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今日から使える統計解析 [既刊情報]

TAKESANさんがオススメの統計解析の本[本]を買ってきました。
http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/
で、結論から言うと、やはり私の予想を裏付けるものでした。

今日から使える統計解析 (今日から使えるシリーズ)

今日から使える統計解析 (今日から使えるシリーズ)

  • 作者: 大村 平
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/08/10
  • メディア: 単行本



この本も、入門書としては、実によくできたすばらしい本だと思います。
ただ、問題はそこではありません。
この本に書いてありますので、ちょっと引用しておきましょう。
これら3つ[t検定、χ2検定、F検定]は、いずれも統計の現場で実際に活躍するものですが、どんな場合にどれを使えばいいのか、慣れていないとややこしいことも少なくありません。

はい、これがポイントです。
どの検定をどの場合に使えばいいのか、判断できなければ話になりません。
しかし、Judgementさんや、TAKESANさんの文章を読んでいても、そんな意識があるとは思えません。
「自由」に分析するというのは、そういう意味もあると書いたつもりなのですが…。
ちなみに、前回のエントリーで紹介した、

統計解析のはなし―データに語らせるテクニック (Best selected Business Books)

統計解析のはなし―データに語らせるテクニック (Best selected Business Books)

  • 作者: 大村 平
  • 出版社/メーカー: 日科技連出版社
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本


も読んでみました。
この本も、『今日から使える統計解析』と同様、なかなかすばらしい本です。
これで4冊読んだ、というか一通り目を通したわけですが、やっと否定論者のバックグラウンドが理解できるようになりました。
kikulogでの私の判断(相手が私の主張は理解しているのに、何らかの意図があって質問している)は間違っていました。確かに、これらに本を読んだだけでは、私の主張はわかりません。

私の主張(というか心理学者のロジックに基づいた分析結果)を、極力統計を使わないで、わかりやすく説明する必要を強く感じています。

余談ですが、私の「自由な分析」の例を挙げておきます。
例えば、血液型と性格に「関係がある」という判断の方法です。
普通は、有意差があった→関係あるということになります。
危険率5%なら、タイプ1エラー(本当は関係がないのに、関係があると判断する間違い)は当然5%あるわけです。
ということは、何十項目もの結果を検定すれば、1つや2つはタイプ1エラーで、偶然に有意差が出ることはあるわけですね。
だから、否定論者の多くは、有意差が出た項目は、すべてタイプ1エラーだと主張します。
しかし、これは間違いです。
血液型別の性格特性と照合すればいいのです。
その結果、どのぐらいが一致した(当たった)かどうかチェックすれば、結果は一目瞭然です。
全く単純な話なのですが、何回説明してもわかりません。
(わかりたくないのかもしれませんが…)
調べてみると、確かに、こういう分析方法は、私が読んだ4冊には載っていないのです。
というよりは、あまりにも当然の方法なので、わざわざ教科書に書く必要があるとは思えません。
「血液型と性格」以外なら、たぶん誰でも日常的にやっているはずのことなのですが。

もう1つの例を挙げておきましょう。
自己暗示についてです。
有名な性格特性に「A型は神経質」「B型はマイペース」「O型はおおらか」「AB型は二重人格」…、というのがあります。
(もっとも、私はこれらの性格特性が必ずしも正しいとは思っていませんが)
否定論者は、血液型が当たったように感じるのは、自己暗示のせいだと主張します。
ところで、普通の性格検査では、「自己暗示」の効果をゼロにすることはできません。
つまり、「A型は神経質」「B型はマイペース」「O型はおおらか」「AB型は二重人格」…と思い込んでいる人の性格検査の結果は、その通りの結果になるということです。
実際、データを調べてみると、まさしくそのとおりです(当然ですね)。
しかし、彼らは、なぜかこの結果も認めようとしません。

以上の例は、別に難しいことではなく、ごくごく単純なことです。
あまりにも単純であるがゆえに、統計の教科書に載っているはずがありません。
そして、単純なため、あえて誰も指摘しませんでした。
しかし、本当はこれが「自由な分析」なはずです。

否定論者に少しでもわかってもらうことを望んでいます。



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