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心理学の性格検査の結果は、「血液型人間学」とぴったり一致する!【続】 [サイト紹介]

前回の続きです。

統計学の大家である三重大学の奥村晴彦教授のサイトで、血液型の統計解析があることを見つけました。

・話題: B型の彼氏 / 血液型と性格の無関連性 / またまた血液型と性格

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疑問点をメールで書いて送ったら、親切に4月4日付けの説明が追記されました。
こういう場合は、普通なら全く無視されるのですが、大御所なのに腰が低いのには驚きました。
お忙しいところ、本当にありがとうございました。

ただ、追記された説明には致命的な間違いがあります。
再度この点もメールで送っているのですが、現時点(2019年4月6日 7:00)では特に何のアクションもないようです。

さて、「またまた血液型と性格」での2019-04-04追記の問題点は、次のとおりです。

1. 特に日本や韓国など血液型性格判断を信じる人が多い国では,性格テストに現れる性格は,血液型に影響されてしかるべきである。「□型の性格は○○である」と聞いて育った□型の人は「自分の性格は○○だ」という先入観を持ち,性格テストでもそのように答える傾向があってもおかしくない。

しかし、本当にそう考えているとは思えません。

というのは、これは他の記述と矛盾してしまうからです。
そもそも、

「自分の性格は○○だ」という先入観を持ち、性格テストでもそのように答える

のなら、彼のサイトの[推測]統計学は不要になります。
なぜなら、血液によって差が出ることは、初めからわかっているのですから…。
#初めから推測すべき数値の「真の値」がわかっているなら、「有意差」や「推測」は無意味かつ不要です。

つまり、

2. 「統計的に有意」(p < 0.05)かどうかで効果があるかないかを判断するのは統計学の誤用である。有意でなくても効果がないことが示されたわけではないし,有意であっても偶然かもしれない(偶然に有意になる確率が5%もある)。
3. 慣習的な統計的検定を使う際には,多重比較に陥らないように注意すべきである。この論文のように変数が7個もある場合は,全部をまとめた検定(上の例ではMANCOVAやMANOVA)をまず行い,それが有意にならなかったら,個々の変数についての検定は参考程度にとどめる。

は、1.とは両立しません。
繰り返しになりますが、「真の値」には、必ず血液型によって差が出ていることが保証されているわけですから…。

同じように、TCI(性格テスト)でPersistence(行動持続…一生懸命、忍耐の強度を表す)が血液型で予想した結果(A型B型O型より高く、B型が最も低い)と一致するのは、「真の値」がそうだからということになります。
また、Persistence以外で差が出なかったとすると、それは元々血液型とは関係ないからということです。

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さらに問題があって、「B型の彼氏」でB型の男が感覚派なのは、「真の値」がそうだということで、他では差がないのは元々血液型と関係ないからということになります。

そして「血液型と性格の無関連性」は、たまたま68項目全問を(なぜか)血液型と関係ない質問にしてしまったからということになります。javascript:openFixedPhrase('article__body_more','myform');

これは、奥村さんの主張をベースにした場合の論理的な帰結ですが、彼が本心からそう思っているとは(少なくとも私には)信じられません。

#余談ですが、大阪大学の菊池誠さんに同じことを質問したら、徹頭徹尾“回答拒否”でした。

問題はまだまたあります。

繰り返しになりますが、奥村さんの「またまた血液型と性格」での2019-04-04追記には、

1. 特に日本や韓国など血液型性格判断を信じる人が多い国では,性格テストに現れる性格は,血液型に影響されてしかるべきである。「□型の性格は○○である」と聞いて育った□型の人は「自分の性格は○○だ」という先入観を持ち,性格テストでもそのように答える傾向があってもおかしくない。

とあります。
これは、日本人や韓国人に「○○の性格」を質問すると、多くの場合は「バイアス」がかかった結果が得られるということです。

このことを一般的に拡張すると、日本人や韓国人の「自己報告の性格」には、血液型のバイアスが多いのであまり信用できないということになります。
必然的に、心理学の性格テストのような、「自己報告の性格」をベースにしたものの結果は、信頼性が低いということになります。

ただし、そういう見解は、どちらかというと少数派です。
心理学では、通常「自己報告の性格」は正しいものとして扱います。
たとえば、心理学者の白佐俊憲さんは著書「血液型性格研究入門」で、

自己報告型の質問紙調査の結果は、通常「その人の性格そのもの」を表わすと受け取られている(「その人の性格」ではなく、あくまで「その人の性格の認知」を表わすというふうにもってまわった考え方は普通しない)。

と述べています。

以上のようなことから、最近の心理学者は、統計をベースに議論することは極力避けるようになったようです。

サイトやメールから判断すると、奥村さんは気さくで実直な方かと思いますが、おそらくこういう「タブー」には触れないままだと思います。

ちょっと残念です。

血液型性格研究入門―血液型と性格は関係ないと言えるか

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  • 作者: 白佐 俊憲
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