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新型コロナは沈静化しつつある!?【5月9日・残された謎】 [新型コロナ]

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前回の記事の続きです。

幸いなことに、池田信夫氏などによる「3月末ピークアウト説」の正しさが証明されつつあります。
新規感染者は激減し、目に見えるほど患者が減り始めました。

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出所:東洋経済 新型コロナウイルス国内感染の状況

政府は出口戦略を5月31日まで延長しましたが、実質的には問題の少ない県からどんどん解除されつつあります。

SmartNewsによると、5月8日の感染者は89人でした。
NHKの夜7時のトップニュースで、毎日報告してた人数を言わなくなったのが象徴的です。
ちなみに、トップニュースは給付金、つまり出口戦略についてでした。
連休中に完全に「空気」が変わったようです。

さて、記憶が薄れないうちに、残された謎について書いておきます。

【謎4】抗体を持っている割合は?

本当は、5月1日に抗体検査の結果が公開されるはずでした。
しかし、5月9日 11:00現在までには何の発表もないようです。
もっとも、推測自体は割と簡単です。

結果ですが、抗体を持っている人が230万人で人口比2%、致死率は0.03%となりました。
オーソドックスなSIRモデルでは、全員が感染するという前提になっているので、これだけ違うと予測が外れるのは当然というべきでしょう。

余談ですが、ヨーロッパからの第2波による被害は、3月末からだとすると全体の約9割です。
早めに入国制限をして、感染を第1波だけに抑え込めれば、被害はほぼ1/10(感染者1000人、死者60人)だったことになります。

備忘録として計算結果を書いておきます。

【計算結果】

現在公表されているのは、東京都神戸市の結果です。

抗体を持っている人数は、

《東京都》
・事例1…111人中9人が陽性(8.1%)
・事例2…202人中12人が陽性(5.9%)
○加重平均だと313人中22人が陽性(7.0%)
→人口1395万人×7.0%=97.7万人

《神戸市》
・事例…1000人中33人が陽性(3.3%)
○性別と年齢を補正後…2.7%が陽性
→人口152万人×2.7%=4.1万人

感染者との割合は、

《東京都》
→抗体保持者97.7万人÷感染者4800人=200倍

《神戸市》
→抗体保持者4.1万人÷感染者270人=150倍

となります。

東京都と神戸市の傾向はぼ同じなので、再現性があるようです。
ただ、東京都の事例は、医療関係者が含まれているので高めに出ているかもしれません。
そこで、神戸市の比率150倍を採用し、日本全体の感染者を推計してみると、

○抗体を持っている人
→感染者1万5000人×150倍=230万人

○人口比と致死率
→人口比230万人÷1億2600万人=2%
→致死率600人÷230万人=0.03%

【参考】

抗体を持っている人が230万人で人口比2%、致死率は0.03%なら、発表すると相当な騒ぎになりそう…。
そのほかに、現場が混乱するという懸念もあったようです。
確かに、PCR検査騒ぎの二の舞にもなりかねませんね。

日経メディカル 2020.5.2
現状の新型コロナ抗体検査は社会混乱招くだけ

R(実効再生産数)は、実データに基づく推定値は0.8です。
つまり、感染は何もしなくとも自然に終息することになります。
もっとも、1人の感染者からは5人の2次感染者が発生してしまうのですが(0.8+0.8×0.8…)。

【謎5】専門家会議は役割を果たしたのか?

残念ですが、本来の「医学的な見地から助言等を行う」という役割を果たしたとは言えません。

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出所:新型コロナクラスター対策専門家のツイッター

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出所:時事通信 4月3日付
新型コロナ、厳格な外出制限を 接触8割減で急速に減少―北大教授が試算

何もしないと「42万人が死亡する」という西浦氏の予測は論外として、データで検証してみると、「自粛」「8割削減」「クラスター対策」は、どれも効果はなかったようです。

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出所:ちきりんさんのつぶやき

結果論になりますが、早めに入国制限をして、感染を第1波だけに抑え込めれば、被害はほぼ1/10(感染者1000人、死者60人)になり、これが最も効果的である可能性が高いことになりました。

ふと思い出して、池田氏の「失敗の法則」を読み直したのですが、福島第一原発、豊洲市場…と、同じパターンを繰り返しているのは残念です。

失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか

失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか

  • 作者: 池田 信夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: 単行本

「将軍たちは一つ前の戦争を戦う」、つまり昔の感染症で有効だった数理モデルや対策は、残念なことに役に立たなかったことになります。

専門家なら、データを緻密に分析・検証し、斬新で効果的な対策を立て、すぐに実行できる能力があるはずなのですが、今回もそういったことは起こりませんでした。
驚異的に少ない日本の死亡者は、BCG接種の効果なのではないか言われていますが、国内の専門家が検証する動きは見られません。これは決して例外ではなく、糖質制限でも同じことが起きています(余談ですが、血液型と性格も同じ)。

また、多くの人が気づいているように、厚労省の統計は、ネットやマスコミの1日遅れでした。
生データが一番早く入手できるのは、言うまでもなく国などの行政機関なはずですが、なぜ遅かったのでしょう?
それは、保健所の生データと厚労省とのやりとりが、ネットではなく電話やFAXだったからです!
いまどき…と思うんですが、現場からの要望で状況が改善されることはありませんでした(予算要求が削られた?)。

ラッキーなことに、「外圧」で、具体的には現場の医師のツイッター→河野防衛大臣→予算化というプロセスをたどり、" target="_blank">あっという間に10億円情報システムが開発されることになりました。

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出所:ツイッター

しかし、よかったと喜ぶ人ばかりではなく、私のようにがっかりした人も多いと思います。

以上のことは、日本の多くの組織において、過去の成功体験を自己否定することが、極めて難しいことを示しています。
こういう厳しい現実を見せつけられると、本当になんとかならないかと悩んでしまいますね。

とはいっても、先が見えてきたことは確かなので、気を取り直して頑張っていきますか。[るんるん]

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