な間違いがあります。
しかし、血液型の性格で「自己成就」しているなら、仮に他の性格指標で差がないとしても、それは「見かけ」だけで、本当は差が出るはずです。よって、有意差に関係なく帰無仮説は棄却されることになります。
統計の専門家だから、かえって「血液型と性格」を誤解するのかもしれませんね。帰無仮説が無意味なんて、普通は考えないですからね(笑)。
このように、血液型は「統計の常識」をことごとく否定してしまうのです。
遺伝子が性格に与える影響を直接的に研究しているケースはほとんどないはずなので、こんな奇妙なことが起きても特に不思議ではないのかもしれません。
現時点では、真相は神のみぞ知る…というところ、ですかね?
誰かが一刀両断に謎を解き明かしてくれないでしょうか…。
【2019.9.22 18:20 追記】
調べてみたところ、
・Pillai's Traceが適していないのは、自由度が1より大きい場合
・Roy's Largest Rootが適しているのは、帰無仮説からのずれが大きく、固有値が大きく異なる場合
とあり、どちらも土嶺章子氏の論文に当てはまると思うのですが。
なお、ソースは次のとおりです。
・https://www.statisticshowto.datasciencecentral.com/pillais-trace/
・http://www.jmp.com/japan/support/help/13/flm-multiple-response-10.shtml
元々のソースは、いずれも Seber, G.A.F. (1984). Multivariate Observations. とのことです。
後者のサイトには「残念ながら常に他よりも優れている検定というのものはありません」ともあります。
【2019.9.22 21:30 追記】
ところで、MANOVAの計算には線形代数(行列)を使います。
私は、数学は嫌いではありませんが、線形代数は大の苦手でした。
それでも、ちょっと気になったので、TCIの7つの性格因子の関係が「線形」代数でうまく扱えるのか、直感的にわかるように分布図を書いてみました。
少々極端な例として、HAとSDの関係を示しておきます。
結果は見たとおりで、2つの関係は「線形」(1次方程式)ではなく、2次(以上の)方程式でないとうまくフィットしません。
実は、MANOVAの計算にはいくつかの条件があり、
1. 正規分布
2. グループのサンプルサイズが同じ
3. 従属変数間に相関があってもよい
ということになっています。
このHAとSDでは、rは0.565(R2=0.319)ですから、結構な相関があります。
しかし、この相関は「線形」ではありません。
この場合、MANOVAはたしてどのような結果になるのでしょう?
Roy's Largest Rootだけ極端にpが小さいのは、そういう理由からかもしれません、ね…。
【2019.9.22 23:30 追記】
Roy's Largest Rootだけ極端にp値が小さい理由がやっとわかりました。
私は線形代数は苦手なのですが、さすがに固有値λぐらいはわかります(どうやって計算するんだっけ?)
MANOVAでは、p値を計算するのに、擬似的なF分布を使います。
簡単に言うと、従属変数ごとにこのλを計算し、λの値が大きいほど(逆数の場合は小さいほど)p値が小さくなります。
計算方法はわからないので省略します。
ソース:心理統計法-多変量分散分析(1)
では、具体的にMANOVAの4つの値
・Pillai's Trace
・Wilks' Lambda
・Hotelling's Trace
・Roy's Largest Trace
はどうやって計算するのでしょうか。
私が一番わかりやすかったのは、次の英語版Wikipediaでした。
これなら素人でもわかりますね(笑)。
・Pillai's Trace
・Wilks' Lambda
・Hotelling's Trace
の3つは、すべての従属変数のλの平均値です。
#平均の出し方にはいろいろな方法があります。
ところが、Roy's Largest Rootだけはすべての従属変数のλの最大値なのです!
土嶺章子氏の論文を読めば明らかなように、TCIの7つの性格因子は、Persistenceだけがかなり小さなp値で有意なものの、残りの6つにはほとんど有意差はありません。
これはどういうことかというと、Persistenceだけが有意な場合は、Roy's Largest RootだけがMANOVAの結果で有意になるということです。Pillai's Traceなどの残りの3つは、7つの性格因子の平均値なので、有意差は小さくなるか、消滅するということになります。
これは、最初の16:20の追記の内容
・Pillai's Traceが適していないのは、自由度が1より大きい場合
・Roy's Largest Rootが適しているのは、帰無仮説からのずれが大きく、固有値が大きく異なる場合
ともうまく符合します。
やっと謎が解けたので、これで枕を高くして眠れますね。
【2019.9.23 9:20 追記】
我ながらしつこいのですが、手持ちのデータでMANOVAをやってみました。
少数の従属変数だけに有意差がある場合は、Roy's Largest Rootが適していることは明らかです。
6つの質問項目のうち、血液型で最も差が大きいのはq3-2ですが、予想どおりRoy's Largest Rootだけがp=0.002で有意で、他はp=0.092だから有意ではありませんでした。
奥村先生もうっかりしたのですかね。
弘法も筆の誤りということでしょうか…。
繰り返しになりますが、統計学の大家である三重大学の奥村晴彦教授のサイトで、血液型の統計解析があることを見つけました。
・話題: B型の彼氏 / 血液型と性格の無関連性 / またまた血液型と性格
奥村教授が作成した次のグラフ(Persistence=継続性)を見るとわかりますが、血液型の傾向どおり「A型が最も忍耐強い」「B型が最も飽きっぽい」「O型もその次に飽きっぽい」という結果になっています。
※点がその血液型の値で、誤差の推定範囲は点から上下に伸びる実線で示されています。
奥村先生は、これは「偶然である」として、こう書いています。
論文では年齢・性別でコントロールしたMANCOVAが使われているが,年齢・性別がわからないので,ここでは単なるMANOVAを使ってみる:
いずれも有意ではない(Pillai 以外の方法については manova() のマニュアル参照)。
確かに、最初と2番目の赤の下線にあるように、遺伝子型(Blood types)も表現型(ABO)もp>0.05ですので有意ではありません。
しかし、この数字は間違っているのです。なぜなら、一番下の赤の下線にあるように、なぜか「Pillai 以外の方法」の値の記述がなく、元の(土嶺さんの)論文では有意になった「Pillai 以外の方法」の値を採用しているからです。
※元の論文にはp=0.001で有意とあります。
下に、私が教授と同じ方法でフリーソフトのjamoviを使って計算した結果を示します(欠損値を除いた1435サンプルで計算)。
確かに、Pillai's Traceこそ奥村教授と同じp=0.282となっていますが、Roy's Largest Root は、p=0.002ですから有意水準0.05よりはるかに小さく、文句なく有意となります。
[2019.9.23 8:30追記 もう一度チェックしたら、論文中に"we used Roy's largest root statistics"とあるので、有意差が出ているのに無視した可能性もあります。仮にそうだとすると、少々問題なのではないかという気もしますが…。そもそも、MANCOVAのp値(genotypeで0.001、phenotypeで0.014)はAbstractも含めて何回も出ているのに、まったく書かないというのはケアレスミスとは考えにくいですしね。]
※jamoviの使い方は、こちらのサイトに日本語で解説されています。⇒MANCOVAはこちら
以前はRとEZRを使っていたのですが、jamoviはGUIで使えるので非常に使いやすいです。技術の進歩はすごいですね。
よって、奥村教授の「偶然である」という判断は否定されることになります。
ということで、奥村教授の次の文章、
慣習的な統計的検定を使う際には,多重比較に陥らないように注意すべきである。この論文のように変数が7個もある場合は,全部をまとめた検定(上の例ではMANCOVAやMANOVA)をまず行い,それが有意にならなかったら,個々の変数についての検定は参考程度にとどめる。
は、MANOVAがp=0.002で有意なのですから、Persistenceに有意な差があることは確定と考えていいことになるでしょう。
結局、奥村教授の言う、差が出たのは「偶然」だという主張は、現実のデータで否定されてしまうのです。
では、なぜRoy's Largest Rootだけが他の3つの値と違うのでしょうか。
手持ちのデータでシミュレーションをしてみたところ、男女や年齢で血液型の影響が変わってくる場合、Roy's Largest Rootだけが有意になったりするようです。
よって、血液型のデータをMANOVAで分析する場合、奥村教授のように、Pillai's Traceだけで判断するのは「危険」ということになります。
ここで、念のために他の質問項目を調べると、Persistenceだけではなく、Reward DependenceやCooperativenessではほぼ血液型が予測するとおりの差が出ているようです。
RDは前回報告したとおりですが、Cでも、O型とA型は、B型やAB型より数値が高いのです。
7項目中3項目でそうなのですから、やはりこれらの差は偶然ではないと判断するのが妥当かと思われます。
実は、奥村教授のこのサイトには、もう一つの致命的な間違いがあります。
特に日本や韓国など血液型性格判断を信じる人が多い国では,性格テストに現れる性格は,血液型に影響されてしかるべきである。「□型の性格は○○である」と聞いて育った□型の人は「自分の性格は○○だ」という先入観を持ち,性格テストでもそのように答える傾向があってもおかしくない。
しかし、血液型の性格で「自己成就」しているなら、仮に他の性格指標で差がないとしても、それは「見かけ」だけで、本当は差が出るはずです。よって、有意差に関係なく帰無仮説は棄却されることになります。
統計の専門家だから、かえって「血液型と性格」を誤解するのかもしれませんね。帰無仮説が無意味なんて、普通は考えないですからね(笑)。
このように、血液型は「統計の常識」をことごとく否定してしまうのです。
遺伝子が性格に与える影響を直接的に研究しているケースはほとんどないはずなので、こんな奇妙なことが起きても特に不思議ではないのかもしれません。
現時点では、真相は神のみぞ知る…というところ、ですかね?
誰かが一刀両断に謎を解き明かしてくれないでしょうか…。
【2019.9.22 18:20 追記】
調べてみたところ、
・Pillai's Traceが適していないのは、自由度が1より大きい場合
・Roy's Largest Rootが適しているのは、帰無仮説からのずれが大きく、固有値が大きく異なる場合
とあり、どちらも土嶺章子氏の論文に当てはまると思うのですが。
なお、ソースは次のとおりです。
・https://www.statisticshowto.datasciencecentral.com/pillais-trace/
・http://www.jmp.com/japan/support/help/13/flm-multiple-response-10.shtml
元々のソースは、いずれも Seber, G.A.F. (1984). Multivariate Observations. とのことです。
後者のサイトには「残念ながら常に他よりも優れている検定というのものはありません」ともあります。
【2019.9.22 21:30 追記】
ところで、MANOVAの計算には線形代数(行列)を使います。
私は、数学は嫌いではありませんが、線形代数は大の苦手でした。
それでも、ちょっと気になったので、TCIの7つの性格因子の関係が「線形」代数でうまく扱えるのか、直感的にわかるように分布図を書いてみました。
少々極端な例として、HAとSDの関係を示しておきます。
結果は見たとおりで、2つの関係は「線形」(1次方程式)ではなく、2次(以上の)方程式でないとうまくフィットしません。
実は、MANOVAの計算にはいくつかの条件があり、
1. 正規分布
2. グループのサンプルサイズが同じ
3. 従属変数間に相関があってもよい
ということになっています。
このHAとSDでは、rは0.565(R2=0.319)ですから、結構な相関があります。
しかし、この相関は「線形」ではありません。
この場合、MANOVAはたしてどのような結果になるのでしょう?
【2019.9.22 23:30 追記】
Roy's Largest Rootだけ極端にp値が小さい理由がやっとわかりました。
私は線形代数は苦手なのですが、さすがに固有値λぐらいはわかります(どうやって計算するんだっけ?)
MANOVAでは、p値を計算するのに、擬似的なF分布を使います。
簡単に言うと、従属変数ごとにこのλを計算し、λの値が大きいほど(逆数の場合は小さいほど)p値が小さくなります。
計算方法はわからないので省略します。
ソース:心理統計法-多変量分散分析(1)
では、具体的にMANOVAの4つの値
・Pillai's Trace
・Wilks' Lambda
・Hotelling's Trace
・Roy's Largest Trace
はどうやって計算するのでしょうか。
私が一番わかりやすかったのは、次の英語版Wikipediaでした。
これなら素人でもわかりますね(笑)。
・Pillai's Trace
・Wilks' Lambda
・Hotelling's Trace
の3つは、すべての従属変数のλの平均値です。
#平均の出し方にはいろいろな方法があります。
ところが、Roy's Largest Rootだけはすべての従属変数のλの最大値なのです!
土嶺章子氏の論文を読めば明らかなように、TCIの7つの性格因子は、Persistenceだけがかなり小さなp値で有意なものの、残りの6つにはほとんど有意差はありません。
これはどういうことかというと、Persistenceだけが有意な場合は、Roy's Largest RootだけがMANOVAの結果で有意になるということです。Pillai's Traceなどの残りの3つは、7つの性格因子の平均値なので、有意差は小さくなるか、消滅するということになります。
これは、最初の16:20の追記の内容
・Pillai's Traceが適していないのは、自由度が1より大きい場合
・Roy's Largest Rootが適しているのは、帰無仮説からのずれが大きく、固有値が大きく異なる場合
ともうまく符合します。
やっと謎が解けたので、これで枕を高くして眠れますね。
【2019.9.23 9:20 追記】
我ながらしつこいのですが、手持ちのデータでMANOVAをやってみました。
少数の従属変数だけに有意差がある場合は、Roy's Largest Rootが適していることは明らかです。
6つの質問項目のうち、血液型で最も差が大きいのはq3-2ですが、予想どおりRoy's Largest Rootだけがp=0.002で有意で、他はp=0.092だから有意ではありませんでした。
奥村先生もうっかりしたのですかね。
弘法も筆の誤りということでしょうか…。
2019-09-22 08:16
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女子クライミングはB型が多い!? [サイト紹介]
知り合いから、女子クライミングにB型が多いという情報があったので、ちょっと調べてみました。
ギリギリ有意差はありませんが、調べた12人中O型が6人、B型は3人なので、O型とB型が多い傾向があることは確かなようです。
参考サイト:Irodori Terrace
1 野口啓代 B
2 野中生萌 B
3 大場美和 O
4 大田理裟 A
5 三浦絵里菜 O
6 金子桃華 O
7 田嶋あいか O
8 戸田萌希 O
9 伊藤ふたば ?
10 廣重幸紀 O
11 白石阿島 ?
(追加) 楢崎智亜 B
O6 B3 A1 不明2
2項分布 p=5.4%→A型が少ない
χ2検定 χ2=6.12, p=10.6%
ギリギリ有意差はありませんが、調べた12人中O型が6人、B型は3人なので、O型とB型が多い傾向があることは確かなようです。
参考サイト:Irodori Terrace
1 野口啓代 B
2 野中生萌 B
3 大場美和 O
4 大田理裟 A
5 三浦絵里菜 O
6 金子桃華 O
7 田嶋あいか O
8 戸田萌希 O
9 伊藤ふたば ?
10 廣重幸紀 O
11 白石阿島 ?
(追加) 楢崎智亜 B
O6 B3 A1 不明2
2項分布 p=5.4%→A型が少ない
χ2検定 χ2=6.12, p=10.6%
2019-08-31 09:33
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O型は蚊に刺されやすいの? [サイト紹介]
日経ビジネス電子版 2019年6月7日
村中 璃子
広がるデング熱、「流行条件」整う9月のニッポン<デング熱の処方箋・その1>
O型の人は蚊に刺されやすいと言われていますが、どうも他の条件もあるようで、「いつも」「どの蚊」でもというわけではないようです。
この記事では、殺虫剤メーカーの「フマキラー」から聞いた話として、
とあります。
村中 璃子
広がるデング熱、「流行条件」整う9月のニッポン<デング熱の処方箋・その1>
O型の人は蚊に刺されやすいと言われていますが、どうも他の条件もあるようで、「いつも」「どの蚊」でもというわけではないようです。
この記事では、殺虫剤メーカーの「フマキラー」から聞いた話として、
血液型O型の人は蚊に刺されやすいという説もありますが、「弊社で実験を繰り返しても結果にばらつきがあり、エビデンス(科学的証拠)は得られていません」とのことでした。
とあります。
2019-07-06 10:37
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