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ミトコンドリア・ハプログループD4a1は本当に渡来系なのか? [ゲノム解析で古代史]

前回の記事では、通説では渡来系とされているD4a1↓は、意外と現代日本人に多いと書きました。
D4a1.PNG

常識的に考えると、このハプログループが朝鮮半島由来だとすると、日本人よりは割合が高いはずです。

そこで、現代日本人と現代韓国人の割合を調べることにします。

とは言っても、ハプログループD4a1に限定するのは難しいので、D4の割合を調べてみました。

日本人についてですが、このサイトによれば、篠田謙一氏『日本人になった祖先たち』に、D4は32.61%とあるのだそうです。

haproD4.PNG

日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)

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  • 作者: 篠田 謙一
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2007/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

韓国人については、とりあえず英語版Wikipediaなどで調べてみたところ、2つのデータが見つかりました。

1. The Peopling of Korea Revealed by Analyses of Mitochondrial DNA and Y-Chromosomal Markers
Han-Jun Jin et al.
PLoS One. 2009; 4(1): e4210.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0004210
The highest (23.8%) frequency in the Korean mtDNA pool was observed for haplogroup D4, which is widespread in northern East Asia and especially in the Korean-Chinese (21.6%), and Manchurians (20.0%). In total, haplogroup D lineages including the subhaplogroups (D4, D4a, D4b, D5, and D5a) accounted for 32.4% of the Korean mtDNA pool.
→23.8% (185人を調査)

2. Phylogeographic Analysis of Mitochondrial DNA in Northern Asian Populations
Miroslava Derenko et al.
American Journal of Human Genetics 2007
https://doi.org/10.1086/522933

haproD4k.PNG
→32.0% (103人を調査)

なんと、どちらも日本人の32.61%より割合が低いのです!
※1より2の方がサンプルが少ないので、2の32.0%という数字は高めに出ているかもしれません…。

1によると、半島から北に行くほど割合が低下するので、日本→朝鮮半島→中国大陸というルートの方がありそうです。

また、D4a1の発生は1万年ぐらい前と推測されていますが、当時は事実上無人だった朝鮮半島で発生するとは考えにくいです。

これらのことから、渡来系とされているD4a1は、もともとは縄文人の住んでいた日本で発生した可能性が高いと思われます。

だんだん馬鹿馬鹿しくなってきますね。
なんだかなぁ~。

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