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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【ブラジル】 [新型コロナ]

ブラジルの新型コロナがやっと減少傾向になってきました。

しかし、時事通信の記事(4月27日付)によると、まだ相当困っているようで、

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ブラジル経済のかじ取りを一手に握るゲジス経済相は27日の閣僚会合で、録画されていることに気付かず、中国が新型コロナウイルスを「発明した」と主張した上で、中国製ワクチンは米国製よりも劣っているとこぼした。

だそうです。

ところが、このニュースは英語で探してもほとんどありません。少なくとも、"Brazil China invent corona" で検索しただけでは、メジャーな英語メディアには見つかりませんでした。

私が発見したのは、「Brazilian Report」というサイトだけです。

これまた不思議なことに、日本でも全国紙や在京キー局、あるいはNHKなどのメジャーなメディアでは取り上げられてはいない模様です…。

おそらく、これはブラジル政府の「本音」で、中国が頻繁にチェックしている日本の(マイナーな・失礼)メディアだけにリークしたのではないかと思います。

なぜなら、時事の記事に先立つ4月12日に、BBCが同じような内容を報じているからです。

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BBC 中国製ワクチンは「効果小さい」 中国当局者が発言、すぐ修正

上のBBCのニュースにあるように、ブラジルのワクチンは中国シノバック製が主力ですが、なぜか接種後の2021年1月からも感染は収まらず、逆に拡大しているように見えます。

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出所:Google

この記事には、

外国での臨床試験では、中国製ワクチンの効果は50%程度しかないとする結果も出ている。

とありますが、これに対応するかのように、ブラジル当局のプレプリント=査読前論文(4月7日付)には、「効果は50%程度しかない」と書いてあります。

Effectiveness of CoronaVac in the setting of high SARS-CoV-2 P.1 variant transmission in Brazil: A test-negative case-control study.
Posted April 07, 2021. [Version 1]

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出所:J Satoさんのツイート

興味深いことに、最初にある時事通信の記事(4月27日付)の配信直後に、この論文の最新版バージョン2(5月1日付)が公開されました。内容は非常に辛辣で、初版バージョン1(4月7日付)が大幅に書き換えられています。

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v1→少なくとも1回のワクチン接種は、初回接種後14日以後に新型コロナに感染する確率が0.5倍にする。
v2追加→初回接種後0~13日の期間では、ワクチン接種者の方が未接種者よりも感染する確率が2.11倍高くなる。

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①1回目の接種から13日までに2.11倍感染しやすくなるは確定(p-value<0.001で有意)ですが、
②その後の有効性は不明(p-value>0.05なので有意ではない)です。
よく見ると、②も3つ合計すると「有意」なので、絶対に有効性なんか認めない!ってことです。

偶然にしてはタイミングが合いすぎです[exclamation]

ということですから、最初に紹介した時事通信の記事は、ブラジル当局が中国シノバック製ワクチンの効果に疑問を抱き、その一連の対応策としてのプレス発表と考えるべきではないでしょうか。

---☆---☆---☆---

気になる人のために、この論文の内容を簡単に紹介しておきましょう。
なお、「コロナバック」は、ブラジルで使われた中国シノバック製ワクチンの名前です。

【対象者】
Among 53,176 HCWs [Health Care Workers], 46,884 (88%) received at least one dose of CoronaVac and 2,656 (5%) underwent RT-PCR testing from 19 January, 2021 to 25 March, 2021.
53,176人のHCW[医療従事者]のうち、46,884人(88%)がコロナバックを少なくとも1回投与され、2,656人(5%)がRT-PCR検査を受けまた(2021年1月19日から2021年3月25日まで)。

【背景】
Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) variant P.1 emerged in the city of Manaus in late 2020 during a large resurgence of coronavirus disease (COVID-19), and has spread throughout Brazil. The effectiveness of vaccines in settings with widespread P.1 transmission has not been reported.
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)亜種P.1は、コロナウイルス感染症(COVID-19)が大規模に再流行した2020年後半にマナウス市で出現し、ブラジル全土に広がっている。P.1の感染が広がっている環境でのワクチンの有効性は報告されていない。

【結果】
○初版バージョン1(4月7日付)
Vaccination with at least one dose was associated with a 0.50-fold reduction (adjusted vaccine effectiveness, 49.6%; 95% CI, 11.3 - 71.4) in the odds of symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the first dose. Estimated vaccine effectiveness of at least one dose against any SARS-CoV-2 infection was 35.1% (95% CI, −6.6 - 60.5) in the same time period.
少なくとも 1 回のワクチン接種は,1 回目の接種後 14 日以上経過した時点で症候性 SARS-CoV-2 に感染するオッズを 0.50 倍減少させることに関連していた(調整後ワクチン効果,49.6%;95% CI,11.3 - 71.4)。任意のSARS-CoV-2感染に対する少なくとも1回の投与による推定ワクチン効果は,同期間で35.1%(95%CI,-6.6~60.5)であった。
○最新版バージョン2(5月1日付)
In the early analysis, vaccination with at least one dose was associated with a 0.50-fold reduction (adjusted vaccine effectiveness, 49.6%, 95% CI 11.3 to 71.4) in the odds of symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the first dose. However, we estimated low effectiveness (adjusted VE 36.8%, 95% CI −54.9 to 74.2) of the two-dose schedule against symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the second dose. A finding that vaccinated individuals were much more likely to be infected than unvaccinated individuals in the period 0-13 days after first vaccination (aOR 2.11, 95% CI 1.36-3.27) suggests that among this population of healthcare workers, those at higher risk might take up vaccine earlier, leading to underestimation of its effectiveness.
初期の解析では,少なくとも 1 回のワクチン接種は、1 回目の接種後 14 日以上経過した時点での症候性 SARS-CoV-2 感染のオッズを 0.50 倍減少させることに関連していた(調整後のワクチン効果,49.6%,95% CI 11.3~71.4)。しかし,2回目の接種を受けてから14日以上経過した期間の症候性SARS-CoV-2感染に対する2回接種スケジュールの有効性は低いと推定された(調整VE 36.8%,95%CI -54.9~74.2)>初回接種後0~13日の期間では,ワクチン接種者の方が未接種者よりも感染する可能性が高いという結果(aOR 2.11,95%CI 1.36~3.27)は,医療従事者の中でもリスクの高い人が早くワクチンを接種することで,効果が過小評価されていることを示唆している。

【解釈】
○初版バージョン1(4月7日付)
Interpretation Administration of at least one dose of CoronaVac showed effectiveness against symptomatic SARS-CoV-2 infection in the setting of epidemic P.1 transmission, underscoring the need to increase vaccination efforts in response to the spread of this variant in Brazil and globally.
コロナバックを少なくとも1回投与することで、P.1感染が流行している状況下での症候性SARS-CoV-2感染に対して有効性が示され、ブラジルおよび世界的なSARS-CoV-2の流行に対応してワクチン接種を増やす必要性が強調された。
○最新版バージョン2(5月1日付)
Evidence from this test-negative study of the effectiveness of CoronaVac was mixed, and likely affected by bias in this setting. Administration of at least one vaccine dose showed effectiveness against symptomatic SARS-CoV-2 infection in the setting of epidemic P.1 transmission. However, the low estimated effectiveness of the two-dose schedule underscores the need to maintain non-pharmaceutical interventions while vaccination campaigns with CoronaVac are being implemented.
コロナバックの有効性に関するこのネガティブ試験研究のエビデンスは様々であり、この環境におけるバイアスの影響を受けていると思われる。P.1感染が流行している状況下で、少なくとも1回のワクチン投与が症状のあるSARS-CoV-2感染に対して有効であることが示された。しかし、2回接種の有効性が低く見積もられていることから、コロナバックを用いた予防接種キャンペーンを実施している間は、医薬品以外の介入を維持する必要があることが明らかになった。

最後に、参考までに最近のニューヨークタイムズの記事を紹介しておきます。


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新型コロナ なぜインドで感染爆発が起きたのか【追記あり】 [新型コロナ]


日本のニュースでも派手に取り上げられているとおり、インドで新型コロナの感染爆発が起きています。

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その有力な犯人と目されているのは、インドで広まっている変異株B.1.617です。

ワクチンが新型コロナウイルスとして認識する特徴は「スパイクタンパク質」で、インド株B.1.617はこのうち2つのアミノ酸が変異し、日本で流行っているイギリス株N501Yは1つだけ。

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出所:東京新聞

常識的には、スパイクタンパク質が変異が多いほどウイルスは効かなくなるはずですよね。インドの感染爆発が他の国よりずっと激しいのはそのせいかなのもしれません。

しかし、もう一度最初のインドのグラフを見てみると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていないようです。

つまり、データを素直に解釈すると、ワクチン接種の影響でB.1.617の感染爆発が起きたことになります。

そこで、本当かどうか確認するために、インドの州別に接種者・感染者・人口の散布図(2021年4月28日現在)を作ってみました。

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データの出所:インド保健家族福祉省COVID19 INDIA

結論として、インドとお隣のパキスタン・バグラデシュでは、ワクチン接種者の増加→感染者の増加という傾向が見られます。感染者数は、人口とはあまり関係ないようです。

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この傾向は、対数目盛のグラフだとよりはっきりします(感染者は人口の1.0018乗=ほぼ比例)。逆に、人口で比較すると、感染者は人口の0.84乗でしか増えていないので、人口が多い州ほどワクチン接種が進まず、結果的に感染率が低くなっているという可能性が考えられます。

日本では、イギリス株N501Yがそうなりますが、変異が1つだけなので、感染増はインドよりはマイルドだと仮定すると、実データをうまく説明できます。

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出所:NHKニュース

これは、細菌ではウイルスが効かない「耐性菌」と言われていて、割とよくあるパターンです。

以上のデータは、

・インドで国産ワクチンCovaxinの接種が本格化→インド株B.1.617が急増
・日本でファイザー製ワクチンの接種が本格化→イギリス株N501Yが急増

といった、ワクチン接種による猛烈な淘汰圧→新型コロナウイルスの変異を促進→既存のワクチンが効かない変異種が急増→感染爆発、というような現象が起きた可能性を示しています。

繰り返しになりますが、最初のインドのデータを見ると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていません。

つまり、ワクチン接種をしなければ感染が拡大しなかった、という可能性は否定できないのです。

インドと同じように、日本でもイギリス株N501Yが急増し、同時に感染が増加しています。このことは、インドで起きていることと同じことが日本でも起きている証拠なのかもしれません…。

【参考】
現在、ワクチン接種で感染者が増えるとすると、これらの実データと一番整合性があるのは「抗体依存性感染増強(ADE)」説です。ワクチン接種者はPCR検査はしないので、猛烈にウイルスをまき散らす「スーパースプレッダー」になってもわかりません。なお、自然免疫(BCGなどで強化される)の抗体は数ヶ月前で消えるのでADEとは無縁です。

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出所:日経バイオテク

【2021.4.29 13:00追記】
感染症の専門家からわかりやすいツイートがあったので拝借します。


【2021.4.29 13:30追記】
新型コロナのようにウイルスの変異が早い場合は、ワクチンの淘汰圧がかかるというよりは、その影響で特定の変異株が短期間で指数関数的に急増するということなのでしょう。そう考えた方が実データとの整合性があるようです。
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新型コロナ ワクチン接種開始で陽性者が倍増!? リターンズ 【動画で説明】 [新型コロナ]

前回の続きです。

今回は、動画でワクチンの効果を説明します。少しはわかりやすくなったでしょうか…。

【結論】
①ワクチン接種で感染が減ったのはイギリスとイスラエルだけ!
②それ以外の国は全部増加!
③動画だと感染が減ったように見えるロシアとメキシコの「死者」は日本の10倍近くで横ばい

イギリスで採用したのはアストラゼネカ(略称:AZ)ですが、他のワクチンは、費用対効果に見合うとは思えません…。

以下はインドとタイのグラフです。
以下は、J Satoさんからの情報です。


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新型コロナ ワクチン接種開始で陽性者が倍増!? リターンズ 【モンゴル】 [新型コロナ]

モンゴルは、2月下旬から中国シノファーム製ワクチンの接種を開始しました。

モンゴル政府の発表によると、2月22日に、英国オックスフォード大と英国アストラゼネカが開発し、インド血清研究所が製造した新型コロナウイルスワクチン15万本、および中国医薬集団(シノファーム)が製造する同ワクチン30万本がモンゴルに到着した。

ロックダウン徹底のため、接種を一時中止した後に2回目を再開した結果は次のとおりです。

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出所:新型コロナ データサイト
出所:Google ワクチン接種

ワクチンの接種を開始した1週間後に、実効再生産数が急上昇→感染爆発という、BCG接種国によくあるパターンです。

さらに、2回目の開始直後には大爆発が起こりました。どうやら、1回目より2回目の方が、抗体ができる関係で反応が強いようです。

以下は参考情報です。



なお、韓国はアストラゼネカが主力なので、感染者(陽性者)はほとんど増えていません。

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新型コロナ ワクチン接種開始で陽性者が倍増!? リターンズ 【追記・訂正あり】 [新型コロナ]

前回から1か月経過したので、最新情報を紹介します[わーい(嬉しい顔)]

ワクチン接種で陽性者が「増える」ことには、まだまだ相当の抵抗があるようですね…[たらーっ(汗)]

そこで、てっとり早く理解してもらうために、ワクチン接種回数と陽性者の増減(実効再生産数※)のグラフを見比べてみましょう。
※1より大きいと増加、少ないと減少

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出所:日本経済新聞

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出所:東洋経済

見たとおり、1週間から10日程度のタイムラグで、ほぼ同じ傾向を示していることがわかります。これは、感染→発症→報告までに1週間から10日程度かかるからです。

次は、2月末から感染爆発が起きた宮城県の例です。2月17日から約2万人のワクチン接種が行われ、3月初めには終了したのですが、グラフを見ればわかるように、接種開始日の2月17日から1週間から10日程度経過後に感染が爆発したことがわかります。

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出所:東洋経済

参考までに、この接種の対象ととなった東北大学この後の医療従事者第2弾の対象となった東北大学(3月8日接種開始)では、少ないながら陽性者が発生しました。

次は、3月下旬から感染爆発が起きた大阪府の例です《追記:4月21日は1242人のダントツ1位で、2位の東京都は843人》。大阪府では、3月8日から本格的に医療従事者のワクチン接種が始まり、しばらくして感染が爆発しました。

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出所:東洋経済

4月8日に公開された野党合同チームの調査結果によると、大阪府のワクチン接種回数は16万回強ということで、ダントツで日本一となっています。

そしてまた、首相官邸のサイトにある医療従事者等のワクチン接種数(4月16日現在)と、ワクチンの先行接種がスタートした2月17日から4月18日までの陽性者の散布図は次のとおりです。

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都道府県別陽性者数 NECソリューションイノベータ
都道府県別接種者数 首相官邸

この2つの数値の相関係数Rは、0.93(決定係数R2=0.86)と極めて高い値になっています。相関係数は-1~1の値を取り、1は完全に関係あるということなので、相関係数が0.93ということは、陽性者数はほぼワクチン接種回数で説明できることになります。

計算すると、東京や大阪のケースでは、接種者の20%にもなる驚くほど大量の陽性者が出現しています。

さて、世界に目を転じて、海外のデータも見てみましょう。

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出所:札幌医科大学

Y軸が人口100万人当たりの感染者数、X軸がワクチン接種率となります。全体として、ワクチン接種が進んでも、必ずしも感染者が減っていないことが読み取れます。

というか、明らかにワクチン接種の効果が見られるのは、イスラエルとイギリスだけです。かなり基準を甘くしても、ハンガリーが仲間に加わるぐらいで、相当例外的な存在であることがわかります。

一見すると、メキシコとロシアも減っているように見えますが、この程度の接種率で大幅に感染が減るはずはありません。たぶん、別の理由があるはずです。

BCG接種国に注目すると、前述のロシアは別として、バーレーン、チリ、インド、日本、韓国では、すべての国で、接種率が高くなる→感染者が増えることがわかります。

ファクターXのせいか、以前は欧米のBCG非接種国(アメリカ、イギリスなど)よりずっと感染者が少なかったものが、ワクチン接種開始後にはこれらを上回るほど激増しているのです。

このように、統計データから判断すると、BCG接種国ではワクチン接種は逆効果であることは明らかです。

ここで、日本(赤い矢印)に注目してみましょう。ワクチン接種が進むにつれて、極めて急激に感染者が増えていることがわかります。インドやチリも急増しているのですが、それを大幅に上回る勢いです。それは、前述のように、接種者の20%にもなる驚くほど大量の陽性者が出現しているからです。

ただ、意外に韓国の増加が鈍いのが目につきます。理由は、日本のワクチンはファイザー製なのに対して、韓国は「魔の2週間」の効果が少ないと言われているアストラゼネカ(略称:AZ)製だからでしょう。

実は、イギリスのワクチンの主流はアストラゼネカ製、アメリカの主流はファイザー製です。グラフを見ればわかりますが、明らかにイギリスの方が感染が減っているのです。

このように、現実のデータで判断する限り、日本のようなBCG接種国では、ワクチン接種で陽性者が「増える」のは一般的であることがわかります。

非常に残念な結果になってしまいました…[たらーっ(汗)]

【2021.4.21 8:10追記】

日本の部分を拡大したグラフです。
韓国は頭打ちですが、日本はファイザー製なので、インド以上に急激に上昇しています。ひょっとして、韓国が使っているアストラゼネカ製に切り替えないとまずいんじゃないでしょうか。ちなみに、チリで使っているシノバックも効果が見られないようです。

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【2021.4.21 20:30訂正部分】→本文は訂正済みです。


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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【表面化は1/1500?】 [新型コロナ]

前回の続きです。

※この記事を読む前に、前回の記事~新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【まとめ】~に目を通していただくと理解が早いです。 

ワクチン接種後に新型コロナに感染したというケースは「報告されていないからないはずだ」という反論をいただきました。しかし、公開データから計算すると、表面化しているのは1/1500(?)という驚きの結果になりました。私自身も半信半疑なので、ぜひ他の方の検証をお願いします!

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さて、次のツイートで、韓国でワクチン接種後「感染30人」というニュースが出ていることがわかりました。


韓国の新型コロナウイルス感染症予防接種対応推進団は、きのう(19日)の0時基準で 新型コロナ予防接種後に感染した事例は計30人だと、今日(20日)明らかにした。

職業別では 医療従事者が19人で最も多く、医療人10人、患者1人が接種後 感染した。
新型コロナウイルス感染症予防接種対応推進団は、ワクチン接種後 新型コロナに感染した事例について、予防接種前または予防接種後 防御免疫が形成される前に感染したものと推定している。

そこで、公開されたデータから韓国の感染率を試算してみます。

詳細は後述しますが、結果だけ書いておくと、韓国のワクチン接種後の感染率は韓国人平均の「ほぼ半分」です。WHOの情報だと、医療関係者の感染率は国民平均よりずっと高いとのこと。ところが、韓国の“実測値”では、ワクチン接種後の感染率は「半減」したことになるようです。

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出所 NHKニュース

ということで、ワクチン接種で陽性者が増えたという仮説は成立しません。やはり公開データだけでは検証が難しいのなかぁ…とちょっとがっかりしました。

とここまで書いて、私の頭が悪すぎることに気が付きました…[たらーっ(汗)]

なぜなら、陽性者はワクチン接種とは関係なく「毎日」出ているからです!

厚労省のサイトによると、日本の医療関係者でワクチン接種を受けたのは、3月19日現在で553,454人(2回目除く)です。

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現在の検査陽性者は毎日1,000~1,500人で、ワクチン接種開始日である2月17日からほぼ1月が経過しました。厚労省のサイト(オープンデータ)によると、2月17日から最新の3月19日までの陽性者は35,054人で、日本人の0.3%となっています。

少々乱暴ですが、これをワクチン接種者50万人に換算すると、陽性者は1,500人という結果が得られます。この数値の妥当性はさておき、さすがに1人もいないというのはあり得ないでしょう…。

前述のように、韓国で「ワクチン接種後 新型コロナに感染した」のは30人ということですが、陽性者の人口比は日本と同じで、人口は日本の1/2.5ですから、やはりこの数字は少なすぎると思います。

日本では情報が公開されているのでしょうか?

私が知らないだけかもしれませんが、公開されているのは次の大阪の1人だけのようです。

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出所 読売新聞

看護師、ワクチン接種後に感染確認…コロナ患者の担当

大阪府東大阪市の市立東大阪医療センターは18日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した50歳代の女性看護師について、接種後に感染が確認されたと発表した。
センターによると、看護師は12日に1回目のワクチン接種を受けた。15日以降にせきや頭痛などの症状を訴え、PCR検査で17日に陽性が判明した。接種時に既に感染していた可能性もあるという。

いくらそういうケースが少ないとしても、まさか1,500人が1人になることは絶対にないでしょう…。

以上のことから確実に言えるのは、医療関係者のデータはほとんどが「非公開」ということです。また、ワクチン接種後に新型コロナに感染したというケースは「報告されていないからないはずだ」なんていっている人は、データリテラシーが(私も含め…[たらーっ(汗)])決定的に欠けているということでしょう。

日本は韓国より情報公開が進んでいると信じていたのですが、こういうデータを見せつけられると、一国民として極めて残念と言うしかありません。

ちなみに、韓国の新型コロナのサイトはこんな感じで、

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厚労省のサイトはこんな感じです。

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9月なんていわずに、すぐにデジタル庁を開庁してほしいものです。

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【参考情報】

国立感染症研究所のデータによると、感染→発症は平均6日で、報告ベースの数値とはタイムラグが生じます。感染→発症は翌日から2週間後と相当ばらついているのがわかります。

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たまたま、ワクチン接種後のタイミングで感染が確認されたとしても、その原因まではわかりません。

なぜなら、原因を大きく分けると、

1. 接種時に既に感染していた
2. ワクチン接種後に感染したが、ワクチン接種とは関係ない
3. ワクチン接種後に、ワクチン接種の副反応(免疫が低下)で感染した

ですが、最後の3だけの人数を調べるのは事実上不可能だからです。

日本で使われているファイザー製のワクチンは、接種後2週間程度は免疫が低下し、新型コロナに感染しやすくなる可能性が示されています。


私は、これを公開データで検証しようとデータを集めていました。本当は接種者と非接種者との感染率を比較したかったのですが、残念ながら日本では情報が公開されていないようです。

諸外国と日本のマクロデータから推測する方法を採用したのは前回までの記事のとおりです。

そこで、公開されたデータから韓国の感染率を試算してみます。

・韓国の1日の感染者数 約400人

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出所 Google

・韓国の接種者数 60万人

Yahoo!ニュース 韓国、コロナワクチン接種「60.2万人」、異常反応「8751人」

・3月20日までの感染報告 30人(前述)

感染→発症・報告まで1週間とし、3月20日の1週間前3月13日までの感染者数に限定すると、400人×16日=6,000人です。韓国の人口は5,200万人なので、感染率は約1/10,000となります。接種者数は60万人なので、韓国人平均で計算すると60人が感染することになります。医療関係者なら、感染率はもっと高いとは思いますが…。

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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【まとめ】 [新型コロナ]

前回の繰り返しになりますが、2月17日に医療関係者を対象にファイザー製のワクチン接種が全国一斉にスタートしました。

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出所 NHKニュース

現在の厚労省の計画によると、3月1日の週には500箱(約50万人分)のワクチン、次の3月8日の週には更に500箱(約50万人分)が追加されます。

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出所 NHK特設サイト

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出所 仙台市医師会

この影響と思われますが、厳寒期の2月に一気に2万人(推定)を高速接種した宮城県では、陽性者が爆発したため、県独自の緊急事態宣言を出さざるを得ない状態にまで追い込まれました。

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そこで、全都道府県の数値を追ってみたところ、地域によって大きく傾向が違うことがわかりました。

注意点ですが、国立感染症研究所のデータによると、感染→発症は平均6日で、報告ベースの数値とはタイムラグが生じます。従って、本格的な影響が目に見えるようになるのは、接種開始から1週間程度かかるということになります。

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下は典型的な例です。

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全国

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東北北部

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東京・大阪

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九州南部

出所 東洋経済オンライン

上のグラフのとおりで、九州はほとんど影響なしですが、東北は宮城県が極端ですが他も結構ひどい。東北で例外的に増加が認められないのは秋田県ですが、もともと感染者が少ない=ウイルスがあまり拡散していない、と仮定するとうまく説明できます。

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秋田県

気温の関係と思いますが、関東以南は影響も小さくなってきます。グラフから読み取ると、現在の増加分は全国で1日500人から1,000人といったところです。

根拠は次のとおりです。

2月末の平日は、検査陽性者は1日1,000人ほどで、昨年のトレンドだと同じだとすると、特殊要因を除くと3月は1週間で7割(3割減)ですから、3月中旬の推定値は500人程度となり、最大限多く見積もっても増える(実効再生産数が1を上回る)ことはないはずです。

ここ数日の陽性者はほぼ1,500人なので、この差の500~1,000人がワクチン接種による「純増分」ということになります。

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全国(再掲)

厚労省のサイトによると、最近のワクチン接種者は1日数万人ですから、このうち検査陽性になるのは1~2%程度でしょうか…。

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以上のデータから判断すると、1月や2月の高速接種は危険ですが、4月ならさほど大きな影響はないものと思われます。

どうやら感染爆発はなさそうなので、一安心しました。v(^^)

ただ、それなら医療機関に大量にクラスターが発生しているはずで、なぜニュースにならないのかという疑問があると思います。
確かに、新聞記事などを見ると、どうもそれらしきケースはあるようです。


しかし、仮に接種直後に陽性になったとしても、その本当の原因がワクチン接種なのかは確認しようがありません。あくまで推測ということになります。

また、年初に毎日数千人陽性者が出たときは、医療機関でも大量のクラスターが発生したはずですが、情報が公開されたという話は聞きません(セキュリティの関係?)。私も個人的に何件か知っていますが、いずれも公開されていないので、あくまで口コミによるものです。

これは、公開情報だけではウイルス接種の影響を確認しようがないということです。超過死亡と同じように、今回のようなマクロデータを分析するしか方法がないのかもしれません。

これらの分析の妥当性を確認するため、日本と似ている外国のケースと比較してみます。

日本と同じく、BCG接種国である韓国では、2月26日から医療関係者を対象に、のべ60万のアストラゼネカ製のワクチン接種がスタートしました。直前の陽性者と比べると、「純増分」は1日100~200人で、接種者の1%以下のようです。

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出所 Google

J Satoさんによると、アストラゼネカ製のワクチンは「魔の2週間効果が弱そう」ということで、これも上の日本のデータと整合的です。


彼によると、ノルウェーでは、ワクチン接種開始で陽性者が大幅増とのことですが、北欧の低い気温のせい?


なお、ここまで読んだ方ならおわかりかと思いますが、以上はマクロな統計データによる推測で、因果関係が証明されているものではありません。それは、超過死亡で新型コロナの影響を分析するのと同じことです。

また、当然のことに反論もあるので、参考例を示しておきます。



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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【その理由】 [新型コロナ]

前回の続きです。

新型コロナのワクチン接種で、なぜ感染が増えるのかという質問をいただきました。

きっちり説明すると大変なので、私自身の備忘録としてごくごくシンプルに説明しておきます。

ポイントは、日本で使われているファイザー社のワクチンでは、1回目の接種から2週間後=2回目の接種までは、人体の免疫力が極端に低下するということです。


日本人は、BCG接種国のせいか免疫力が強く、欧米人より1桁~2桁新型コロナに感染しにくいのですが、この免疫力が低下する「魔の2週間」には、新型コロナに感染する確率が高まると考えられています。

その具体的な数値ですが、デンマークのケースでは、

1回目接種2週間後までの発症率は非接種者の

・介護施設入所者 1.4倍
・医療従事者 2.04倍

という報告が出ています。


南米やイスラエルでも同じです。


日本と同じBCG接種国のジブラルタルでも、1回目のウイルス接種期間中の死亡率(CFR=黄色の実線)が旧上昇し、この期間が終わると急激に低下するという現象が報告されています。


もう少し技術的に細かい話をすると、日本で使われているファイザー社のワクチンは、新しい「メッセンジャーRNAワクチン」というものです。このタイプのワクチンでは、ウイルスへの抗体が作られるとき(図の7)に、免疫細胞の能力の大半が動員され、他の異物に対する免疫力が低下するのだと考えられています。

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出所  Snohomish Health District

いままでの説明は、マクロ的な数字はほぼ合っているのですが、検証データが乏しいので、残念ながら確信を持って正しいとは言えないのが苦しいところです…[たらーっ(汗)]


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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【冒頭に要約追記】 [新型コロナ]

タイトルを見て、執筆者の「頭がおかしい」と感じた人は正常です(笑)。
あまりにも情報が錯綜しているので、自分のための備忘録を作ってみました。お暇な方は、よろしければ読んでみてください。

さて、奇妙なことに、2月17日の新型コロナワクチン接種開始後から、陽性者がほぼゼロだった複数の県でも陽性者が出始めました。
仙台市の例だと、約1.6万人の接種者で400人ぐらい増で、単純計算だと接種者の約2%。

仙台市を含む宮城県のサイトによると、県全体では感染者は激増していますが、ピンクで示されている軽症者が圧倒的で、おそらくこれも新規陽性者がワクチン接種による状況証拠と思われます。なぜなら、ワクチンというのは、たとえて言えば、一種の「弱いウイルス」なので、軽症者が多くなるはずだからです。

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日本全体でもこの比率2%が同じだとすると、3月16日までの接種者30万人で6,000人増。Rtは0.3程度増ということになります。

3月初めから1週間に50万人の接種が予定されているので、単純計算では1日1,400人の検査陽性者増となり、従来の毎日1,000人余りから3,000人近くにまで急増するという試算結果になりました。

なお、この数値には自信がないので、あくまで「試算値」であることを頭に入れて読んでください。

以下は、この試算の経過です。

私のこの記事が「悪い冗談」で終わることを願うばかりです…[たらーっ(汗)]


-☆--☆--☆--☆-


ことの始まりは、J Satoさんのこのツイートでした。


さて、皆さんご存じのように、2月17日の医療関係者(国立病院など)の約1万人を皮切りに、やっと日本で待望のワクチン接種がスタートしました!

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出所 NHKニュース

ところが…

不思議なことに、ワクチン接種が進んでいるイスラエルでは、陽性者の減少は他の国ほとんど変わらず、到底「効果90%以上」とは思えません。


実は、日本のようなBCG接種国=感染者が少ない国の多くで、ワクチン接種開始直後に陽性者が急増しているのです。


日本でも、こんな感じで、ワクチン接種開始直後に陽性者が急増したら大変なことになります。

そこで、実際のデータを調べてみました。ただ、現実に数値化するのは難しいので、例によって“やっつけ仕事”です。ぜひ、怪しい部分にツッコミを入れてください(笑)。

さて、ワクチン接種による検査陽性者の変化を数値化するには、

1. ワクチンの接種期間
2. ワクチンの接種人数
3. 検査陽性者数

の3つのデータが必要ですが、この3つが同時に揃っているケースはほとんどありません。

厚労省のサイトでは、日本全体の接種者数はわかりますが、接種→発症まで5日~10日かかるはずなので、3月8日から接種者が急増した影響は、公表されている3月17日までの報告では詳しくはわかりません。

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しかし、窮すれば通ずということで、やっと発見したのが仙台市のケースです。

仙台市では、先行接種用の122箱のうち16箱が到着し、2月中にほとんど接種が完了した模様です。


同ニュース 第59号 2021.3.15

3月10日現在の宮城県ワクチン対応チームによる宮城県におけるワクチン接種の状況報告です。医療従事者等優先接種について、3月第1週ワクチンが届いた医療機関では、3月5日に、県南中核病院で50人、大崎市民病院で20人の接種が始まりました。3月8日から、東北大学病院での接種が開始となりました。

仙台市では、ワクチン接種開始の2月17日まで、感染者がほぼゼロに近い状態なので、感染者の増加分はほぼワクチン接種によるものと見なせます。

ワクチン接種→PCR検査陽性報告まで5日~10日かかるはずなので、便宜的に接種開始日である2月17日の10日後=2月27日から、県南中央病院接種開始日である3月5日の10日後=3月15日までの陽性者は、すべて2月17日のワクチン接種によるものと仮定します。

・2月17日の累計感染者 2,262人
・3月15日の累計感染者 2,632人
・増加人数 370人

これを、仙台市医師会による総接種(予定)者1万6,000人で割ると、単純計算では約2%となります。

やっつけ仕事で、非常に荒っぽい計算ですが、「ワクチン接種者の約2%の陽性者が発生する」可能性があるという結果が得られました…[たらーっ(汗)]

この数字が妥当かどうかはわかりませんが、こんなJ Satoさんのツイートもあります。


※日本全体だと、「30万人中2000人で、Rtは0.1程度増」は、「30万人中6000人で、Rtは0.3程度増」の計算違いです…。

まあ、2%が本当は1%なのか5%なのかわかりませんが、当たらずといえども遠からずといったところでしょうか…[たらーっ(汗)]

なお、仙台市がある宮城県のサイトによると、県全体では感染者は激増していますが、ピンクで示されている軽症者が圧倒的で、おそらくこれも新規陽性者がワクチン接種による状況証拠と思われます。なぜなら、ワクチンというのは、たとえて言えば、一種の「弱いウイルス」なので、軽症者が多くなるはずだからです。

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さて、現在の厚労省の計画によると、3月1日の週には500箱(約50万人分)のワクチン、次の3月8日の週には更に500箱(約50万人分)が追加されます。

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出所 NHK特設サイト

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出所 仙台市医師会

これは、1週間で50万人接種するということですが、前出の厚労省の報告に比べてもおかしな数字ではありません。

ワクチン接種者の約2%の陽性者が発生するなら、1日だと50万人×2%÷7日=1,400人となります。

現在の検査陽性者は約1,000人なので、仮に1,400人増えるなら「倍増」することになります。

最初は何かの悪い冗談かと思っていたのですが、NHKによると3月17日の陽性者数は1,500人で、前日より400人増加しました。

参考までに、陽性者ほぼゼロ→2/17の接種開始から増という県は意外に多いようです。


とはいっても、宮崎県のように、例外的にほとんど陽性者がいないケースもあります。


いずれにせよ、私のこの記事が「悪い冗談」で終わることを願うばかりです…[たらーっ(汗)]
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新型コロナ「第3波」の発生と収束の謎を推理する [新型コロナ]

新型コロナは気象のせいという藤原かずえさんの記事を読んで考えてみました。

どうやら、第1~第3波はまったく別の現象のようです。
単純にはいきません…[たらーっ(汗)]

第0波 2月 中国からの流入→自然消滅
第1波 3月 ヨーロッパからの流入→入国制限で収束
第2波 6月 ウイルスの変異と梅雨と夜の街→夏になり収束
第3波 10月 気象の変化や季節の変わり目→春には収束?

ところで、東京都の第3波のピークが1月4日なのは、12月30日の気圧の急変で自律神経失調症が大量に発生したせいだと思われます。

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データの出所 東京都

感染→発症のタイムラグは5日程度なので、タイミング的にはほぼ一致します。

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データの出所(1時間ごと) 気象庁

このときは、全国的にも陽性者が急増したので、温度や湿度の影響よりも、広域的で急激な気圧変化の影響と考えた方が自然です。

この点は、冒頭の藤原かずえさんの記事で、Time=0.4(タイムラグ8日?)で、気圧の影響が最も大きくなるという分析結果とも一致します。また、湿度の影響も大きいのは、梅雨が影響しているのかもしれませんね。
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なお、この気圧変化は短期的な現象です。
長期的なトレンドとして、季節インフルエンザと同じく、冬になると温度・湿度の関係で徐々に(長期的に)陽性者が増えたとすると、これから春に向けては徐々に減っていくことになります。

話は変わりますが、実効再生産数(Rt)のデータ(下のグラフの黒の実線)を見た限りでは、GoToで陽性者が増えたという形跡もないようです。
念のため、下のグラフは「発症日」ベースなので「↓」は「感染日」である5日程度前に付けています。

図5.pngデータの出所 国立感染症研究所

西浦氏のような単純なモデルは何の役にも立ちませんね。

ちなみに、最近のGoToで感染が増えたという彼の論文では、なぜか実効再生産数は「封印」してます。それは、実効再生産数を使ったら、上のグラフと同じく、簡単にウソがばれちゃうからでしょう。

図1.png
出所 NHKニュース

42万人死亡や9.5万人入院と同じで、何でもありなんですかね。[たらーっ(汗)]
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