SSブログ

縄文人は初期から活発に交流していた [ゲノム解析で古代史]

縄文時代のミトコンドリア・ハプログループの大規模な研究です。

結論として、「少なくとも母系については他集団との活発な交流があった」とのことです。

これの解釈ですが、近親婚だと遺伝子が残らない可能性が高くなるので(淘汰圧)、その意味では妥当な結論だと思います。

Fuzuki Mizuno, Yasuhiro Taniguchi, Osamu Kondo, Michiko Hayashi, Kunihiko Kurosaki & Shintaroh Ueda (2023) Diversity in matrilineages among the Jomon individuals of Japan, Annals of Human Biology, 50:1, 324-331, DOI: 10.1080/03014460.2023.2224060

iahb_a_2224060_f0004_b.jpg

結論部分の仮訳です。

1. ハプログループM7aは日本列島全域に広く分布している。

2. ハプログループN9bは九州以南を除く日本列島全域に広く分布する。

3. ハプログループG1bとD4hは北海道にのみ分布する。

4. 地域差は認められるが、時代差は認められない(現時点)。

ハプログループM7aとN9bは、西日本を除く日本列島全域で同じ場所に共存している。

我々の知る限り、縄文時代前期に属する同一遺跡の複数の個体の全長ミトゲノム配列を決定した研究は本研究が初めてである。その結果、同じハプログループを持つ個体間であっても、全長レベルでの塩基配列は非常に多様であることが観察された。さらに、集団内の遺伝的多様性は縄文時代初期においても決して低くはなく、少なくとも母系については他集団との活発な遺伝的相互作用が示唆された。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント