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新型コロナ なぜインドで感染爆発が起きたのか【追記あり】 [新型コロナ]


日本のニュースでも派手に取り上げられているとおり、インドで新型コロナの感染爆発が起きています。

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その有力な犯人と目されているのは、インドで広まっている変異株B.1.617です。

ワクチンが新型コロナウイルスとして認識する特徴は「スパイクタンパク質」で、インド株B.1.617はこのうち2つのアミノ酸が変異し、日本で流行っているイギリス株N501Yは1つだけ。

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出所:東京新聞

常識的には、スパイクタンパク質が変異が多いほどウイルスは効かなくなるはずですよね。インドの感染爆発が他の国よりずっと激しいのはそのせいかなのもしれません。

しかし、もう一度最初のインドのグラフを見てみると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていないようです。

つまり、データを素直に解釈すると、ワクチン接種の影響でB.1.617の感染爆発が起きたことになります。

そこで、本当かどうか確認するために、インドの州別に接種者・感染者・人口の散布図(2021年4月28日現在)を作ってみました。

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データの出所:インド保健家族福祉省COVID19 INDIA

結論として、インドとお隣のパキスタン・バグラデシュでは、ワクチン接種者の増加→感染者の増加という傾向が見られます。感染者数は、人口とはあまり関係ないようです。

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この傾向は、対数目盛のグラフだとよりはっきりします(感染者は人口の1.0018乗=ほぼ比例)。逆に、人口で比較すると、感染者は人口の0.84乗でしか増えていないので、人口が多い州ほどワクチン接種が進まず、結果的に感染率が低くなっているという可能性が考えられます。

日本では、イギリス株N501Yがそうなりますが、変異が1つだけなので、感染増はインドよりはマイルドだと仮定すると、実データをうまく説明できます。

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出所:NHKニュース

これは、細菌ではウイルスが効かない「耐性菌」と言われていて、割とよくあるパターンです。

以上のデータは、

・インドで国産ワクチンCovaxinの接種が本格化→インド株B.1.617が急増
・日本でファイザー製ワクチンの接種が本格化→イギリス株N501Yが急増

といった、ワクチン接種による猛烈な淘汰圧→新型コロナウイルスの変異を促進→既存のワクチンが効かない変異種が急増→感染爆発、というような現象が起きた可能性を示しています。

繰り返しになりますが、最初のインドのデータを見ると、3月の一般市民へのワクチン接種の前にはB.1.617は増えていません。

つまり、ワクチン接種をしなければ感染が拡大しなかった、という可能性は否定できないのです。

インドと同じように、日本でもイギリス株N501Yが急増し、同時に感染が増加しています。このことは、インドで起きていることと同じことが日本でも起きている証拠なのかもしれません…。

【参考】
現在、ワクチン接種で感染者が増えるとすると、これらの実データと一番整合性があるのは「抗体依存性感染増強(ADE)」説です。ワクチン接種者はPCR検査はしないので、猛烈にウイルスをまき散らす「スーパースプレッダー」になってもわかりません。なお、自然免疫(BCGなどで強化される)の抗体は数ヶ月前で消えるのでADEとは無縁です。

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出所:日経バイオテク

【2021.4.29 13:00追記】
感染症の専門家からわかりやすいツイートがあったので拝借します。


【2021.4.29 13:30追記】
新型コロナのようにウイルスの変異が早い場合は、ワクチンの淘汰圧がかかるというよりは、その影響で特定の変異株が短期間で指数関数的に急増するということなのでしょう。そう考えた方が実データとの整合性があるようです。
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