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新型コロナ “第6波”についてのよくある誤解 [新型コロナ]

昨日1月7日の新型コロナの新規陽性者は、全国で6000人を突破し、「倍々ゲーム」で急増中です。

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出典 NHKニュース

そこで、この新型コロナ “第6波”についてのよくある誤解を、自分自身の備忘録としてまとめてみました。興味とお時間がある方はどうぞ…[たらーっ(汗)]

【1】オミクロン株は感染力は強いが弱毒化?

確かに、感染力は強いようですが、大半は無症状で、重症や死亡はほとんど「ゼロ」らしいので、相当弱毒化している模様です。

○森田洋之さんの情報

アゴラの記事
オミクロン第6波に向けて日本人が知っておくべき4つのこと(前編)
オミクロン第6波に向けて日本人が知っておくべき4つのこと(後編)

○Yahoo!ニュース

空港検疫で新たに174人感染確認 一日の感染者数として過去最多

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空港の検疫で新たに174人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。
(中略)
18人は到着した時に発熱や喉の痛みなどの症状があったということです。
今後、感染者の検体は国立感染症研究所に送られ、オミクロン株かどうか解析が進められます。

→無症状者は全体の89.7%で、大部分がオミクロン株では?


【2】第6波はいつ収束?

現在の感染者数の「倍々ゲーム」が続けば、今月中に全日本人が感染することになります[わーい(嬉しい顔)]。そんなことはあり得ないので、たぶん今月中にピークアウトするはずです。

○藤原かずえさん

○私のツイート


【3】専門家の予測は必ず外れる?

最近も、AIによる予測が発表されました。
出典は、下のオミクロン株の感染力の強さによる新規陽性者数の変化です。

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しかし、昨日1月7日の陽性者は922人ですが、グラフによると1000人を突破するのは1月20日過ぎで、既に思いっきり外れてますね[バッド(下向き矢印)]
オミクロン株の実効再生産数は、デルタ株の「1.5倍」とありますが、実際は「20倍」なんだから、外れるに決まってます[exclamation×2]

平田氏は実効再生産数Rtを理解していないような気がしますね。

Rtは、簡易的には5日(感染→2次感染の平均期間)で感染者が何倍になるかという数字です。現在は倍々ゲームなので、この数字は2の5乗=32です。
だから、現在の感染者数を見ているなら、オミクロン株のRtがデルタ株(2程度)の1.5倍なのは、「あり得ない」数字なのです。

こんな高い数字はSIRモデルでは説明できないので、国立感染症研究所や西浦氏は沈黙していると思われます。

絶対に外れる予測を出すという神経が理解できません[眠い(睡眠)]

ひょっとして、「何もわかっていない」ってこと?

次は私の記事ですが、昔から専門家の予測が当たった試しがありません…[ちっ(怒った顔)]

新型コロナ 「8割おじさん」はなぜ間違え続けるのか


【4】永江氏の「山火事理論」は正しい?

なぜ毎回、専門家が予想できないピークアウトをしたのか。素人の永江理論をまとめました
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この理論は、現実のデータをうまく説明しています。

日本では、1種類の変異種(株)の感染者数は、経験的には最大でも人口の1%程度です。ちなみに、現在の累積感染者数は約170万人で、日本の総人口1億2,600万人の1%強となっています。

以上の前提に基づいて試算すると、現在の感染者の「倍々ゲーム」は、1日の新規感染者が全人口の1%程度になった時点で、その後は自動的にピークアウトすることになります。

人口5,900万人の南アフリカでは、1日の新規感染者のピークは4万人弱なので、それから推測すると、ピークは最大でも8万人程度となります。もっとも、感染者の多くは20~30代なので、高齢化が進み、「ファクターX」があるとされている日本では、それよりは少なくなる可能性が高いです。

ところで、常識的に考えると、ウイルスが増えれば、それに比例して感染者は増加するでしょう。つまり、感染爆発が起こると、いままでは感染しないような人も感染するはずです。

ピークアウトするときには、このメカニズムの歯車が逆回転を始めます。つまり、感染しやすい人はほとんどいなくなっているので、急増した後には急減することになり、ピークを中心にグラフがほぼ左右対称になることとうまく整合します。

なお、これは私の独創ではなく、一昨年から専門家が言っていることです。

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出典 厚労省ホームページ


【5】ワクチンの効果は?

データから判断する限り、明確なメリットは見たあたりません[もうやだ~(悲しい顔)]

きちんと説明すれば、

a. ワクチン接種後に、未接種者より2倍感染しやすくなる「魔の2週間」がある

b. ワクチン接種後は、未接種者よりウイルス排出量が増え、2次感染を促進する

c. 東京都のオミクロン株感染者は、約7割がワクチン2回接種済み

d. 海外では、ワクチンはオミクロン株に逆効果

e. ワクチン接種開始直後に超過死亡が急増
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出典 日本の超過および過少死亡数ダッシュボード

しかし、こんな小難しい話より、オミクロン株の感染爆発で、ワクチン推進派が続々と“寝返っている”ことを取り上げれば十分でしょう。

◎おまけ

いくつかツイートを紹介しておきます。

なお、次の藤川さんのツイートを参考文献として利用させていただきました。m(._.)m

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新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本 [新型コロナ]

久しぶりの、新型コロナの投稿です。


疑似科学批判の常連が書いているというので、ちょっと中身をチェックしてみました。
著者を調べてみたところ、ウイルス感染症についての査読あり英語論文(第一著者)を書いた人は誰もいません(ウイルス学、免疫学が専門だという峰宗太郎氏も、新型コロナの論文はなし)。
つまり、全員「素人」なので、この本は「一般書」というしかないでしょう。

言い換えれば、他の本に比べて特に信頼性が高いわけではありません。
よって、この本の内容を信じるなとまでは言いませんが、科学的な根拠にすることはできないでしょう。

以下、気が付いた点をランダムに書いておきます。

【Q10】 PCR検査は新型コロナウイルス以外のウイルスも検出してしまう 答え:検出されません
→死んだウイルスも検出してしまいます
この項目は峰宗太郎氏が執筆していますが、検出するのは「新型コロナウイルス由来」のDNAと書いています。確かに、ウソは書いていませんが、死んだウイルスのDNAも検出すると書いてないのは、詐欺に近いでしょう。
なお、Q08には、「感染性を失ったウイルスでも反応する塩基配列が残っていればPCR検査で陽性になります」とあります。

【Q29】 新型コロナワクチンの有効率90%超は、数字のトリック? トリックと言っているほうがトリックです
→いいえ、トリックです。3か月ぐらいで逆効果になります。つまり、ワクチンを打つと新型コロナに感染しやすくなるのです[もうやだ~(悲しい顔)]

【Q14】 イベルメクチンは、新型コロナにウイルスに効果がある? 答え:現状、その効果は証明されていません
→実データでは効果が現れていますが、この項目には何の記述もありません。

日本発「イベルメクチン」 インドがコロナ治療で感染者数減もWHO「反対」のナゼ
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本当に効果があるかどうかは別として、これで「脚気」の話を思い出す人も多いでしょう。

日露戦争で、海軍は麦飯を採用したので脚気はほとんど出ませんでしたが、陸軍はビタミンBに乏しい白米食に固執して、戦死者に匹敵する病死者を出しました。
現在でこそ、脚気はビタミンBの欠乏が原因であることがわかっていますが、当時はビタミンBは発見されてないので、そもそも効果を証明しようがないからです。

この項目の執筆者は、日本陸軍の失敗を正当化したいのでしょうか?
経緯は、吉村昭氏が丹念に取材した結果が「白い航跡」に書かれています。

白い航跡〈上〉

白い航跡〈上〉

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/12/31
  • メディア: 単行本


また、多くの著者が関わっているせいか、矛盾する記述も目立ちます。たとえば、次の二つの項目は明らかに矛盾しています。

《Q12》 新型コロナワクチンの治験はまだ終わっていない? 答え:安全性はすでに十分に確認されています
《Q27》 なぜ、新型コロナワクチン接種後の死亡例は因果関係不明が多いのか 答え:調査にはたくさんの時間がかかるからです

→「新型コロナワクチン接種後の死亡例は因果関係不明」なら、「安全性はすでに十分に確認されています」とは言えないですが…。よくわかりません。

なお、現在では厚労省も心筋炎との関連は認めています。

いくらなんでも、これではミスが多すぎるでしょう[むかっ(怒り)]
結局、この本は、既にワクチン接種をした人が、自分が正しいことを納得させることが目的ということでしょう。それはそれで、心理学的には十分意味があることだと思います、科学的に正しいかどうかは別として…[たらーっ(汗)]

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ワクチンの投稿で出入禁止? #2 【gijika.com】 [新型コロナ]

前回の続きです。

9月5日付けで、gijika.comの「ワクチン有害説」掲示板に投稿しようと思ったら、次のメッセージが表示されて投稿不可でした。

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500 Whoops, something went wrong on our servers.

ひょっとして、ワクチンの投稿で出入禁止?

なお、この掲示板No.125の内容と回答は下のとおりです。

【No.125】21/09/05 15:09

何について統計的検定の計算をすればいいのかお教え願います

ABO FANさまに反論したいわけではありません。ABO FANさまを含む素人さんの意見は、当たってることの方が珍しいので、そもそも議論する価値がありません。間違っているなら、間違っていることが分かる、信頼できる情報源からの情報を示しておしまいです。素人同士の議論なんて時間の無駄です。
そもそも、ABO FANさまの、統計的検定の計算そのものはおおむね正しいだろうと思っています。私が知りたいのは、ABO FANさまが、何について統計的検定を行ったかです。それが分からないので、計算しろと言われましてもできません。
こういうやり取りしてて楽しいですか?そろそろ訂正記事出しませんか。訂正記事、何回か出されてますよね。

【A】

本当にこの論文を読まれてますか?

No.122 には、

-----
「この論文は全くダメですね

この論文は全くダメですね。
1. 統計的な有意差がない
2. 期間が2021年3月12日までなので、デルタ株をテストしてない
すごいです!」
とあります。「デルタ株をテストしてない」とありますから、当たり前ですが「デルタ株をテストしてない」ことは分かります。
分からないのは「統計的な有意差がない」の方です。JSato氏の、

・コロナ死を2人から1人に1人減
・コロナ以外死亡を12人から19人に7人増
・総死亡を14人から20人に6人(43%)増

という御主張が、統計的に有意じゃないんですね。
つまり、ABOFANさまは、統計的に有意でないものはダメであると判断されているにもかかわらず、JSato氏のtwitterが、統計的に有意であるかどうかを確認せずに、リツイートし、このgijika.comの掲示板で紹介したと。で、後になって気づいたと。違いますか?
-----

こう書いてあるなら、まずご自分で統計的検定をして、私に反論すればいいと思うのですが…。
しかし、いままでのやりとりでは、統計的検定を理解されているとは思えないので、恐縮ですが回答は遠慮させていただきます。
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ワクチンの投稿で出入禁止?【gijika.com】追記あり [新型コロナ]

9月5日付けで、gijika.comの「ワクチン有害説」掲示板に投稿しようと思ったら、次のメッセージが表示されて投稿不可でした。

gijika1.PNG
500 Whoops, something went wrong on our servers.

ひょっとして、ワクチンの投稿で出入禁止?

なお、この掲示板No.123の内容と回答は下のとおりです。

【No. 123】 21/09/05 12:57

ABOFANさまは、その科学的判断をどこで学ばれたのか

十分な知識もなく、理解するための能力を得るための訓練を受ける機会もない状況で、専門的な分野に関して自己判断することは、科学的ではないと思っています。たぶん大学にいた時にそう教え込まれたと思います。
十分な知識もなく、理解するための能力を得るための訓練を受ける機会もない状況で、専門的な分野に関して自己判断することが科学的判断である、という御主張をABOFANさまはなされているようにお見受けいたしますが、そういったお考えはABOFANさまはどこで学ばれましたか?小中高で、そういったことをいう学校の先生がいることは事実だと思いますが、大学の研究者でそういう主張をする方はあまり多くないと思います。
gijikaの中の人は、自らの専門分野でない分野に関して、統計学の知識しかないのに科学かどうかを評定しているくらいですから、ABOFANさまと同じお考えかと思います。

【A】

統計的検定は、ほぼパターンが決まっているし、計算するならフリーソフトも結構あります。
医学論文は、○浦氏が典型ですが、モデルも推定結果も間違いばかりですよ。
実際に論文を読まれてみてはいかがですか? たぶん、[わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]になると思います。
なお、いままで議論した経験では、この掲示板で統計的検定に詳しい方はほぼゼロです(山○氏はわかりませんでした)。
たとえば、MANCOVAとか効果量とかわかりますか?
なお、統計的検定の計算は、ソフトにやらせればいいので割と簡単です。
難しいのは、どの場合にどういう検定方法を使うか、そしてその結果の解釈です。

【2021.9.11追記】
現在では書き込みはできるようです。理由は不明です。
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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【例外はない!?】追記あり [新型コロナ]

前回の続きです。

J Satoさんに、いままでの要旨を要領よくまとめていただきました。ありがとうございます。

ワクチン接種→エアロゾル・スプレッダー発生&変異株流通促進
ワクチンと変異株の相性あり
・ファイザー採用国:イスラエル、米国、日本→英国株増加
・シノバック採用国→ブラジル株増加
・インド製AZ(Covishield)採用国→インド株増加


また、各国の状況についても情報を拝借します。

BCG接種国を欧州、南米、アジアの3つに分けた
・欧州BCG義務国:元が高めで、2%超えから拡大、10-20%超えで収束へ
・南米BCG義務国:元が中、ダラダラ拡大が続き、20-40%超えで収束へ
・アジアBCG義務国:元が超低、すぐ拡大が始まり、先行バーレーン、モンゴルを見る限り30%超えても収束まだ見えず


どうやら、BCG接種国で高速接種をすると、ファクターXが無効化されるようです。そうなると、毎週の感染者は100万人あたり数千人に跳ね上がります。これは、日本だと毎日数万人になり、現在のインド並み(毎日数十万人)のレベルになるということです。

もっとも、日本はインドのように高速接種が進むとは思えないので、1万人を突破するぐらいで頭打ちになれば…[たらーっ(汗)]

さて、いくつか反論をいただきましたので、主なやりとりを記録しておきます。
結論として、「BCG接種国で高速接種をすると、ファクターXが無効化される」にはほぼ例外はないようです…[もうやだ~(悲しい顔)]


次は私の反論です。


なお、上のツイートには書いてありませんが、近隣の某国のデータは信用できるとは思えません。また、シンガポールは「ゼロコロナ」で、ウイルスがほとんどゼロのため感染が拡大しようがありません。それと、アストラゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン、スプートニクVなどのウイルスベクタータイプのワクチン(インド製アストラゼネカは除く)は例外です。

ということで、BCG接種国で高速接種をすると、間違いなく「ファクターX」が無効化されるようです。

次は、BCG接種国のモンゴルとスリランカの参考情報です。どちらも独自株だったんですね…へ~。


残念なことに、日本ではこれから高齢者施設での集団接種が本格化するので、クラスターが多発する可能性があります。


数値は現在の数倍になっても不思議ではありません。

ファイザーではなく、韓国のようにアストラゼネカ、あるいはJ&Jのようなウイルスベクタータイプに切り替えれば丸く収まるのですが。


余談ですが、イギリス政府の情報によると、

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①ブラジル株は最初は日本で発見されたことになります(ex○○は元○○という意味)。まだ日本で問題になってないのは、感染力が弱くて「増えてない」からでしょう。

②イギリスでも、ブラジル株やインド株は増えてません。つまり、ウイルスが増えるのは、ワクチンとの「相性」ということです。日本でもブラジル株やインド株は増えそうもないので、ホッと一息です…[わーい(嬉しい顔)]

【2021.5.9 10:10 追記】

その後、馬場さんから反論がありました。

例外無しとのことですが、例外を紹介。
・ポルトガルは0.5%くらいで感染拡大2.5%程度で収束開始
・メキシコは接種開始前にピークアウト。ワクチン接種の影響なし
・韓国は接種開始と感染の相関関係無し


私の再反論です。

・ポルトガル→人口が日本の1/10、感染者数は日本換算で4000人/日。接種率が日本より低く、例外とは言えないのでは?
・メキシコ→ファイザー接種開始直後の1月に感染爆発(あるいは気温のせいか?)、その後は超過死亡が大幅増加。
・韓国→基本自国製AZなので爆発なし。


【2021.5.9 11:10 追記】


なお、確かに接種率は一桁勘違いしていたので、申し訳ありませんでした。m(._.)m

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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【ブラジル②】追記あり [新型コロナ]

前回の続きです。

ブラジルでは、中国シノバック製ワクチンで明らかにブラジル株(P.1)が増えました。感染もなかなか収まりそうもありません…[たらーっ(汗)]

チリも同様です。

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出所:Rede Genomica Fiocuz

既出ですが、インドはワクチン接種開始直後に感染が爆発し、インド株が急増しました。

変異株別の実数(試算値)は次のとおりで、ワクチン接種後にインド株(B.1.167)だけが急増しているようです。

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他の国でもほぼ同じ現象が確認されています。

日本やアメリカでは、ファイザー製ワクチンが主力です。接種率が上がるにつれて、イギリス株(N501YやB.1.1.7)の割合が増え、最新データでは、どちらも過半数を占めています。

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出所:東京都東京iCDC米CDC (2021.5.5 12:00 実数の試算値を追加)

日本でイギリス株(N501Y=B.1.1.7)が増えたのは、東京だけではなく、京都や大阪でも同じようです。

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イスラエルもファイザーが主体ですが、イギリス株(B.1.1.7)の増加は更に極端のようです。

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もちろん、イギリスは本家?だけあって、圧倒的に自国株?が優勢です。これは、最初はファイザー製ワクチンも併用していたせいなのかもしれません…。

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※2021.5.5 11:00 イスラエルとイギリスを追記

その後のJ Satoさんの情報です。

イギリスでは、①ファイザーは2020年12月8日から使用開始、②アストラゼネカは2021年1月4日からなので、2020年12月からイギリス株が急増したのは、やはりファイザーの接種開始による可能性が相当高いようです。
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※2021.5.5 12:50 追記

このように、ワクチン接種開始後には、中国・シノバック→ブラジル株、インド・セラム→インド株、ファイザー→イギリス株が増えるのは各国共通です。

なお、インド製以外のウイルスベクターワクチンは、なぜかこの現象が起きないようで、イギリス(アストラゼネカ)、韓国(同)、ロシア(Sputnik V)では感染は増えてません。ただし、インド製(Covishield)だけは例外で、ネパールやブータンでは感染が爆発しました。

参考までに、韓国のアストラゼネカは自国製(SK Bioscience)らしく、株がIPOで相当値上がりしたとのことで、私はすっかり儲け損ねました(笑)。最初はインド製だと思っていたので、なぜ感染が増えないのか不思議だったので…[たらーっ(汗)]

ただし、mRNAワクチンでも、接種率が何十%になると、2回接種後なら効果はあるのことと、弱い人はみんな感染しているので、新たな感染は減ってきます。これも実データとぴったり合います。

さて、以上のケースで、ワクチン接種がまだ10%にも達していない状態で、なぜか特定の変異株だけが激増しているのは、何か変だと思いませんか?

これらのデータを説明できる一番合理的な仮説は、ワクチン接種によって特定の変異株の「スーパースプレッダー」が出現したということです。少なくとも、ブラジル、インド、日本、アメリカなどでは、統計データとはかなり整合性が高そうです。

私の仮説は、

①接種者にはワクチンが効く(特定の変異種は除く)
②接種者の一部が特定の変異株のスーパースプレッダー化(空気感染のため感染力強)
 ※空気感染(エアロゾル感染)はマスクの効果がなく、実データとも一致
③その結果、非接種者の感染が激増(ADEで火に油)

ということになります。

なお、ワクチンのデメリットとしては、標的とするウイルス以外には、逆に感染しやすくなるということで、別のコロナが出現したら、また同じことが起きます。


プレプリントも含めると、ファイザー製ワクチン接種(mRNA)→T細胞減少→免疫低下→感染増加、はほぼ確定のようです。たぶん不活性化ワクチンでも同じでしょう。

結局、変異が早いウイルスにワクチンで対応するのは、緊急措置としてはともかく、一般的には悪手ということのようです。

機序については、J Satoさんなどの説明が非常に参考になりますので紹介しておきます。

①季節性インフルエンザワクチンを接種したにもかかわらず感染した場合、呼気内微細ウイルス量(エアロゾル感染=空気感染の元)が非接種の6.3倍になるという研究報告(プロシーディング=会議録なので査読なしが普通)があるようです。

もし、新型コロナにもあてはまるとすると…。

エアロゾル感染は、他に比べて(受容体のACE2が多い)肺に直接届く確率が高いので、感染確率が激増します。
つまり、ワクチン接種者に感染が増加→エアロゾル感染で2次感染が激増→感染爆発、というシナリオです。
以上の仮説は、緊急事態宣言やマスクに意味がないという現実とも整合しますし、既存の論文とも矛盾しません。
BCGで強化された自然免疫は絶対ではなく、ウイルス量が多くなると突破されてしまうので、高速接種で加速度的に感染が増加することも説明できます。

②新型コロナのような「弱い」ウイルスには、ワクチンが作る抗体(液性免疫)は一時的な効果しかなく、T細胞=細胞性免疫がずっと大事ということになるようです。

③魔の2週間については、以前の記事でも紹介しましたが、J Satoさんの説明は次のとおりです。

④ウイルスベクターのアストラゼネカとジョンソン&ジョンソンでは魔の2週間は報告されていません。
※上のアストラゼネカは2021.5.15. 10:50追記
⑤先進国のワクチン接種開始時期は冬が多く、見かけ上は接種で感染が減ってますが、未接種の国と比べると同じか上回っています。

最後に、ワクチン接種で変異株が増えるのは「常識」だそうで、高名な福岡伸一氏もそう述べています。

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新型コロナ ワクチン接種開始で検査陽性者が倍増!?【ブラジル】 [新型コロナ]

ブラジルの新型コロナがやっと減少傾向になってきました。

しかし、時事通信の記事(4月27日付)によると、まだ相当困っているようで、

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ブラジル経済のかじ取りを一手に握るゲジス経済相は27日の閣僚会合で、録画されていることに気付かず、中国が新型コロナウイルスを「発明した」と主張した上で、中国製ワクチンは米国製よりも劣っているとこぼした。

だそうです。

ところが、このニュースは英語で探してもほとんどありません。少なくとも、"Brazil China invent corona" で検索しただけでは、メジャーな英語メディアには見つかりませんでした。

私が発見したのは、「Brazilian Report」というサイトだけです。

これまた不思議なことに、日本でも全国紙や在京キー局、あるいはNHKなどのメジャーなメディアでは取り上げられてはいない模様です…。

おそらく、これはブラジル政府の「本音」で、中国が頻繁にチェックしている日本の(マイナーな・失礼)メディアだけにリークしたのではないかと思います。

なぜなら、時事の記事に先立つ4月12日に、BBCが同じような内容を報じているからです。

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BBC 中国製ワクチンは「効果小さい」 中国当局者が発言、すぐ修正

上のBBCのニュースにあるように、ブラジルのワクチンは中国シノバック製が主力ですが、なぜか接種後の2021年1月からも感染は収まらず、逆に拡大しているように見えます。

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出所:Google

この記事には、

外国での臨床試験では、中国製ワクチンの効果は50%程度しかないとする結果も出ている。

とありますが、これに対応するかのように、ブラジル当局のプレプリント=査読前論文(4月7日付)には、「効果は50%程度しかない」と書いてあります。

Effectiveness of CoronaVac in the setting of high SARS-CoV-2 P.1 variant transmission in Brazil: A test-negative case-control study.
Posted April 07, 2021. [Version 1]

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出所:J Satoさんのツイート

興味深いことに、最初にある時事通信の記事(4月27日付)の配信直後に、この論文の最新版バージョン2(5月1日付)が公開されました。内容は非常に辛辣で、初版バージョン1(4月7日付)が大幅に書き換えられています。

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v1→少なくとも1回のワクチン接種は、初回接種後14日以後に新型コロナに感染する確率が0.5倍にする。
v2追加→初回接種後0~13日の期間では、ワクチン接種者の方が未接種者よりも感染する確率が2.11倍高くなる。

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①1回目の接種から13日までに2.11倍感染しやすくなるは確定(p-value<0.001で有意)ですが、
②その後の有効性は不明(p-value>0.05なので有意ではない)です。
よく見ると、②も3つ合計すると「有意」なので、絶対に有効性なんか認めない!ってことです。

偶然にしてはタイミングが合いすぎです[exclamation]

ということですから、最初に紹介した時事通信の記事は、ブラジル当局が中国シノバック製ワクチンの効果に疑問を抱き、その一連の対応策としてのプレス発表と考えるべきではないでしょうか。

---☆---☆---☆---

気になる人のために、この論文の内容を簡単に紹介しておきましょう。
なお、「コロナバック」は、ブラジルで使われた中国シノバック製ワクチンの名前です。

【対象者】
Among 53,176 HCWs [Health Care Workers], 46,884 (88%) received at least one dose of CoronaVac and 2,656 (5%) underwent RT-PCR testing from 19 January, 2021 to 25 March, 2021.
53,176人のHCW[医療従事者]のうち、46,884人(88%)がコロナバックを少なくとも1回投与され、2,656人(5%)がRT-PCR検査を受けまた(2021年1月19日から2021年3月25日まで)。

【背景】
Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) variant P.1 emerged in the city of Manaus in late 2020 during a large resurgence of coronavirus disease (COVID-19), and has spread throughout Brazil. The effectiveness of vaccines in settings with widespread P.1 transmission has not been reported.
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)亜種P.1は、コロナウイルス感染症(COVID-19)が大規模に再流行した2020年後半にマナウス市で出現し、ブラジル全土に広がっている。P.1の感染が広がっている環境でのワクチンの有効性は報告されていない。

【結果】
○初版バージョン1(4月7日付)
Vaccination with at least one dose was associated with a 0.50-fold reduction (adjusted vaccine effectiveness, 49.6%; 95% CI, 11.3 - 71.4) in the odds of symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the first dose. Estimated vaccine effectiveness of at least one dose against any SARS-CoV-2 infection was 35.1% (95% CI, −6.6 - 60.5) in the same time period.
少なくとも 1 回のワクチン接種は,1 回目の接種後 14 日以上経過した時点で症候性 SARS-CoV-2 に感染するオッズを 0.50 倍減少させることに関連していた(調整後ワクチン効果,49.6%;95% CI,11.3 - 71.4)。任意のSARS-CoV-2感染に対する少なくとも1回の投与による推定ワクチン効果は,同期間で35.1%(95%CI,-6.6~60.5)であった。
○最新版バージョン2(5月1日付)
In the early analysis, vaccination with at least one dose was associated with a 0.50-fold reduction (adjusted vaccine effectiveness, 49.6%, 95% CI 11.3 to 71.4) in the odds of symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the first dose. However, we estimated low effectiveness (adjusted VE 36.8%, 95% CI −54.9 to 74.2) of the two-dose schedule against symptomatic SARS-CoV-2 infection during the period 14 days or more after receiving the second dose. A finding that vaccinated individuals were much more likely to be infected than unvaccinated individuals in the period 0-13 days after first vaccination (aOR 2.11, 95% CI 1.36-3.27) suggests that among this population of healthcare workers, those at higher risk might take up vaccine earlier, leading to underestimation of its effectiveness.
初期の解析では,少なくとも 1 回のワクチン接種は、1 回目の接種後 14 日以上経過した時点での症候性 SARS-CoV-2 感染のオッズを 0.50 倍減少させることに関連していた(調整後のワクチン効果,49.6%,95% CI 11.3~71.4)。しかし,2回目の接種を受けてから14日以上経過した期間の症候性SARS-CoV-2感染に対する2回接種スケジュールの有効性は低いと推定された(調整VE 36.8%,95%CI -54.9~74.2)>初回接種後0~13日の期間では,ワクチン接種者の方が未接種者よりも感染する可能性が高いという結果(aOR 2.11,95%CI 1.36~3.27)は,医療従事者の中でもリスクの高い人が早くワクチンを接種することで,効果が過小評価されていることを示唆している。

【解釈】
○初版バージョン1(4月7日付)
Interpretation Administration of at least one dose of CoronaVac showed effectiveness against symptomatic SARS-CoV-2 infection in the setting of epidemic P.1 transmission, underscoring the need to increase vaccination efforts in response to the spread of this variant in Brazil and globally.
コロナバックを少なくとも1回投与することで、P.1感染が流行している状況下での症候性SARS-CoV-2感染に対して有効性が示され、ブラジルおよび世界的なSARS-CoV-2の流行に対応してワクチン接種を増やす必要性が強調された。
○最新版バージョン2(5月1日付)
Evidence from this test-negative study of the effectiveness of CoronaVac was mixed, and likely affected by bias in this setting. Administration of at least one vaccine dose showed effectiveness against symptomatic SARS-CoV-2 infection in the setting of epidemic P.1 transmission. However, the low estimated effectiveness of the two-dose schedule underscores the need to maintain non-pharmaceutical interventions while vaccination campaigns with CoronaVac are being implemented.
コロナバックの有効性に関するこのネガティブ試験研究のエビデンスは様々であり、この環境におけるバイアスの影響を受けていると思われる。P.1感染が流行している状況下で、少なくとも1回のワクチン投与が症状のあるSARS-CoV-2感染に対して有効であることが示された。しかし、2回接種の有効性が低く見積もられていることから、コロナバックを用いた予防接種キャンペーンを実施している間は、医薬品以外の介入を維持する必要があることが明らかになった。

最後に、参考までに最近のニューヨークタイムズの記事を紹介しておきます。


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新型コロナ なぜインドで感染爆発が起きたのか【追記あり】 [新型コロナ]


日本のニュースでも派手に取り上げられているとおり、インドで新型コロナの感染爆発が起きています。

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その有力な犯人と目されているのは、インドで広まっている変異株B.1.617です。

ワクチンが新型コロナウイルスとして認識する特徴は「スパイクタンパク質」で、インド株B.1.617はこのうち2つのアミノ酸が変異し、日本で流行っているイギリス株N501Yは1つだけ。

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出所:東京新聞

常識的には、スパイクタンパク質が変異が多いほどウイルスは効かなくなるはずですよね。インドの感染爆発が他の国よりずっと激しいのはそのせいかなのもしれません。

しかし、もう一度最初のインドのグラフを見てみると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていないようです。

つまり、データを素直に解釈すると、ワクチン接種の影響でB.1.617の感染爆発が起きたことになります。

そこで、本当かどうか確認するために、インドの州別に接種者・感染者・人口の散布図(2021年4月28日現在)を作ってみました。

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データの出所:インド保健家族福祉省COVID19 INDIA

結論として、インドとお隣のパキスタン・バグラデシュでは、ワクチン接種者の増加→感染者の増加という傾向が見られます。感染者数は、人口とはあまり関係ないようです。

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この傾向は、対数目盛のグラフだとよりはっきりします(感染者は人口の1.0018乗=ほぼ比例)。逆に、人口で比較すると、感染者は人口の0.84乗でしか増えていないので、人口が多い州ほどワクチン接種が進まず、結果的に感染率が低くなっているという可能性が考えられます。

日本では、イギリス株N501Yがそうなりますが、変異が1つだけなので、感染増はインドよりはマイルドだと仮定すると、実データをうまく説明できます。

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出所:NHKニュース

これは、細菌ではウイルスが効かない「耐性菌」と言われていて、割とよくあるパターンです。

以上のデータは、

・インドで国産ワクチンCovaxinの接種が本格化→インド株B.1.617が急増
・日本でファイザー製ワクチンの接種が本格化→イギリス株N501Yが急増

といった、ワクチン接種による猛烈な淘汰圧→新型コロナウイルスの変異を促進→既存のワクチンが効かない変異種が急増→感染爆発、というような現象が起きた可能性を示しています。

繰り返しになりますが、最初のインドのデータを見ると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていません。

つまり、ワクチン接種をしなければ感染が拡大しなかった、という可能性は否定できないのです。

インドと同じように、日本でもイギリス株N501Yが急増し、同時に感染が増加しています。このことは、インドで起きていることと同じことが日本でも起きている証拠なのかもしれません…。

【参考】
現在、ワクチン接種で感染者が増えるとすると、これらの実データと一番整合性があるのは「抗体依存性感染増強(ADE)」説です。ワクチン接種者はPCR検査はしないので、猛烈にウイルスをまき散らす「スーパースプレッダー」になってもわかりません。なお、自然免疫(BCGなどで強化される)の抗体は数ヶ月前で消えるのでADEとは無縁です。

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出所:日経バイオテク

【2021.4.29 13:00追記】
感染症の専門家からわかりやすいツイートがあったので拝借します。


【2021.4.29 13:30追記】
新型コロナのようにウイルスの変異が早い場合は、ワクチンの淘汰圧がかかるというよりは、その影響で特定の変異株が短期間で指数関数的に急増するということなのでしょう。そう考えた方が実データとの整合性があるようです。
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新型コロナ ワクチン接種開始で陽性者が倍増!? リターンズ 【動画で説明】 [新型コロナ]

前回の続きです。

今回は、動画でワクチンの効果を説明します。少しはわかりやすくなったでしょうか…。

【結論】
①ワクチン接種で感染が減ったのはイギリスとイスラエルだけ!
②それ以外の国は全部増加!
③動画だと感染が減ったように見えるロシアとメキシコの「死者」は日本の10倍近くで横ばい

イギリスで採用したのはアストラゼネカ(略称:AZ)ですが、他のワクチンは、費用対効果に見合うとは思えません…。

以下はインドとタイのグラフです。
以下は、J Satoさんからの情報です。


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新型コロナ ワクチン接種開始で陽性者が倍増!? リターンズ 【モンゴル】 [新型コロナ]

モンゴルは、2月下旬から中国シノファーム製ワクチンの接種を開始しました。

モンゴル政府の発表によると、2月22日に、英国オックスフォード大と英国アストラゼネカが開発し、インド血清研究所が製造した新型コロナウイルスワクチン15万本、および中国医薬集団(シノファーム)が製造する同ワクチン30万本がモンゴルに到着した。

ロックダウン徹底のため、接種を一時中止した後に2回目を再開した結果は次のとおりです。

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出所:新型コロナ データサイト
出所:Google ワクチン接種

ワクチンの接種を開始した1週間後に、実効再生産数が急上昇→感染爆発という、BCG接種国によくあるパターンです。

さらに、2回目の開始直後には大爆発が起こりました。どうやら、1回目より2回目の方が、抗体ができる関係で反応が強いようです。

以下は参考情報です。



なお、韓国はアストラゼネカが主力なので、感染者(陽性者)はほとんど増えていません。

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