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「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の科学性評定《ビリギャル》 [Gijika.com]

前回の続きです。

最近の投稿&回答を読むと、「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の管理者さんは、ほとんど統計がわかっていないようなので、彼女(彼?)の統計学の知識をチェックするため、そして回答の催促を兼ねて、少々“挑発的”な投稿をしてみました。

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

  • 作者: 坪田信貴
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2013/12/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

そう言えば、5月1日から映画「ビリギャル」が公開されています。彼女が合格した慶応大学総合政策学部の入試科目には数学がありません。今回の話とは全然関係ないのですが、なぜかこの映画を連想してしまいした。
念のため、「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」は慶応大学ではなく明治大学です。すみません…。[たらーっ(汗)]

以下がその投稿です。

■4/29 11:28 投稿No.194[4/29 23:01掲載]

管理者さんは、おそらく本気で書いているということでしょうか…。

>――他のABOFAN様の文脈から鑑みると、つまり、山下氏や他に挙げ”ていただいた”方の論文で「有意差はなかった」という結果が出たのは彼女らの実験手法に誤りがある、とおっしゃりたいのですか?でしたらなぜ、上記の方々の論文を紹介くださったのでしょうか?ABOFAN様からの情報提供ですよね?
――山下玲子氏の論文で差が出ない理由は、過去に再三書いたとおりです。
1) 通常のデータでは、χ2検定やF検定を使った場合、「血液型による有意な差」を検出するためには「最低でも数百人」程度のサンプルが必要です。山下玲子氏のサンプルは「261人」ですので、そもそも差が出る可能性は非常に低いです。
2) 「血液型による有意な差」を検出するためには、上の1)の条件に加えて、大きな差が出る「有名な特性」についての質問である必要があります。山下玲子氏は「有名な特性」についての質問はしていないので、差が出なくとも特に不思議ではありません。
この1)2)については、統計学を理解している人なら、わざわざ私などに質問するような面倒なことは不要です。自分で「能見正比古氏」などのデータを使って計算すればわかることです。が、管理者さんは統計学の基本が理解できない―少なくとも表面上は理解できない態度を取っている―ので、残念ながらここに書くだけ無駄でしょうか…。
3) 上の1)2)の条件を満たしている、坂元氏、山岡氏、白佐氏のデータでは、全て「統計的に有意な差」が見い出されています。逆に1)の条件しか満たしていない縄田氏のデータでは差はありません。

【管理者さんからの回答】

ABOFAN様

>1) 通常のデータでは、χ2検定やF検定を使った場合、「血液型による有意な差」を検出するためには「最低でも数百人」程度のサンプルが必要です。山下玲子氏のサンプルは「261人」ですので、そもそも差が出る可能性は非常に低いです。
――この「最低でも数百人」程度のサンプルが必要、というのは何が根拠となっている理論なのでしょうか?おそらく「統計学」とおっしゃりたいのでしょうが、統計学では”何を測定したいのか”によって有効である(誤差の少ない)標本サンプル数も異なる、と考えるのが一般的ですよね。「血液型性格診断」には「”最低でも”数百人必要」というのは、何が根拠となっているものなのでしょうか?また、山下氏の「261人」は厳密に言えば”数百人”という基準を満たしているように思えるのですが……。


■4/29 23:24 投稿No.196[5/3 8:30現在未掲載]

管理者さんへ
>――この「最低でも数百人」程度のサンプルが必要、というのは何が根拠となっている理論なのでしょうか?
――さすがに、この回答には少々ムッとしました。過去に何回も説明しているのですが、ご要望ですのでしつこく再掲します。かなり失礼な言い方になりますが「読解能力」以前の問題ではないですか?
まず、山下氏のデータがタイプ2エラーであることについてです。前回紹介した山岡氏の6660人のデータのうち、彼の著書「ダメな大人にならないための心理学」p49-52には、1999年に調査したデータを統計的に検定した結果が紹介されています。サンプル数は1300人で、全質問28項目中7項目で有意な差があります(最大のF値は7.816なのでp<0.0001で有意)。では、血液型による差が同じだと仮定し、サンプル数を山下氏と同じ261人(約1/5)に減らして再計算してみます。F値はサンプル数に比例するので、最大のF値は7.816÷5=1.569[正確には7.816×261÷1300]となり全28項目のいずれも有意差は検出されません。あるいは、p<0.05で有意とするなら、400人程度以上のサンプルが必要となります。よろしいですか?

――なお、この私の説明に対しては、管理者さんから、次の“回答”をいただいていますので、参考までにお示ししておきます。
>専門用語、業界用語を並べたてられるのも結構ですが、まずは論文、あるいは文献を”精確”に”読む”ということを心がけてみてはいかがでしょうか。


■5/3 8:04 投稿No.200[5/3 8:30現在未掲載]

丸3日が経過しましたが、その後いかがでしょうか?
さて、前回はケーススタディのみのだったので、今回は統計用フリーソフトであるEZRを使って計算してみました。参考文献は平井明代氏の「統計:検定力分析」です。
平均値差・標準偏差などの仮定は、山岡重行氏のデータ(ダメな大人にならないための心理学 pp49-52)を参考として、次のとおりとしました。

平均値の差=0.3/標準偏差=1/α=0.05(タイプ1エラー=危険率)/β=0.8(タイプ2エラーにならない確率=検出力)/両側検定

話を簡単にするため、便宜的に4つの血液型の比率は同じものとし、「ある血液型」と「他の血液型」の2群の平均の差で計算することにします。この条件でEZRを使って計算してみた結果、必要なサンプルサイズは117+351=468人と「数百人」ということになりました。
参考までに、以下はEZRの計算結果の抜粋です。
[> SampleMean(0.3, 1, 0.05, 0.80, 2, 3 ) ]

仮定:2群間の平均値の差 0.3/標準偏差 1/αエラー 0.05/両側検定/検出力 0.8/N2とN1のサンプルサイズの比 3→必要サンプルサイズ:N1 117/N2 351

逆に、サンプルサイズを261人とした場合は、検出力は0.554となりますから、ほぼ半分は差が検出できないタイプ2エラーということになります。
[> PowerMean(.1, 1, 0.05, 65, 2, 3.01538461538462 ) ]

2群間の平均値の差 0.3/標準偏差 1/αエラー 0.05/両側検定/サンプルサイズ N1 65/N2 196/検出力 0.554

現実には、平均値の差=0.3はほとんど「最大」のケースなので、「普通」にあるような平均値の差=0.1で計算してみると、検出力は0.104となり、ほぼ10回に1回しか差が検出できないという結果になりました。これで納得していただけましたでしょうか?

閑話休題。以前はRでコマンドを直接を入力していたので面倒だったのですが、EZRでは随分と簡単になったものです(笑)。
仮定のミスや計算違いなどがあればご指摘ください。


【その他の投稿】
最近、管理者さんの回答が遅れ気味なので、催促する意味でこんな投稿をしてみました。かえって逆効果かな?


■4/29 23:04 投稿No.195[5/3 8:30現在未掲載]

管理者さんから、“荒れている”というコメントをいただいたので、事実のみ指摘させていただきます。

このサイトは非常に誤記や説明不足の点が多いのが特徴です。一例を挙げれば、
>語句説明 A、B、Oとは遺伝子を意味しており、メンデルの遺伝法則にしたがって個人を標識する抗体である。そのため、AAまたはAOの組合せでA型に、BBまたはBOの組合せでB型に、OOの組合せでO型に、ABの組合せでAB型になる。
――1)「抗体」は「抗原」の誤りです。2)一般にA、B、O型は「表現型」と「遺伝子型」の両方に使われますが、上の文章には「表現型」の解説がありません。なお、O型はA、B型に対して劣勢であり、単純なメンデルの法則に従うのではなく、複対立遺伝子を構成しています。

また、次の2つの文章は矛盾しています。
>語句説明 血液型性格診断言説では、上記の血液型の4区分を元に、客観的に判別可能なまでにヒトの性格や相性まで見分けることができると主張している。
>データの再現性 血液型性格診断におけるデータの再現性で特筆すべきことは、この主張が「どの程度の診断が行えるか」を明言してないことである。
――「語句説明」と「データの再現性」の2つの項目で、「血液型性格診断」に対する説明がこれほど違う(全く正反対)の記述をするというのでは、少なくとも科学的とは言えないでしょう。
キリがないのでこの程度にしますが、このような「誤記」などについては、私が何回指摘してもほとんど“回答拒否”であり、現在までサイトの内容に特に何の修正もされていないようです。詳細については、過去の投稿と回答をご覧になればわかります。

余談ですが、
>今信じられている「血液型性格診断」はウソですが
――この文章では「ウソ」の根拠がはっきりしません(「科学的」ではない)ので、どうか根拠となる文章の例示をお願いします。

失礼しました。

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