永守重信さん 人を動かす人になれ!
「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
- 作者: 永守 重信
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 1998/11/01
- メディア: 単行本
残念なことに、永守重信さんの血液型は不明ですが、血液型に興味を持っていることは確実です。
この本の項目42「短所にこだわるな!」(p106)には、各血液型の特徴としてこうあります。
最近わたしは血液型に関心を持っている。もちろん、血液型だけで判断しているわけではないが、一般的な傾向としてO型は自殺をしない、つまり、あまりクヨクヨと悩んだり落ち込んだりせず、比較的簡単に気分転換が図れるタイプ。これと正反対な性格がA型で、繊細な神経を持ち、やることも几帳面でソツがない。B型は親分肌で少なからず頑固な面があるといわれる。
ではどう応用するかというと、
これを応用すると、適材適所に社員を配置することができる。たとえば、新規のユーザー開拓の先陣を切るのはO型タイプ、そしてクロージングが近づいてくるとA型タイプにバトンタッチして、最後の詰めを任せる。逆に、世界で初めてというような商品開発にA型タイプのの責任者を選ぶとプレッシャーにつぶされてしまう恐れがある。そこで責任者はO型かB型タイプ、補佐役としてA型タイプをつけるといった具合だ。
なお、スポーツ界では血液型を活用していると言われているのは、
・FIFAワールドカップ2018 西野朗監督(A型)
・女子シンクロナイズドスイミング 井村雅代コーチ
・プロ野球 野村克也、田淵幸一監督
などが有名です。
特に、西野、井村両氏の実績には、文句を付けようがないでしょう。
ただし、永守重信さんも言っているように、「血液型だけで判断しているわけではない」ということも重要なポイントです。
かつての三菱電機のように、AB型だけの開発チームとかでは、話題作りにはなっても実績が伴うかどうかは疑問です。それは、一昔前に流行った「女性だけの」なんとかチームでも同じこと。
ニトリの創業者である似鳥昭雄さん(O型)は、こう書いています。
血液型の本にリーダーにはO型が多いと書いてありました。自分もO型だったのでこれはいけるかもと思い、中途採用の7〜8割をO型にしてみて、部下にA型をつけたら上手くいくのではと考え人選しましたが、これはまったくダメでした。科学的じゃないなと思いました。
やはり、「血液型だけ」に頼ってはいけないということですね。
残念ながら、現実はそんなに甘くないようです。
2018-10-17 08:50
コメント(1)
血液型で人選しといて期待外れだったから非科学的だと謂われても、どんな性質を持っているか素性も分からない未教育の新人に結果を期待したところで、せいぜい、同じ血液型で固めたとき特有の現象「争いが増える」という、科学的な結果が出たのではないかと推察しますが。これは後天的な技能と違い、何の努力をしなくてもその気質を発揮しますから、特にO型同士なら他型よりは激しかったのかも。AB型同士なら陰湿に罵り合ったりとか。(笑)
その点、永守重信は、既に雇用済みの従業員のやる気を引き出すため、心理を読んで血液型ごとに対応を変えるなど手応えを感じているようですね。経営不振に陥った会社を再建する名人のようですが、その際にも人員整理はせずに雇用を守るなど、現代には珍しく教育に力を入れて人を物扱いしていないようです。
O型は親しくなると教え好きとの定評ですが、唯物主義的価値観が蔓延する現代では、企業買収、人材派遣、営業代行などの外注、人を育成するよりも金で解決する方が合理的として、人を物のように取り替え切り棄てていると思います。似鳥昭雄がどうかは知りませんが。
人間を物扱いするような唯物主義者は、人の心理を読むことが苦手、もしくは興味も無いのではないかと思います。駄目なら取り替えればいいと。そのような物欲追求主義の社会では、人の繋がりよりも物質的豊かさを求め、人間関係が希薄になってしまうでしょう。物質科学文明というユダヤ的価値観が少子化をもたらしています。
煩わしい人間関係や義理、育児や家事など、家族の犠牲になって個人の権利を侵害されたくない、義務や責任という抑圧から解放されて自由(リベラル)になりたい、物欲的享楽を追求していたいとする、腐った価値観のことです。唯物主義は対立、競争、争いの元凶で社会を蝕む病理ですが、心が貧しくなった代償でもあり、それが、似鳥昭雄がアメリカで感動したという物質的豊かさです。ユダヤ的価値観の物質科学文明を、先進的、進歩的、革新的、革命的だと、多くのインテリが錯誤するのも無理はないでしょう。
by 欺善者 (2018-10-30 19:05)