現在までの縄文人のミトコンドリア・ハプログループ [ゲノム解析で古代史]
自分のための備忘録です。
現在までの縄文人のミトコンドリア・ハプログループをまとめました。
それにしても、2023年の水野文月さんの論文はすごいですね。
ところで、WikipediaでハプログループD(英語版)を見ると、結構日本が多い。
特に、通説では渡来系とされているD4a1↓は、意外と現代日本人に多く、
おそらく日本列島が起源ではないかと思うんですが、これだけではなんとも言えませんね。
○学際的研究で明らかにする関東地方縄文時代人の人類学的・考古学的実像
安達登,坂上和弘,澤田 純明
科研費研究成果報告書 2013
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-23570280/23570280seika.pdf
※↑左のグラフの関東縄文時代人のD4は11人(56人×19.4%=11人)のはずなのですが、2023年の水野文月さんの論文のリストには含まれていないようです。ひょっとしたら、これがD4a1?
○佐世保市岩下洞穴および下本山岩陰遺跡出土人骨のミトコンドリアDNA分析
Anthropological Science (Japanese Series)
篠田謙一,神澤秀明,角田恒雄,安達登 2017
下本山2号(女性M7a1a4)及び3号(男性D4a1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/125/1/125_170509/_pdf
○西北九州弥生人の遺伝的な特徴―佐世保市下本山岩陰遺跡出土人骨の核ゲノム解析
Anthropological Science (Japanese Series)
篠田謙一,神澤秀明,角田恒雄,安達登 2019
下本山2号(女性 mt:M7a1a4)及び3号(男性 mt:D4a1, Y:O)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/127/1/127_1904231/_pdf
○鳥取県鳥取市青谷上寺地遺跡出土弥生後期人骨のDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登 2020
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2531/files/kenkyuhokoku_219_11.pdf
※この報告書には、渡来系が多いとありますが、Y染色体もミトコンドリアも、その多くが縄文人にもあるタイプのようです。
○鹿児島県宝島大池遺跡B地点出土貝塚前期人骨のDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
神澤秀明,角田恒雄,安達登,篠田謙一 2020
大池1号 M7a1a
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2539/files/kenkyuhokoku_219_19.pdf
○鳥取県鳥取市青谷上寺地遺跡出土弥生後期人骨の核DNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
神澤秀明・角田恒雄・安達登・篠田謙一 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2670/files/kenkyuhokoku_228_24.pdf
○鹿児島県徳之島所在遺跡出土人骨のミトコンドリアDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登・竹中正巳 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2687/files/kenkyuhokoku_228_41.pdf
○鹿児島県内出土縄文人骨のミトコンドリアDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登・竹中正巳 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2681/files/kenkyuhokoku_228_35.pdf
○茨城県教育財団文化財調査報告第446集
下河原崎高山古墳群2
令和2年3月
上河原崎・中西特定土地区画整理
事業地内埋蔵文化財調査報告書6
骨番号512 不明
骨番号593 D4j?
骨番号594 G2
骨番号595 D4a?
骨番号611 A
骨番号871 D4e
骨番号963 D4
骨番号1015 D4
https://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/36/36886/71156_1_%E4%B8%8B%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E5%B4%8E%E9%AB%98%E5%B1%B1%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E7%BE%A4%EF%BC%92.pdf
○本土日本人の起源の解明:弥生時代のゲノム解析
水野文月
科研費報告書 2019
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-17K07588/17K07588seika.pdf
(データなし)
○Population dynamics in the Japanese Archipelago since the Pleistocene revealed by the complete mitochondrial genome sequences
Fuzuki Mizuno et al.
Scientific Reports 2021
https://www.nature.com/articles/s41598-021-91357-2
○Diversity in matrilineages among the Jomon individuals of Japan
Fuzuki Mizuno et al.
Annals of Human Biology 2023
https://doi.org/10.1080/03014460.2023.2224060
○Northeastern Asian and Jomon-related genetic structure in the Three Kingdoms period of Gimhae, Korea
Pere Gelabert et al.
Current Biology 2022
https://www.heas.at/wp-content/uploads/2022/06/Gelabert-et-al.-2022_compressed.pdf
※この論文には、金海の人々は縄文人と紅山文化人との混血とあり、後者のY染色体のハプログループNが67%と過半数になるはずが、示されているデータにはNがありません。また、紅山文化人のミトコンドリアのデータは見つからないようなので、「混血」の根拠が不明です。逆に、弥生人とするなら、どちらも一致するため、すっきりと説明できます。
現在までの縄文人のミトコンドリア・ハプログループをまとめました。
それにしても、2023年の水野文月さんの論文はすごいですね。
ところで、WikipediaでハプログループD(英語版)を見ると、結構日本が多い。
特に、通説では渡来系とされているD4a1↓は、意外と現代日本人に多く、
おそらく日本列島が起源ではないかと思うんですが、これだけではなんとも言えませんね。
○学際的研究で明らかにする関東地方縄文時代人の人類学的・考古学的実像
安達登,坂上和弘,澤田 純明
科研費研究成果報告書 2013
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-23570280/23570280seika.pdf
※↑左のグラフの関東縄文時代人のD4は11人(56人×19.4%=11人)のはずなのですが、2023年の水野文月さんの論文のリストには含まれていないようです。ひょっとしたら、これがD4a1?
○佐世保市岩下洞穴および下本山岩陰遺跡出土人骨のミトコンドリアDNA分析
Anthropological Science (Japanese Series)
篠田謙一,神澤秀明,角田恒雄,安達登 2017
下本山2号(女性M7a1a4)及び3号(男性D4a1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/125/1/125_170509/_pdf
○西北九州弥生人の遺伝的な特徴―佐世保市下本山岩陰遺跡出土人骨の核ゲノム解析
Anthropological Science (Japanese Series)
篠田謙一,神澤秀明,角田恒雄,安達登 2019
下本山2号(女性 mt:M7a1a4)及び3号(男性 mt:D4a1, Y:O)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/127/1/127_1904231/_pdf
○鳥取県鳥取市青谷上寺地遺跡出土弥生後期人骨のDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登 2020
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2531/files/kenkyuhokoku_219_11.pdf
※この報告書には、渡来系が多いとありますが、Y染色体もミトコンドリアも、その多くが縄文人にもあるタイプのようです。
○鹿児島県宝島大池遺跡B地点出土貝塚前期人骨のDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
神澤秀明,角田恒雄,安達登,篠田謙一 2020
大池1号 M7a1a
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2539/files/kenkyuhokoku_219_19.pdf
○鳥取県鳥取市青谷上寺地遺跡出土弥生後期人骨の核DNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
神澤秀明・角田恒雄・安達登・篠田謙一 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2670/files/kenkyuhokoku_228_24.pdf
○鹿児島県徳之島所在遺跡出土人骨のミトコンドリアDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登・竹中正巳 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2687/files/kenkyuhokoku_228_41.pdf
○鹿児島県内出土縄文人骨のミトコンドリアDNA分析
国立歴史民俗博物館研究報告
篠田謙一・神澤秀明・角田恒雄・安達登・竹中正巳 2021
https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/record/2681/files/kenkyuhokoku_228_35.pdf
○茨城県教育財団文化財調査報告第446集
下河原崎高山古墳群2
令和2年3月
上河原崎・中西特定土地区画整理
事業地内埋蔵文化財調査報告書6
骨番号512 不明
骨番号593 D4j?
骨番号594 G2
骨番号595 D4a?
骨番号611 A
骨番号871 D4e
骨番号963 D4
骨番号1015 D4
https://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/36/36886/71156_1_%E4%B8%8B%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E5%B4%8E%E9%AB%98%E5%B1%B1%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E7%BE%A4%EF%BC%92.pdf
○本土日本人の起源の解明:弥生時代のゲノム解析
水野文月
科研費報告書 2019
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-17K07588/17K07588seika.pdf
(データなし)
○Population dynamics in the Japanese Archipelago since the Pleistocene revealed by the complete mitochondrial genome sequences
Fuzuki Mizuno et al.
Scientific Reports 2021
https://www.nature.com/articles/s41598-021-91357-2
○Diversity in matrilineages among the Jomon individuals of Japan
Fuzuki Mizuno et al.
Annals of Human Biology 2023
https://doi.org/10.1080/03014460.2023.2224060
○Northeastern Asian and Jomon-related genetic structure in the Three Kingdoms period of Gimhae, Korea
Pere Gelabert et al.
Current Biology 2022
https://www.heas.at/wp-content/uploads/2022/06/Gelabert-et-al.-2022_compressed.pdf
※この論文には、金海の人々は縄文人と紅山文化人との混血とあり、後者のY染色体のハプログループNが67%と過半数になるはずが、示されているデータにはNがありません。また、紅山文化人のミトコンドリアのデータは見つからないようなので、「混血」の根拠が不明です。逆に、弥生人とするなら、どちらも一致するため、すっきりと説明できます。
2023-09-01 22:13
コメント(0)