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「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の科学性評定《続》 [Gijika.com]

前回の続きです。

このサイトは、掲載も早いし管理者からの回答もあるし、意外とフットワークが軽いと感心していたら、なんといつの間にか管理者の回答が削除されているではないですか。[むかっ(怒り)]
おそらく、教師に「指導」されたんでしょう。

これだけトピックが多ければ、すべての投稿に対応するのは相当大変なはずです。
深夜も早朝も学生は頑張っているのに、ねぇ。

目を皿のようにして探した結果、確かに投稿の確認画面には「掲載された投稿・回答は、予告・事後報告なしに変更・削除されることがあります。」と注意書きが表示されることがわかりました。
念のため、サイト内の注意書きを読んでみましたが、「※投稿された記事やコメントは運用管理者が承認した後、掲載されます。」は誰にでもわかるように表示されますが「掲載された投稿・回答は、予告・事後報告なしに変更・削除されることがあります。」という注意書きは、投稿の確認画面のみのようです。無断で変更・削除するなら、せめて基準を明確にして、もう少し目立つように表示するべきじゃないですかねぇ?

これでは、投稿はもちろん、サイト内の全文章がいつのまにか書き換えられている可能性も否定できません。『1984年』の真理省では、というのはもちろん冗談ですが、もう少しスマートなやり方があるのではないかと思えます。
サイトの開設者は「明治大学科学コミニュケーション研究所」とありますが、「科学」も「コミニュケーション」も冗談で付けた名前なのではないかと思えてきます。なんだかなぁ。

もっとも、中にはこんな面白い回答もありました。
何度もご投稿ありがとうございます。
ご指摘の通り、私の英語能力は大変未熟であります。申し訳ありません。
そこで、ABOFAN様が再三論拠として提示されている論文のConclusionにおける文脈の読解について、大変お手数ですが全文訳をコメント欄に掲載していただけないでしょうか?是非よろしくお願いいたします。
予想どおり、この回答は速攻で削除されてしまいました。[たらーっ(汗)]
まぁ、私が指導担当でもそうするでしょう。
学生の気持ち(昔の私…)もわかりますが、これでは「明治大学科学コミニュケーション研究所」のメンツが立ちません。
しかし、この私のブログでは、そんなことは関係ないので、上の回答に対して投稿した内容をそのまま紹介しておきます。
さて、はたして私の投稿は原文のまま掲載されるのでしょうか?
あるいは不掲載になるのでしょうか?

【投稿内容】
私の解説でよければ拙サイトをご覧ください。http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/sakamoto.htm
同一執筆者によるほぼ同じ内容が日本語で読めますので紹介します。
1. 山崎賢治・坂元章 血液型ステレオタイプによる自己成就現象-全国調査の時系列分析II- 日本社会心理学会第33回大会発表論文集 pp342~345 1992
2. 山崎賢治・坂元章 血液型ステレオタイプによる自己成就現象-全国調査の時系列分析- 日本社会心理学会第32回大会発表論文集 pp288~291 1991
3. 現代のエスプリ No.394 血液型と性格 1994
次の書籍も参考になります。
4. 白佐俊憲・井口拓自 血液型性格研究入門 1993
また、abstractを試しに訳出(一部意訳)します。こちらの方が本文よりはるかにわかりやすいです。原文は省略します。
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最近の日本で広く普及している血液型ステレオタイプが、日本人の性格に影響し、自己成就予言として働いているかどうかを調べるために実験を行った。1978年から1988年まで、毎年無作為に選ばれた32,347人の被験者のデータを分析した。その結果、自己評定の性格でA型とB型には有意な差が見られたが、それは1984年より後のことであった。1984年には血液型に関連する話題が非常に多かったのである。このことは、血液型ステレオタイプは現実に個人の性格に影響していることを示している-少なくとも自己評定の性格では-血液型は自己成就予言として働いているが、影響の大きさには検討の余地がある。
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もっとも、上の内容にはいくつか問題点があります。①1984年の話題の多さが出版点数のみで販売部数は考慮されない②自己成就予言の直接的な存在証明がない、です。①は明らかに妥当ではなく?は金澤正由樹氏の『統計でわかる血液型人間学入門』で直接的に否定されています(多く知られている特性でも差が小さい場合が多く、逆に知られていないのに差がある特性もある)。②の要約は拙サイトにあります。http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/bias.htm

【abstractの原文】
A natural experiment was conducted to examine if blood-typical personality stereotypes, which have been widely popular in Japan in recent years, influenced the personalities of Japanese people and also operated as a self-fulfilling prophecy. Data from 32,347 subjects, randomly selected annually from 1978 to 1988, was analyzed. The results showed significant correlations between the blood type and self-reported personality were found only after 1984, in terms of personality aspects of blood types A and B. In 1984, topics related to blood types and personalities were extremely popular in Japan. This indicates that blood-typical personality stereotypes actually influenced the personalities – self-reported personalities, at least – of individuals, and that they also operated as a self-fulfilling prophecy, although the greatness of that influence could be discussed.

私の訳が怪しいのはご愛敬です。[わーい(嬉しい顔)]
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コメント 2

ssfs

ニセ科学日報にここが出ました。私もヤフー掲示板でも指弾しました。ただこれまでの大学人の不真面目さから見て、不勉強な彼らがこれから態勢を立て直せるとは到底思えません。
by ssfs (2015-02-11 22:52) 

ABOFAN

たぶん、運営体制がコンテンツの多さに追いついていないのだと思います。例えば、学生の回答を事後に削除するとか…。
学生には最初に下書きを書かせてチェックするとか、やり方はいろいろあると思うんですが。
by ABOFAN (2015-02-12 22:44) 

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