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12/25 20:15 BS231 放送大学 錯覚の科学('20) 第13回 科学的思考と錯覚 を見て [テレビ番組]

[カチンコ]放送大学[TV]の錯覚の科学('20)は、実はレコーダーに自動録画されていました[たらーっ(汗)]

早速見てみてみましたが、前回と比べて「画期的」な変化を発見しました[パンチ]

冒頭の3:50ぐらいからは「超常現象」として、

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中高生650人に聞きました(2008年調査)
・超能力者は本当にある
・心霊現象は実際にある
・予知夢は現実にある
・血液型と性格は関係ある
・霊能力者は病気を除ける
・宇宙人のUFOは存在する
・占いがよくあたる

と紹介されているのですが、その説明として…

・現代の科学知識をもって否定しまうとしたら、それはひょっとして科学の傲慢かもしれない。
・本当にあるのかどうかは、きちんと研究してみないとわからないので、この授業ではあまりふれない。

とあらかじめ予防線を張っているのですw

血液型と性格は、10:00ぐらいから19:40ぐらいまで説明があります。

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ここでは、血液型と性格には全く関係がないのではなく、「はっきりと人を見分けられるような生得的な関係があるとは言えない」(12:00ごろ)と言ってます。

つまり、弱い関係があることは暗に認めているわけです。

否定の根拠についてですが、戦前(昭和の初め)の研究だとのことで、具体的な統計データは一切出てきません。しかし、このころはロクな統計的手法がないので、否定されたのは統計的な根拠によるのではありません。これは、実際にこれらの論文を読めばわかります。

たとえば、血液型でよく使われるχ2検定が初めて提唱されたのは1934年です。当然、当時の論文では採用されていません。

そしてまた、当たっているように錯覚するのは、血液型の特徴があいまいで誰にでも当たっている「バーナム効果」が理由だということですが、それなら「A型が几帳面」などと言われるのは明らかに矛盾します。
もし、「A型が几帳面」がバーナム効果だとするなら、B型は「A型と同じように几帳面」と言われても誰もが納得するはずですw

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この山岡さんの研究で「血液型をめぐる不快な体験」があるのは、血液型によって明らかに違うのですから、これまた上の説明とは矛盾します。

なぜなら、もし「バーナム効果」が本当だとすれば、同じことを言われてもB型が一番気になることになるからですw

また、山岡さんの持論は、少なくとも統計的に血液型と性格には関係がある(ただし、それは「思い込み」による錯覚)ですが、このことも全く無視しています。

さて、講師の菊池さんは、28:50頃に疑似科学の兆候は、

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・反証可能な理論や態度
・無知へのアピール
・立証の消極性や立証責任の転嫁
・最善の方法論の不採用
・体験談の重視と、科学的ルールの軽視
・統計と心理的要素の軽視
・発見の文脈と正当化の文脈の混同

と述べています。

しかし、いままでに述べてきたように、彼の血液型と性格の否定の論理は、これらの「疑似科学の兆候」にほとんどすべてに当てはまるのです。

なお、現在もっとも権威(インパクトファクター)があるとされる弘前大医学部・土嶺章子さんらの論文では、血液型の典型的な性格どおり、A型は「忍耐強い(persistence)」という結果が得られています。

Shoko Tsuchimine et al. ABO Blood Type and Personality Traits in Healthy Japanese Subjects.
A subsequent univariate analysis showed a significant difference in the mean scores for Persistence among the genotype groups (F = 2.680, partial η2 = 0.010, p = 0.020).

TSUCHIMINE.PNG

このように、否定する根拠やデータを何も示さずに、否定されたと「信じろ」というのは、非常に「疑似科学」に類似しているように思えます。

もはや、この講義は面白い冗談としか考えられません…[わーい(嬉しい顔)]

放送大学に問い合わせてみることにします。

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