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心理学のイメージは「非科学的」「文系的」「親近感」!?

今回はちょっと堅い話題です。

心理学と聞いてイメージするのは、「楽しい」「人の心がわかるようになる」といったところかなと思います。実は、この手の研究は山のようにあるので、わかりやすくて面白そうなものをビックアップして紹介します。

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心理学のイメージとして、「非科学的」「文系的」「親近感」因子が抽出された。役立つこととして、「カウンセリング」「対人関係スキル」「他者理解」因子が抽出された。自由記述では、対人関係スキルにおける心理学への過度な期待が示唆された。

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時田みどり 金野達也 野村健太 奈良雅之 保健医療学部・看護学部1年生における心理学リテラシーの特性
目白大学健康科学研究 第11号 2018年

心理学のイメージに関しては、「地道で理系的で難しそうなイメージ」がある一方で、「明るくて楽しい」、「脳研究や夢、占いとのかかわりがある」というイメージがあることがわかった。また、学年があがるにつれ、「理系的で難しそうなイメージ」が高くなることがわかった。

岩 智史・大橋 恵・皆川 順 心理学に対するイメージ(1)―心理専攻学部生と非心理専攻学部生を対象とした横断的研究― [pdf]
東京未来大学研究紀要 2012年 第5号


以下は、これらの研究報告の抜粋です。

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時田みどり 金野達也 野村健太 奈良雅之
保健医療学部・看護学部1年生における心理学リテラシーの特性

目白大学健康科学研究 第11号 2018年

《目的》保健医療学部・看護学部を対象として、正規の心理学教育を受ける以前の心理学リテラシーの特性を検討し、心理学教育を効果的に行うための留意点を考察した。
《方法》初年度生を対象として、「心理学についての理解」「心理学のイメージ」「心理学を学ぶとできること」に関する質問項目と、「心理学の学習経験」及び「心理学が貢献できると思われること」についての自由記述で構成される質問紙調査を行った。
《結果》心理学のイメージとして、「非科学的」「文系的」「親近感」因子が抽出された。役立つこととして、「カウンセリング」「対人関係スキル」「他者理解」因子が抽出された。自由記述では、対人関係スキルにおける心理学への過度な期待が示唆された。
《考察》心理学について、実像とは大きく乖離した概念が形成されていることが示唆された。また、それらに基づいた心理学への期待が示された。既存の誤概念を考慮に入れた心理学教育プログラム構築の必要性が示唆された。

Ⅱ.方 法
1.調査時期及び分析対象者
 調査対象者は、1年時の共通選択科目である「人間関係論」受講希望の保健医療学部学生197名、看護学部学生106名の計303名であった。なお、2016年の入学者は、保健医療学部202名、看護学部114名であり、調査対象者の入学者数に占める割合は、保健医療学部98%、看護学部92%であった。このことから、本学の医療系学部のほぼ全体像を反映しているものと考えた。
 調査時期は、2016年4月8日~2016年4月14日の授業紹介時に行った。時期的に、大学での心理学関連科目の履修開始以前のイメージや心理学についての期待感、理解度を把握することができるものと考えた。

Ⅳ.考 察
1.初年度生における心理学リテラシーの特性
「心理学についての理解」では、先行研究で指摘されている傾向と同様に、心理学について偏った理解がなされていることが示された。
(中略)
「心理学のイメージ」については、「非科学性」「文系的」「親近感」の3つの要素が抽出され、多くの学生が、占いや血液型判断と心理学を隣接したものであると考えていることが示唆された。同時に、「文系的」であるいう因子が抽出されていることから、多くの先行研究で示されている傾向と同様に12)16)17)18)、心理学の実像に反して、「科学としての心理学」という観点が欠如していることが示された。また、「Q5 理系的な要素が強い」で、顕著に低い得点が示された。これは、日本では、一般的に心理学科が文系科目として扱われており、高等学校の進路指導時に文系進学者が志望することから推察されよう。ただし、心理学専攻の学生を対象とした岩崎らの研究18)と一部異なる結果となった。即ち、岩崎らでは、心理学専攻の学生において、「地味で理系的な要素が強く難しいイメージ」が。印象の1つとして示されていたが、医療系学部生を対象とした本研究では、「非科学的で文系的」なイメージが示されていた。岩崎らとの相違を説明する理由の1つには、心理学専攻の学生は、進路選択過程において心理学を構成する他の領域(統計学、神経科学等)の存在をある程度認知しているのに対し、医療系進学者は、自分たちの専門は、文理の中間くらいあると認識していることから20)、相対的に「心理学は文系である」というイメージが形成されている可能性が考えられる。「心理学は、楽しく親しみやすい」というイメージは、先行研究で指摘されている傾向と同様であった。マスメディアやインターネット上での心理学に関する情報に、ゲーム的、娯楽的な要素が多く含まれることに起因すると考えられよう。「心理学は難しい」というイメージは、先行研究18)と一致するものであった。

12)工藤与志文,鈴木健太郎,小林好和:大学生の心理学における「素朴概念」─本学人文学部生を対象にして─.札幌学院大学人文学紀要,76,1─16(2004)
13)仁平義明,高橋美保:高校生になぜ心理学教育をするのか─大学と高校の心理学教育の目標のちがい─.白鳳大学教育学部論集,5(1),93─114(2011)
16)高島直子,中村延江:美容専門学校生の心理学観(II)1998年(五十嵐他,1999)との比較,山野研究紀要,
10,59─66(2002)17)松井三枝.はじめて学ぶ「心理学」に対するイメージの変化 ─「心の科学」受講前後の調査から─富山医科薬科大学一般教育,23,63─68(2000)
18)濃野信・岩﨑智史,大橋 恵,皆川 順:心理学に対するイメージ( 1 )心理専攻学部生と非心理専攻学部生を対象とした横断的研究,東京未来大学こども心理学部紀要,5,1─9(2012)
20)小園真知子.言語聴覚教育の現状と今後の課題.保健科学研究誌,9,1─6(2012)

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岩 智史・大橋 恵・皆川 順
心理学に対するイメージ(1)―心理専攻学部生と非心理専攻学部生を対象とした横断的研究―
[pdf]
東京未来大学研究紀要 2012年 第5号
https://www.tokyomirai.ac.jp/info/research/bulletin/pdf/05/iwasaki.pdf

考 察
 心理学のイメージに関しては、「地道で理系的で難しそうなイメージ」がある一方で、「明るくて楽しい」、「脳研究や夢、占いとのかかわりがある」というイメージがあることがわかった。また、学年があがるにつれ、「理系的で難しそうなイメージ」が高くなることがわかった。このことから、心理学が研究方法として、科学的なアプローチを行うイメージを持つ一方で、研究対象に対しては漠然としていることが考えられる。また、心理学に対して肯定的な印象を持っているが、このこと本学が心理学部であることから、調査対象学生がもともと心理学に興味、関心を持って入学していることが考えられる。また、「科学的理系的」因子の特典が、学年が上がるにつれ高くなるが、学年が上がるにつれて心理学の基礎科目から専門科目へ深化することと、統計学な実験法といった研究に関する科目履修が増えるためと考えられる。

《参考》
この論文の執筆者が所属する、東京未来大学こども心理学部の入試情報を調べてみました。

2019年4月入学生向け こども心理学部 心理専攻 一般入試
下記の教科の中から1科目を選択して受験していただきます。
【両学部共通】英語/国語/数学I・数学A
学科試験出題範囲
【英語】「コミュニケーション英語Ⅰ」に加えて「コミュニケーション英語Ⅱ」および「英語表現Ⅰ」を出題範囲とする。(ただし、リスニングは含まない)
【国語】「国語総合」の内容を出題範囲とし、近代以降の文章、古典(古文)を出題する。
【数学I・数学A】「数学I」と「数学A」を総合した出題範囲とする。

ポイントは、数学は必須ではないことです。つまり、『学年があがるにつれ、「理系的で難しそうなイメージ」が高くなる』のは、第一論文で次のように書いてあるように、文系志望の学生が入学してくるということなのでしょう。

多くの先行研究で示されている傾向と同様に12)16)17)18)、心理学の実像に反して、「科学としての心理学」という観点が欠如していることが示された。また、「Q5 理系的な要素が強い」で、顕著に低い得点が示された。これは、日本では、一般的に心理学科が文系科目として扱われており、高等学校の進路指導時に文系進学者が志望することから推察されよう。

時田みどり 金野達也 野村健太 奈良雅之
保健医療学部・看護学部1年生における心理学リテラシーの特性 より


コメント(1) 

コメント 1

欺善者

心理学界の無内容な駄文や牧田寛の戯言などは本当に詰まらないですね。「心の専門家」たちに関する左翼メディア「東洋経済」の提灯記事が上がっているので、まだそちらの方が多少はマシかと。

日本の「精神医療」は患者をダメにしているのか
精神医療には社会のひずみが凝縮している
https://toyokeizai.net/articles/-/263698

朝日新聞や毎日新聞の報道を例に挙げていますが、左翼というのは人権侵害や差別ネタを常に欲していて、こんなものは社会の病理を食い物にしているだけです。「悪を追及する正義の味方」を演出できるようなネタを欲しているだけで、絶対にそれを無くそうとはしません。

宝島社が、「嘘つきは、戦争の始まり」とかいう広告を、朝日新聞や日刊ヒュンダイ(現代)に出したのを思い出しましたが、実はあの広告こそが嘘なのに、無邪気な一般人はコロっと騙されてしまいました。よりによって、「珊瑚記事捏造事件」を起こした朝日新聞が広告を載せるとは図々しい。「嘘つきは、朝日新聞の始まり」としてやるのが相応しいのですが、広告掲載を拒否されるでしょうね(笑)


東洋経済では全く役不足で以下が参考になりますが、ちょっと心の専門家たちの精神は異常ですね。
精神科医の香山リカ(通名)はB型らしいですが、どっちが精神を病んでいるのか分かりません。
https://youtu.be/vVcyhxJXyBE

山口二郎の科研費(数億)、行先が判明!香山リカや反日学者(アイヌ人権屋、沖縄反基地活動家、慰安婦問題活動家・・)に分配されていた
http://www.moeruasia.net/archives/49603873.html

精神病院不祥事件
http://www.arsvi.com/d/m-s.htm

精神病院の事件録
http://p.booklog.jp/book/99557/read

精神保健指定医の資格不正取得問題
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%8C%87%E5%AE%9A%E5%8C%BB#不正取得事件

精神外科 大脳を切り取る外科手術「ロボトミー」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E5%A4%96%E7%A7%91

精神科は今日も、やりたい放題
https://www.amazon.co.jp/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E3%81%AF%E4%BB%8A%E6%97%A5%E3%82%82%E3%80%81%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E6%94%BE%E9%A1%8C-%E5%86%85%E6%B5%B7-%E8%81%A1/dp/4883205541/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1431745640&sr=1-1&keywords=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E3%81%AF%E4%BB%8A%E6%97%A5%E3%82%82+%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E6%94%BE%E9%A1%8C

世界の精神分析家・心理学者の例
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E8%80%85
見事にユダヤ人学者ばかりで、「心の専門家」というのはユダヤ的価値観の信奉者たちです。日本国憲法・法曹界、民主主義・リベラリズム、自由競争経済などと併せて、世の中が「誤れるユダヤ的思考の所産」で構築されているのが分かるかと思います。しつこいようですが(笑)
精神医学者・心理学者(一部を除く)や、牧田寛などの左翼が狂っている理由は以上ですが、血液型人間学を似非科学だと貶める心の専門家たちの「専門性」はこんなものです。

by 欺善者 (2019-02-11 10:25) 

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