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五本木クリニック院長ブログでの事実誤認《続》 [サイト紹介]

前回の続きです。

本当はスゴイ! 血液型

本当はスゴイ! 血液型

  • 作者: 武田 知弘
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2018/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

2018年6月2日付で、五本木クリニック院長ブログに、武田知弘さんの著書「本当はスゴイ!血液型 統計から新事実が見えてきた」についての反論が掲載されましたが

ハズレました、サッカー日本代表にB型がいない説→今年はB型の選手がW杯代表に入っています!!

そして、7月1日付で2番目の反論が掲載されました。

本当はスゴイ! 血液型、読みました!!やっぱりヘンです!!

が、しかし、なぜか前回の誤りが訂正されていません。

B型がいない不思議説、見事破れました!!B型の選手が3人しっかりと入っています

とありますが、これは前回も書きましたが「誤読」です。
繰り返しになりますが、「本当はスゴイ!血液型」の77ページにはこうあります。

サッカー日本代表の歴代出場数の上位20位までを見ていきましょう。
(中略)
特筆すべきはB型です。
なんと、上位20人の中にさえB型は1人も入っていないのです。
B型は、日本の人口の2割近くを占めています。
日本人を無作為に20人抽出した場合、その中にB型が全く入っていない可能性は、0.07%なのです。

※0.07%は0.7%の誤りなのではないかと思われます。

つまり、今回のメンバーに「B型の選手が3人」ということではないので、直接は関係がないわけです。

ということですから、「血液型と職業に関しての議論、結論的には関係なし」というのも、統計を否定することになり、おかしいのです。

ただ、これで「B型はサッカーに不向き」と断定してしまうのも間違いです。
世界的にトップレベルのサッカー選手ではB型が少ないのですが、Jリーグの選手では他の血液型に比べて少ないということはないからです。
B型が少ないのは、あくまで特別な条件の下での「傾向」ですから、物事が血液型で100%決まるわけではありません。

また、「そこから導かれた結論がプロ野球選手強打者にA型はいない」ですが、名球会メンバーは53人と人数が少ないから差が出なかっただけです。

もう少し人数が多いケース、たとえぱ三冠と言われる、ホームラン王、打率王、打点王の延人数だと、2017年末でO型が147人、B型が104人、A型が79人、AB型が11人ですから、この確率を計算すると1兆分の1以下と文句なく差があります。

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ですから、

これで血液型で強打者が云々ということは言い切ることはできません。

という結論はどうでしょうか?


次に、「血液型性格学」は信頼できるかという大村政男さんの論文を引用していますが、これも誤りです。というのは、私は大村さんと会ったことがあり、彼は血液型と性格の関連性を確信していたからです。
その証拠の一例として、前回にも紹介しましたが、「総理大臣にはO型が多い」という論文を発表しています。

「血液型性格学」は信頼できるか(第30報)I
―衆議院議員に血液型の特徴が見られるか―

に、「総理大臣に選出される衆議院議員の血液型はTable4に示してあるように、O型が多数である」とあります。

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実は、私は生前の大村先生にお会いしたことがあります。そのときは、血液型と性格は関係がある(少なくとも否定はできない)と力説していましたので間違いありません。

ですから、

記録の切り口がたくさんある野球のようなスポーツだと、何らか切り刻んでいけばどこかしら有意にはなる

というのは、明らかに統計の誤用ということになります。
もしそうだというなら、「記録の切り口がたくさんある医学のような学問だと、何らか切り刻んでいけばどこかしら有意にはなる」ということになるはずです。
ということは、地道な統計的分析で公衆衛生を改善する方法を探ろうとする、公衆医学のような学問は全否定されることになります!

また、「教員養成課程における科学リテラシー構築に向けた疑似科学の実証的批判的研究」では血液型と性格の関連性は“疑似科学”であると本文中に書いてあるということですが、これも疑問です。

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この科研費成果報告書の要約には、

今回の研究により、少なくとも差が有意に現れるほどには血液型性格判断を信じ、自分の性格をそれに合わせ ている人々がいることが明らかとなった。

とあるので、研究の対象となったアンケート調査では、血液型による性格の差が現れていることは確実です。
しかし、なぜかこの研究報告書には、調査年と調査人数が書かれていません。
そこで、長島さんに直接問い合わせてみたところ、「社会的な影響が大きいから非公開」ということでした。
常識的にもおかしな話で、もしこの研究が「血液型による性格を判断することは疑似科学である!!」ということを正々堂々と主張するなら、調査年と調査人数を書かないのは全く不可解です。

その後、科研費を申請したことがある知り合いの大学の先生から、

今回の研究により,少なくとも差が有意に表れるほどには血液型性格判断を信じ,自分の性格をそれに合わせている人々がいることが明らかとなった。

これは疑似科学が確実に社会に悪影響を与えていることの証明であり,今後,この結果を社会に還元し,啓発を行っていくことが重要であると考えられる。

とでも書かないと、「科研費は取れない」という話を伺いました。[たらーっ(汗)]

つまり、この報告書の「疑似科学が確実に社会に悪影響を与えている」はポジショントークということなります。

ガッカリですね。

ところで、不思議なことに、「本当はスゴイ!血液型」については、肯定・否定の両方からほぼ無視されているようです。
なぜなんでしょうかね?

少なくとも、統計的な関係はほぼ実証されたはずなのですが…。


コメント(1) 

コメント 1

欺善者

科研費を使った調査結果に対し、「血液型性格判断を信じ、自分の性格をそれに合わせている人々がいる」などという子供じみた詭弁には恐れ入りました。こんな馬鹿げた解釈を真に受けて科学的根拠であるかの如く、「と書かれている」と盲目的に引用している院長の見識を疑います。

要するに言いたいことは、血液型で職業的適性を論じるのは「差別であり倫理的に問題である」という平等論への摩り替えに過ぎません。確かに一部に誤用や、安易に論じた物が出回ってきたのは事実ですが、例え、能見氏の論じたものを読んでも誤読、いや、絶対に認めないでしょうね。

心理学界にとって、異なる教義を説く血液型人間学は異端であり、弾圧しなければならないのです。多くの学問はユダヤ人学者が構築したものの上に成り立っており、それは学問的権威として常識になってしまっています。その中に、悪意を持って混乱に陥れるものが仕掛けられているとは想像も付かないでしょう。
彼らは擬似宗教的なイデオロギーに突き動かされており、血液型人間学に対する様はまるで異端審問の如きです。

共産主義的視点から見ると、「人間関係を良くするため」の血液型人間学などは冗談ではなく、人間社会を争いと破壊の混沌に陥れるのが目的なのに、人間関係が丸く収まるようなものは存在してもらったら困るのです。
血液型人間学を貶めるために一番効果的なのは、「占いまがいの非科学的な迷信」というレッテルを貼り、信頼に値しないものとして世の中の常識にしてしまえばいいのですが、それは成功していると言えるのではないでしょうか。

by 欺善者 (2018-07-16 02:56) 

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