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牧田寛氏の論考と現実との大きなギャップ《日韓レーダー照射問題》【追記あり】 [北海道大停電]

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私のブログのアクセス数が、1月12日には1万PVを大きく超えて、So-netでまさかの1位になりました。

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最初は理由が全くわからなかったのですが、牧田寛氏が書いたハーバービジネスオンラインの「日韓レーダー照射問題」の記事があまりにも…なので、どんな人物なのかと思って見に来た人がほとんどだったようです。[たらーっ(汗)]

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こんなバカバカしい話はすぐに沈静化するはずだし、事実誤認を指摘するのも面倒なので無視していたのですが、私の希望的観測は見事に外れました。[バッド(下向き矢印)]

牧田寛氏は、この日韓レーダー照射問題の件で、現在までに6回の記事を執筆していますが、掲載されるたびに私のブログのPVが大幅に増加します。

どうやら、この調子ではまだまだ続きそうなので、私自身の備忘録としてまとめを書いておきます。
ただし、政治的な話ではなく、北海道大停電と同じスタンスで、「牧田寛氏の論考と現実との大きなギャップ」を指摘するだけです。

さて、1月25日までの牧田氏の記事の一覧は次のとおりです。

2019.01.08 日韓「レーダー照射問題」、何が起きていたのか、改めて検証する
2019.01.12 日韓「レーダー照射問題」、際立った日本側報道の異常さ。そのおかしさを斬る
2019.01.15 レーダー照射問題、「千載一遇の好機」を逃したかもしれない「強い意向」
2019.01.18 日韓「レーダー照射問題」、膠着状態を生み、問題解決を阻む誤情報やフェイクニュース
2019.01.21 レーダー照射問題、韓国国防部ブリーフィング全文訳からわかる、日本に跋扈するデマの「曲解の手法」
2019.01.25 レーダー照射問題、外交問題化した日本側が一方的に投げ出し。「威嚇飛行」も再発生!?

私が一番問題だと思うのは、牧田氏が「書いている」内容ではなく「書いていない」内容です。

次に3つほど代表的な例を取り上げます。

【問題1】韓国側は「レーダー照射」をしたと言っていたのか

★牧田氏の論考

広開土大王は、射撃追跡電探であるSTIR180による電波照射はしていない。

2019.01.08 日韓「レーダー照射問題」、何が起きていたのか、改めて検証する

【韓国側の主張】
遭難した北朝鮮籍漁船(1t未満の木造船)を広開土大王(韓国海軍)と参峰号(韓国海洋警察)が救難活動(SAR)中であった。
広開土大王は、射撃管制電探MW-08(3次元電探)も用いて捜索活動をしていた。
広開土大王は、射撃追跡電探であるSTIR180による電波照射はしていない。
P-1は高度150m、距離500mという至近距離を飛行しており、広開土大王側は、脅威を感じた。
かかる行為は極めて危険であり、抗議する。
日本側が根拠とするICAO条約は、民間航空機が対象であり、軍用機は対象とされない。
広開土大王は、日本側からの通信を国際VHS(FM変調)で受信していたが、受信状態が悪く“KOREAN COAST”(韓国海洋警察)と聞き取り、自艦への呼びかけとは考えなかった。
しかし、私がわざわざ指摘するまでもなく、去年の12月22日には、韓国側は堂々と自衛隊の哨戒機P1に「レーダー照射をした」と認めています。

★聯合ニュース 2018.12.22 10:01

北朝鮮漁船救助の際に日本哨戒機へ火器管制レーダー照射=韓国軍
【ソウル聯合ニュース】韓国海軍の艦艇が20日、東海上で漂流していた北朝鮮漁船を救助する際に火器管制レーダーを作動し、このレーダーが日本自衛隊の海上哨戒機[P1]に照射されたことが22日、分かった。
 韓国軍の消息筋は「漂流中だった北の漁船が近くの船舶に救助信号を送り、わが軍が海軍駆逐艦(広開土大王・3200トン)を派遣し、救助作業を行った」と述べた。また、「出動した駆逐艦は遭難した北の船舶を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された」と説明した。
 韓国軍は日本当局の抗議を受け、北朝鮮の漁船を救助する際に火器管制レーダーを作動させたと解明したようだ。岩屋毅防衛相は21日に記者会見を開き、「極めて危険な行為だ」として韓国側に抗議し、再発防止を求めたと明らかにした。

★鈴置 高史 早読み 深読み 朝鮮半島 2018.12.27

「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件
韓国政府は事件を否認しています。
鈴置:初めは堂々と認めたうえ「大した話ではない」と言っていました。それが日本政府に追い詰められると説明を変え「レーダーを照射したことはない」と言い出したのです。

2018.12.30 Togetter 【セルフまとめ】韓国軍は、当初から一貫して「レーダーは使ってない」と言っていたのか?

togetter.JPG【問題2】韓国側は日本側からの通信を聞き取れたのか

★牧田氏の論考

受信状態が悪く“KOREAN COAST”(韓国海洋警察)と聞き取り、自艦への呼びかけとは考えなかった。

2019.01.08 日韓「レーダー照射問題」、何が起きていたのか、改めて検証する

【韓国側の主張】
遭難した北朝鮮籍漁船(1t未満の木造船)を広開土大王(韓国海軍)と参峰号(韓国海洋警察)が救難活動(SAR)中であった。
広開土大王は、射撃管制電探MW-08(3次元電探)も用いて捜索活動をしていた。
広開土大王は、射撃追跡電探であるSTIR180による電波照射はしていない。
P-1は高度150m、距離500mという至近距離を飛行しており、広開土大王側は、脅威を感じた。
かかる行為は極めて危険であり、抗議する。
日本側が根拠とするICAO条約は、民間航空機が対象であり、軍用機は対象とされない。
広開土大王は、日本側からの通信を国際VHS※(FM変調)で受信していたが、受信状態が悪く“KOREAN COAST”(韓国海洋警察)と聞き取り、自艦への呼びかけとは考えなかった。

※上の文章中、VHSはVHFの誤りですが、他にもう1箇所あることから単純ミスとは考えにくいです。

これまた、私がわざわざ指摘するまでもなく、きちんと聞き取れていたことは確実です。

★BLOGOS 2018.12.26

tenten99 <火器管制レーダー照射>二転三転し過ぎて逆のことを言い始めた韓国軍部 もうアメリカを入れるべき

中央日報(2018/12/24)
海軍関係者は「日本哨戒機は国際商船共通網を使って韓国海洋警察に問い合わせをした。通信状態も非常に良くなかった」と話した。
https://japanese.joins.com/article/411/248411.html
 ↓
中央日報(2018/12/25)
「通信強度があまりにも微弱で雑音が激しく『コリアコースト』という言葉だけを認知した」
https://japanese.joins.com/article/459/248459.html

★防衛省 2019.1.21

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
2. その他の韓国側の主張について
(2) 通信状況について
 一般に、艦船の乗員が危険を感じた場合には無線で呼びかけを行いますが、韓国駆逐艦は、海自P-1哨戒機の飛行を問題視する一方で、同機に対して危険を伝える呼びかけなどを全く行っていません。
 また、海自P-1哨戒機は、火器管制レーダーの照射を受けた後に、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の3つの周波数を用いて呼びかけを行いましたが、同艦からは一切応答がありませんでした。
 この問題について、韓国側は、現場の通信環境が悪く、同機からの呼びかけをほとんど聞き取れず、「KOREA COAST」と聞こえたために反応しなかったと説明しています。また、3つの周波数のうち1つについてはそれを聞けるような状態に通信装備をセットしていなかったとも説明しています。
 しかし、当日の現場海域は、晴天で雲も少なく、通信環境は極めて良好でした。また、海自P-1哨戒機は、韓国駆逐艦に呼びかけた同じ通信機器(この通信機器は飛行前、飛行中及び飛行後に正常に作動していたことを確認済み)を用いて、埼玉県の陸上局と通信を行っていたほか、現場から約240km離れた位置を飛行していた航空自衛隊の練習機が、この韓国駆逐艦に対する同機の呼びかけを聞き取っていたことも確認しています。
 このように良好な通信環境であったにもかかわらず、通信が明瞭に受信できなかったとは通常では考えられないことであり、実際に韓国側が公表した動画では、韓国駆逐艦内において海自P-1哨戒機の乗組員の呼びかけ内容(「KOREAN SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971, THIS IS JAPAN NAVY.」)を明確に聞き取ることができます。この点について、本年1月14日の実務者協議で韓国側は、海自P-1哨戒機からの呼びかけを繰り返し確認した結果、後になって通信当直の聞き間違いであることを確認したと初めて説明しました。これまで、韓国側は記者会見等の場で、「KOREA COAST」と聞こえたために反応しなかったとのみ説明しており、このような事実を明らかにしていませんでした。

【問題3】米ネオコン系外交専門誌は苦言を呈したのか

★牧田氏の論考

2019.01.25 レーダー照射問題、外交問題化した日本側が一方的に投げ出し。「威嚇飛行」も再発生!?

The National Interest 2019.01.15
Japan and South Korea Must Focus on North Korea (Not Each Other) There was no good reason for the recent high seas incident between Seoul and Tokyo. by Sukjoon Yoon
<要約>
日本側の強硬な態度は、日本側の政治的なものである。(政権発足来の)低支持率に苦しむ安倍晋三氏の政権にとり、この事態は、安倍晋三氏の基盤的支持母体に主戦論(排外主義的愛国心)を抱かせることにたいへんに有益な口実である。
<中略>
明らかに安倍首相は、韓国に反撃する機会を模索しており、本件事態(P-1インシデント)を政治的に利用している。
<要約終わり>
共和党系の多分にネオコン系と考えられる外交問題誌にて安全保障問題においてこのような恥ずかしい指摘がなされたのはなかなか例がないことと思われます。

★なぜか牧田氏の文章に書かれていない事実

英語が理解できる方なら、大して長くもない文章なのに、なぜ「中略」にしたのかよくおわかりかと思います。これについては後述します。
実は、一番肝心なことは、この「指摘」をしたSukjoon Yoon氏は誰かということです。それは、「The National Interest」誌のこの記事を最後まで読めばわかります。それによると、このように紹介されています。

Sukjoon Yoon is a senior fellow of the Korea Institute for Military Affairs, and Navy Captain, Republic of Korea, retired.
Sukjoon Yoon氏は、韓国軍事研究所の上級研究員で、韓国の元海軍大尉大佐です。

つまり、中立の第三者ではなく、韓国の当事者が執筆した記事ということになります。

次に、なぜか紹介されなかった「中略」の部分を訳出してみます。

South Korea’s Supreme Court has also recently ruled that Koreans drafted into forced labor during World War II are eligible for compensation. In addition, the ROK has also renounced arrangements made by the previous administration to draw a line under the issue of Korean sex slaves, also used by Japan during World War II.
韓国の最高裁判所はまた、最近、第二次世界大戦中に強制労働に従事させられた韓国人が補償の対象であると判決を下した。 さらに、韓国はまた、これまで第二次世界大戦中に日本によって使用された韓国の性奴隷の問題に一線を引くために、前政権によってなされた取り決めを破棄した。

なるほど。それなら、“従軍慰安婦”や“徴用工”の記述の内容も納得です。

もはや、これ以上の説明は不要でしょう。[たらーっ(汗)]

なお、私が探した限りでは、BBCやCNNには日韓レーダー照射問題の記事は見つけられませんでした。もっとも、もう少しきちんと検索すれば見つかるかもしれませんが、少なくとも英語圏ではほとんど興味を持たれない事件であることは確かなようです。

【おまけ】
最近、こんなツイートが拡散しています。

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私には真偽はわかりませんが、池田信夫氏がリツイートしているぐらいなので、意外と信頼性は高いのではないでしょうか…。

【2019.1.30追記】
続きはこちらです。
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