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離婚しやすい血液型? [論文]

イランの研究報告では、400組のカップルを調査したところ、O-O、A-O、A-ABの組み合わせは結婚生活の満足度が低く、離婚しやすいと考えられるという結果となりました。
ただ、この論文の英語は私には非常に読みにくいのです。なんでかな?
なので、まだ全文は読んでません。[たらーっ(汗)]

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Fakhraddin Sohrabi, Mahmood Goudarzi, Ali Jalili
THE STUDY OF RELATIONSHIP BETWEEN BLOOD GROUPS AND MARITAL SATISFACTION IN DIVORCE-SEEKING AND ORDINARY COUPLES
SAUSSUREA (ISSN: 0373-2525) Vol. 3(1), PP: 319-331, 2015
http://saussurea.org/wp-content/uploads/2015/06/Sauss-March-31-2015.pdf

Abstract
The findings of this study showed that the combination of Equalized blood group O-O and unequalized combination blood group A-O and A-AB predicted the highest rate of divorce.

【2017.9.16追記】
O-O、A-O、A-ABは、夫・妻とは関係ない「ペア」の血液型ですが、なぜそうしたのかは不明です。
おそらくは、AB型が少ないので、400組のカップルでは夫と妻とで別々に分析することができなかったのではないかと思われます。この論文ではAB-ABは11組ですから、確かに夫と妻を別々に分析するのは難しいでしょう。
面白いのは、日本のデータ(1986年のNHK世論調査)らしきものが紹介されていることです。
#こんな昔のデータをどこから入手したんでしょうね…。
具体的には次の記述です。
現在、ほとんどの日本人は、血液型と性格の関係があると考えています。 例えば、日本の人のランダムサンプリングに基づく研究では、その数は1102人でした。 回答者の75%で[関係があると回答したため]私たちの主張が確認できました。
Now most Japanese people believe that there is a relationship between blood groups and personalities. For example in a study based on a random sample of people in Japan, the number was 1102 people. 75% of respondents confirmed our opinion.

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O型は躁うつ病が多い? [論文]

O型に躁鬱病が多いことは確定的らしいです。
こちらは、以前に紹介した韓国の論文にあります。

Sungil Ryu, Young-Woo Sohn (2007)
A Review of Sociocultural, Behavioral, Biochemical Analyses on ABO Blood-Groups Typology
Korean Journal of Social and Personality Psychology, 21(3),27-55.

表9.血液型と神経精神科疾患の関係の研究[抜粋]
Parker(1961)O型の躁鬱病が多い。
Mendlewicz(1974)O型の躁鬱病が多い。
ソクジェホ(1977)O型の躁鬱病が多い。
Tanna(1968)先天性情動障害の場合には、B型が高く、O型が低い。
Shapiro(1977)O型の躁鬱病が多い。 A型の単極性情動障害多い。
Irvine(1965)統計的有意性はないが、O型に躁鬱病が多い。

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ついで、B型は強迫神経症が多いらしいです…。
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イタリアではO型が長生きする? [論文]

イタリアで、O型が長生きという論文が発表されているようです。
100歳以上の長寿者の血液型を調べたところ、O型が56.4%を占め、イタリア人の平均値の43.5%を上回ったとのことです。
調査者数の合計は5063人ですから、統計的にも十分有意です。
ただ、2004年の東京都の調査ではB型が長生きということですから、今回の結果とは整合が取れません。
それは、この論文にも書いてあります。

longevity(Italy).PNG

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チェコの血液型論文 [論文]

今回は、チェコの論文を紹介します。

内容は、性格検査(ビッグファイブ)でABO式血液型による差がなかったというものです。
サンプルはチェコの502人の兵士です。
この結果は予想どおりですが、どういうわけかRH式血液型では差が出たらしい…。
なぜかタダで読めます。

chezh.PNG

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インドの科学誌の研究 [論文]

ネットで検索したら、今度はインドの研究を見つけました。[ひらめき]

india.PNG

Amreen Nahida, Nandini Chatterjee
A study on relationship between blood group and personality
International Journal of Home Science 2016; 2(1): 239-243
http://www.homesciencejournal.com/archives/2016/vol2issue1/PartD/2-1-54.pdf

この研究では、サンプルが男女50人の計100人だから差が出るはずがありません。
なぜなら、差を見出すためには、少なくとも数百人以上のサンプルが必要だからです。
なお、性格検査はEysenck’s Personality Questionnaire-Revised (EPQ-R)を使っています。
普通は、ビッグファイブのNEO-PI-Rなので、珍しいですね。

面白いと思ったのは、以前のエントリーに書いた中東の3件の論文土嶺章子さんの英語の論文が、参考文献に挙げられていることです。
#なぜか、土嶺章子さんの論文では、彼女の名前が3番目…。男尊女卑?

やはり英語の情報発信が大事なんですね。

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中東の研究報告3件の紹介 [論文]


You Are Your Blood Type

You Are Your Blood Type

  • 作者: Toshitaka Nomi
  • 出版社/メーカー: Pocket Books
  • 発売日: 1988/04
  • メディア: ペーパーバック

中東の研究報告というのを初めて見ました(書かれているのは英語です)。
ひょっとして、『自分の説明書』がペルシャ語かアラビア語に翻訳されたのでしょうか…。[るんるん]
#それぞれの結果が一致しないのは、まさに私の予想どおりです。

最初の論文の参考文献は、アレキサンダー・ベッシャーさんのYou are Your Blood Typeなので、英語の情報発信の必要性を痛感しています。
ところで、今回紹介するのはすべてイランの研究報告ですが、なぜか英語圏のデータベースには登録されていないようですね。
何か理由があるのかな?

○No.1
Fatemeh Beheshtian, Roghayeh Hashemi and Zolfaghar Rashidi
The Five Personality Factors over the Students with Four Blood Types
Journal of Applied Environmental and Biological Sciences, 2015, 5(8):45-49
サンプル160人 NEO PI-R → openness to experience に差が出た
https://www.textroad.com/pdf/JAEBS/J.%20Appl.%20Environ.%20Biol.%20Sci.,%205(8)45-49,%202015.pdf

○No.2
Mohammad Sharifi, Hamza Ahmadian and Ali Jalali
The relationship between the big five personality factors with blood types in Iranian university students

Journal of Chemical and Pharmaceutical Research, 2015, 7(5):233-240
サンプル400人 NEO PI → openness と extraversion に差が出た
http://www.jocpr.com/articles/the-relationship-between-the-big-five-personality-factors-with-blood-types-iniranian-university-students.pdf

○No.3
Zirak Morandlou Hossein
The Relationship between Students’Personality Traits and Their Blood Types
Journal of Health and Devalopment 2012, 1(3):221-226
サンプル不明 NEO-FFI → 血液型も性別でも差が出なかった
http://en.journals.sid.ir/ViewPaper.aspx?ID=299581

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日本の心理学者は「血液型と性格」の結論を“忖度”している《続》 [論文]

前回の続きです。

論文の執筆者自らが「血液型によりデータの差が見られた」と結論づけている主な学術論文[本]をピックアップしてみました。
結果ですが、日本語の文献では「査読なし」ものしかありませんが、外国語では「査読あり」ものもあります。
奇妙なことに、日本人が日本語で書いた査読あり論文は必ず「差がない」のですが、日本人が英語で発表した査読あり論文では「差がある」場合もあります。

【日本語の文献】
■日本社会心理学会大会発表論文集(すべてポスター発表→査読なし
血液型ステレオタイプによる自己成就現象-全国調査の時系列分析I&II- 1991-92年
山崎賢治、坂元章
 →血液型によりデータの差が見られた
血液型性格項目の自己認知に及ぼすTV番組視聴の影響 2006年
山岡重行(聖徳大学人文学部)
 →血液型によりデータの差が見られた
潜在的な血液型ステレオタイプ信念と自己情報処理 2007年
久保田健市(名古屋市立大学)
 →血液型によりデータの差が見られた
■日本心理学会大会発表論文集(すべてポスター発表→査読なし
自分の性格の評価に血液型ステレオタイプが与える影響 2009年
工藤 恵理子(東京女子大学)
 →血液型によりデータの差が見られた
■研究紀要(査読なし
血液型性格判断の妥当性の検討(2) 1999年
白佐俊憲(北海道女子大学短期大学部)
 →血液型によりデータの差が見られた

【韓国語の文献】
■韓国心理学会誌(査読あり
Beliefs about Blood Types and Traits and their Reflections in Self-reported Personality 2005年
韓国人 So Hyun Cho , Eun Kook M. Suh , Yoen Jung Ro
 →血液型によりデータの差が見られた
A Review of Sociocultural, Behavioral, Biochemical Analyses on ABO Blood-Groups Typology 2007年
韓国人 Sung Il Ryu , Young Woo Sohn
 →血液型によりデータの差が見られた
【英語】
■Physica A: Statistical and Theoretical Physics(査読あり
Blood-type distribution 2007年
韓国人 Beom Jun Kim, Dong Myeong Lee, Sung Hun Lee and Wan-Suk Gim
 →血液型によりデータの差が見られた
■Plos One(査読あり
ABO Blood Type and Personality Traits in Healthy Japanese Subjects 2015年
日本人 Shoko Tsuchimine, Junji Saruwatari, Ayako Kaneda, Norio Yasui-Furukori
 →血液型によりデータの差が見られた

しかし、心理学的には「必ず差が出る」のですから、日本人が日本語で書いた場合に必ず「差がない」というのはおかしいのです。 
以上のことから、日本語の心理学論文では、執筆者が査読者の意図(血液型によるデータの差があるはずがない!)を“忖度”している可能性が高いことになります。

これを直接・間接的に裏付ける証拠もあります。
例えば、筑波大の清水さんの報告では、
今後の[日本の心理学会の]研究論文は,[血液型と性格に関係があるという]関連説を肯定的に支持する内容が含まれる限り,全て掲載に値しないという判断が下される可能性が極めて高いことになる。やはり,掲載を認めるわけにはいかないという結論が先にあるように感じられる。【清水武 心理学は何故、血液型性格関連説を受け入れ難いのか―学会誌査読コメントをテクストとした質的研究】
また、以前のエントリー
日経ビジネスオンラインに「血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的」という記事

では、東大の四本さんは「サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的」と決めつけているようです。
東大の心理の権威が、血液型を「100パーセント非科学的」と決めつけているなら、心理学の論文として掲載されるのは「100パーセント」ないでしょう(苦笑)。

よって、日本の心理学会では「血液型と性格」の研究は完全にタブーであり、「関係がある」などという論文が認められる可能性は限りなくゼロに近いことがわかります。
その意味では、日本パーソナリティ心理学会のホームページにある次の記述は、そういう事情をうまく表していると言えるでしょう。
われわれ心理学者は血液型性格判断を生み出した責任をとって[注1],自分たちで血液型と性格との関係について科学的なデータを集めてきましたが,そうしたデータからは血液型と性格の関係がほとんど確認できていないことはご存知の通りです。
[注1]血液型性格判断の基礎を作った古川竹二(1891-1940)は昭和の初めに活躍した心理学者・教育学者です。
【出典:日本パーソナリティ心理学会の公式サイト】

なるほど…。

日本の心理学者は「血液型と性格」の結論を“忖度”している [論文]

森友学園問題で、忖度という言葉が流行しています。[わーい(嬉しい顔)]
辞書を調べると、

デジタル大辞泉
他人の心をおしはかること。「相手の真意を―する」

とあります。

ここで、面白いことに気がつきました。

日本語の「査読付き」心理学論文[本]では、「データに差がある」というものは発見できません。
一方、外国語の査読付き論文では、データに差があるというものはゴロゴロしています。[るんるん]

では、日本にはデータに差があるという論文はないのでしょうか?

いや、そんなことはありません!
日本人が書いた査読付き論文でも、日本語ではなく「英語」のものなら、データに差があるというものはいくつかあります。
また、日本人が日本語で書いたものでも、査読なしであれば、データに差があるというものは決して珍しくありません。

ということは、日本語の論文では、執筆者が査読者の意図(血液型によるデータの差があるはずがない!)を“忖度”している可能性が高いことになります。

思いもよらない大発見のようです。[ひらめき]

日本パーソナリティ心理学会の公式見解が典型ですが、確かに血液型によるデータの差があるはずがない!というのは、日本の心理学会のコンセンサスです。

この点については、もう少し詳しい考察が必要だと思われます。

昔の高校野球はO型が多い…ようです [論文]

昔の高校野球のデータですが、プロ野球と同じでO型が多くなっています。
AB型が多いというのは珍しいですね。

第39回全国高等学校野球選手権大会出場選手の心理学的考察
体育学研究 Vol. 3 (1958) No. 1 p. 105-
(一社)日本体育学会 大阪支部体育心理学研究部
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/3/1/3_KJ00003402060/_article/-char/ja/

14 血液型
A型25%、B型6%、O型49%、AB型17%で、O型が非常に多く見られた。

※大阪府のデータ

遺伝子が性格に影響する程度・割合は心理学で分析できない!? [論文]

最近はすっかり遺伝子ブームです。
血液型に限らず、遺伝子がどのように性格に影響するかという研究が数多く発表されています。
しかし、心理学の枠組みで「遺伝子と性格」や「血液型と性格」を分析すると、思いもよらない結果が出たりするので驚かされます。
ここでは、そういう不思議な現象を紹介しておきましょう。

「セロトニン」という名前を聞いたことがあるでしょうか? これは、性格に大きな影響を与える神経伝達物質の1つです。
神経伝達物質というのは、神経細胞から別の神経細胞へ情報を伝達する媒介となる物質のことです。
セロトニンの活性に関係する神経伝達物質である「セロトニントランスポーター」の遺伝子には、LL、LS、SSの3種類があり、種類によって性格に差が生じることが、多くの研究で確かめられています。
最近になって、この遺伝子の影響度を「アンケート調査」で比較分析してみたところ、心理学の「性格検査」より差が大きく出たという報告がありました。
つまり、遺伝子の影響を調べるには、心理学の枠組みにこだわりすぎると失敗する――というのは言い過ぎでしょうが、少なくとも心理学がアプリオリに正しいと考えてはいけないということです。

以下は、金澤正由樹さんの「B型女性はなぜ人気があるのか」からの抜粋です。

London School of Economics and Political Sceinece
New study is first to identify a "happiness gene" (2011)
http://www.lse.ac.uk/newsAndMedia/news/archives/2011/05/happiness_gene.aspx
☞任意のアンケート(幸福かどうか69% vs 38%) 効果量[影響の大きさ]:中(φ=0.3)
Lesch KP, Bengel D et al., Association of anxiety-related traits with a polymorphism in the serotonin transporter gene regulatory region, Science. 1996 Nov 29;274(5292):1527-31.
☞心理学の性格検査(NEO-PI-R SD=0.29)効果量[影響の大きさ]:小~中(d=0.29)

血液型でも同じような現象が起きている。前著にも書いたが「ビックファイブ」という性格検査では、血液型による性格の差をうまく検出できないようなのだ。遺伝子と性格の関係は、意外に奥が深いようである。


B型女性はなぜ人気があるのか 30万人のデータが解く血液型の謎

B型女性はなぜ人気があるのか 30万人のデータが解く血液型の謎

  • 作者: 金澤 正由樹
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2016/07/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

LSEの元記事はこちらです。

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