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血液型と性格の常識(2) [血液型の常識]

前回(1)からの続きです。

では、具体的なデータを見ていくことにしましょう。
ここでは、わかりやすいように、「思い込み」があるという仮定で説明を進めます。
仮に「思い込み」がないというなら、現在では「統計的に差がある」が心理学の「定説」となってしまったので、自動的に「関係ある」ことになってしまうからです。皆さんは、私のわかりにくい説明を苦労して読む必要なんか全然ありません。[猫]
最初に、nさんのように、「思い込み」は本当にあるのか?という疑問もあるかもしれませんので、私の考えを一応説明しておきましょう。
Q. 結局心理学では「思い込みが存在する」と考えるのが普通なのか、「思い込みが存在しない」のが普通なのか、どっちなのですか?
A. あはは、A型的な反応ですが、nさんの血液型は確認しようがないので、なんとも言えません。
#仮にnさん本人が違うと主張したところで、事実を確認しようがないので無意味です…。
正確なところは、「まだ確認されていない」ということでしょう。
もっとも、普通は「思い込みが存在しない」と仮定しています。そうじゃないと、性格検査が無意味になってしまいますからね。
ちなみに、私は差に気付くことによって、見かけ上の回答率の差が大きくなっていると考えます。そういう意味では「思い込み」の効果はあります。そして、こう考えると、いままでのデータをうまく説明することができます。
では、始めましょう!

まず、「思い込み」(ステレオタイプ、自己成就 etc.)の定義からです。
「本当の性格」は血液型によって変わらない。しかし、血液型本やマスコミ・ネットの情報などで自分の性格の認知が「思い込み」によって影響されて、アンケートに血液型の特徴を答えてしまう、という一連の流れが定義になります。
その結果として、統計的に有意な差が出ることになりますが、ここまではいいでしょうか?

さて、この定義からすると、「思い込み」が時代・性別・年代によって方向が違うことはありません(程度はともかくとして…)。
また、仮に「思い込み」は血液型本やマスコミ・ネット情報によるものということなら、それらの情報は時代・性別・年代によって違うことにならないと理屈が合いません。
では、現実に「有名な特性」である、几帳面、マイペース…は、時代・性別・年代によって違うのでしょうか?
そんなことはありません!
そもそも、「思い込み」が時代・性別・年代によって違うなら、血液型によって「思い込み」や「自己成就」しようがありませんし、普通は血液型別の性格とは言いません。
#細かい話をすれば例外もありますが、わかりやすいように単純化して説明しています。

さて、この思い込みの影響はどの程度かというと、日本人ではだいたい7割です。

【代表例】
1986年 NHK世論調査
血液型と人の性格は関係ありそうだ(無作為抽出の首都圏15~69歳の住民1,102名)
 そう思う 75.0%
1997年 関西テレビ『発掘!あるある大事典』
血液型と性格・相性の関係は?(500名)
 ある 72%
同時期のNTV『特命リサーチ200X』(1997年)でも、関係があると思う人は75%
2008年 アイシェアの調査(インターネット調査 476名)
大いに関係があると思う
 A型12.4% B型14.3% O型15.2% AB型5.1%
多少は関係があると思う
 A型58.5% B型61.6% O型49.2% AB型61.5%

■1999-2009年 山岡重行さん調査(聖徳大学)
血液型性格診断の確信度
1999年4月 信じている12.2% 少し信じている46.5% 1300人
2001年4月 信じている12.9% 少し信じている46.8% 949人
2002年4月 信じている12.2% 少し信じている46.6% 1271人
2004年4月 信じている16.9% 少し信じている51.5% 480人
2005年1月 信じている16.5% 少し信じている53.6% 375人
2005年5月 信じている15.7% 少し信じている48.4% 1362人
2009年4月 信じている11.6% 少し信じている44.2% 925人
全体 信じている13.5% 少し信じている47.4% 6660人

また、ちょっと古いのもありますが、血液型別イメージは次のようになっています。

【各血液型のイメージ】
■心理学者のアンケート(主なもの N=197)
 A型 几帳面111 神経質77 真面目54
 O型 おおらか90
 B型 マイペース33 個性的23
 AB型 二重人格77 二面性がある64
出典:現代のエスプリ~血液型と性格 (1994)
■インターネットアンケート(主なもの N=926)
 異性で好きな血液型の理由
 A型 誠実、まじめそう、神経が細やかでやさしい、几帳面
 O型 小さいことにくよくよしない、おおらか、単純
 B型 マイペース、わかりやすい、楽天的
 AB型 2面性、ミステリアス
出典:産経新聞 なんでもランキング (2000.2)
■テレビ番組
・A型
 神経質、几帳面(松島尚美)
 神経質、完璧主義(安達祐実)
 周りの目が気になる(金子貴俊)
・B型
 マイペース、自分勝手、切り替えが早い(柴田理恵)
 自分勝手、負けず嫌い(キングコング梶原雄太)
 自分を曲げない(中山秀征)
・AB型
 自分でもワケがわからない時がある(山口もえ)
 何事もウラで計算する(黒沢年雄)
 冷静に回りを見る(金村義明)
・O型
 おおざっぱ、こだわらない、聞き上手(伊集院光)
 物事に動じない、お調子者(キングコング西野亮廣)
 誰にでも合わせられる(優香)
アンケート調査(N=1000)
 A型 神経質48% 几帳面22%
 B型 自己チュウ55% 気分屋25%
 AB型 二面性45% ワケがわからない20%
 O型 大ざっぱ44% まとめ上手25%
出典:関西TV 発掘・あるある大事典II (2004.4.4)

以上のことから、これらのイメージを質問項目にすると、「思い込み」の定義から言って必ず差が出ることになります。
幸いなことに、B型でだいたい同じものを発見することができました。

【思い込みの調査】
■山岡さん
マイペース型で、周囲の影響を受けにくい(5点法)
 1999年4月 A型 3.068 < B型 3.408
 1999-2009 A型 3.051 < B型 3.454 (p<0.001)
サンプル 大学生6660人 1999年4月~2009年4月に実施
出典:山岡重行(2003) ダメな大人にならないための心理学 など
■白佐さん
束縛を嫌うマイペース型である (4点法)
 A型 1.975 < B型 2.174 (p<0.01)
サンプル 女子短大生1850人 1995年4月と1996年4月に実施
出典:白佐俊憲(1999) 血液型性格判断の妥当性の検討(2)

「思い込み」どおりの差が出ていて一安心です。(笑)
もっとも、差は山岡さんの方が(かなり?)大きくなっていますが、その原因(質問項目?サンプル?4点法と5点法?)は私にはわかりません。

以上のことから、「思い込み」があるなら、必ずそのとおりの差が出ることが、定義と現実の両方から検証できたと言っていいでしょう。
結局、従来の否定派の定説である「統計的に差がない」は、元々心理学的に間違っており、2005年以降に事実によって全面的に否定されたことになります。

もっとも、性格検査では差が出ていないのではないか?という反論があるかもしません。が、この反論自体がおかしいんです。例えばB型なら「マイペース」で差が出ないとおかしいのに、ある性格検査で差が出ないとなると、その検査では「マイペース」の差を検出できないことになります(たまにある話です)。
では、「マイペース」は性格ではないのか?
普通はそうは考えませんよね?
となると、おかしいのは性格検査の方だということになります。[るんるん]
しつこいようですが、
 自己報告型の質問紙調査の結果は,通常「その人の性格そのもの」を表わすと受け取られている(「その人の性格」ではなく,あくまで「その人の性格の認知」を表わすというふうにもってまわった考え方は普通しない)。
 こうしたことから考えれば,山崎[坂元]らの研究で得られたA型者とB型者の間の有意差は,少なくとも日本においては「血液型と性格は多少なりとも関係がある」という証拠として受けとってしまってもよいことになってしまうのではないだろうか。(白佐俊憲・井口拓自さん[どちらも心理学者]『血液型性格研究入門』p 200)
だからです。

ところで、心理学者のサトウタツヤさんは、以前は「強い関係」どころか「弱い関係」さえ全面的に否定していました。

「モード性格」論―心理学のかしこい使い方

「モード性格」論―心理学のかしこい使い方

  • 作者: サトウ タツヤ
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本

こうした研究[統計による性格検査と血液型との関係]からは血液型と性格の明確な関係は全く見いだされませんでした。(pp 119) 2. [能見正比古さんの著書による血液型の特徴による自己]評定と性格との間に血液型性格判断で言うような関係は見られませんでした(pp 120) 3. その他の[統計データによる]研究からも、血液型と性格との関係が確認できるような証拠は全く得られていません。(pp 120)
[http://abofan.blog.so-net.ne.jp/2011-09-25]
きくちさんも、同じような状態です。
きくち May 6, 2007 @11:05:11
「多くの日本人が"関係あり"と思いこんでいるにもかかわらず、心理学の調査では関連が見いだせないほど、弱い相関しか存在しない」ということです。「弱い相関」もないのかもしれません。
エントリー:血液型と性格http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1158225244
2003年10月16日付けの「NATROMさんからメール」[現在リンク切れ]へ反論では、
> 「統計データがあればメカニズムは無視してもいい」と考えます。
> …私が問題にしているのは、メカニズムの不在ではなく、統計データが不十分であることです。
これでは議論にならないので確認したいのですが、未だに回答をいただいていません。(*_*)
ところで、上の3人が考えを改めたとか、自説の誤りを認めたとかという話は、私はまだ聞いていませんが、どうなんでしょうか?
確かに「統計的に差がない」が「強い関係はない」に変わったようですが、初めから強い関係なんか誰も主張してませんが…。
また、「統計的に差がある」ことを認めたという話も聞きません。

次回は、やっぱり統計の差は「思い込み」ではなかったという証明です。
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コメント 9

いちゃもんつけ太郎

>「思い込み」(ステレオタイプ、自己成就 etc.)の定義からです。
>「本当の性格」は血液型によって変わらない。しかし、血液型本やマスコミ・ネットの情報などで自分の性格の認知が「思い込み」によって影響されて、アンケートに血液型の特徴を答えてしまう、という一連の流れが定義になります。

「思い込み」という用語の定義に「思い込み」という言葉を使わないでください。
by いちゃもんつけ太郎 (2013-08-03 12:31) 

ABOFAN

ご指摘ありがとうございます。他の部分(あるある大辞典は1997年)も含めて少し手直しをしました。
また、他の部分には同意いただけたたようで、大変ありがとうございます。m(._.)m

by ABOFAN (2013-08-03 13:17) 

いちゃもんつけ太郎

>また、他の部分には同意いただけたたようで、大変ありがとうございます。m(._.)m

上述の部分以外には何も言及していません。
他人の意思を捏造するような行いはやめてください。
大変迷惑です。
by いちゃもんつけ太郎 (2013-08-03 13:49) 

ABOFAN

ご指摘いただいたところは、非常に細かい部分ですよね。
おそらく、いちゃもんつけ太郎さんは、間違いを見つけようと、目を皿のようにして読んだはずです。
が、他の間違い(?)は見つけらなかった、ということですよね?
ご承知のこととは思いますが、「他の部分には同意いただけた…」はこれを確認するための引っかけですので…。
by ABOFAN (2013-08-03 16:37) 

いちゃもんつけ太郎

くどいです。
私ははじめに申し上げた部分以外には何も言及していません。
by いちゃもんつけ太郎 (2013-08-03 16:44) 

ABOFAN

ん~、あまり引っかけに素直に反応されると、なんと言っていいのか困ってしまいます。
誰が読んでも、他の部分に文句を付けたくとも付けられないという内容なんですが…。
by ABOFAN (2013-08-03 20:23) 

いちゃもんつけ太郎

くどいです。
私ははじめに申し上げた部分以外には何も言及していません。
by いちゃもんつけ太郎 (2013-08-03 22:07) 

ABOFAN

あまりからかうのも気が引けますね…。
by ABOFAN (2013-08-03 22:46) 

AABA

ABOFANのコミュニケーション能力の無さ──意図的にそう見せようとしているのかも知れませんが──が如実に表れている事例ですね。
by AABA (2013-08-05 10:22) 

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