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“差別”を防止するのは、正しい知識で「決めつけ」を防ぐことが大事 [論文]

否定派で有名な山岡さんが昨年発表した論文を読んでみました【2017.9.30 11:00 グラフを追記】。

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山岡重行 血液型差別に及ぼす放送倫理・番組向上機構(BPO)勧告の効果 日本社会心理学会第57回大会論文集(2016年)

【結果と考察より抜粋】
BPO勧告により、血液型性格を露骨に肯定する情報をTV番組が発信することがなくなった。それにより、血液型性格の熟知度も確信度も[1999年と比較すると2014年では]低下し、各血液型性格のイメージの差[B型のイメージが悪いこと]も減少していることが明らかになった。[中略]しかし、「血液型のために差別された」は減少していない。

しかし、この記述には少々疑問点があります。まず、
(1)血液型性格を露骨に肯定する情報をTV番組が発信することがなくなった、ということはありません。否定(5/2TBSなど)も肯定(2/8フジなど)も番組は少ないながらあります。
(2)血液型性格の熟知度(各血液型の特徴をどの程度知っているか)も確信度も低下し、とありますが、2014年の確信度(どの程度信じているか)は1999年より大幅に低下しましたが、熟知度は1999年と2014年はほぼ同じです。
ただし、(3)各血液型性格のイメージの差も減少している、はそのとおりです。

この山岡さんの説明の難点は、『自分の説明書』が爆発的にヒットした2008年ごろには、「知識」(=熟知度)はほとんど変化がないのにもかかわらず、「信じている人」(=確信度)が急減し、またそれらの結果としてB型のイメージがよくなったことを説明できない(B型のイメージ得点が上がったので…)ことです。
山岡さんによると、知識が多ければ信じる人も多くなるはずだから、B型のイメージがよくなることはあり得ないはずですから…。

では、イメージの差の減少、言い換えれば2008年ごろからB型のイメージがよくなり始めたのは、どんな理由が考えられるのでしょうか?

とりあえず、山岡さんのグラフから、血液型の「イメージ得点」と「確信度」の相関を試算してみることにしましょう。
残念ながら、この論文には数値が書いてないので、グラフから同じ年の大体の数字を読み取ってみます。

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この数値をベースにB型の「イメージ得点」の数値と「確信度」の相関係数を試算してみると、約0.8(グラフのR2の平方根…以下同じ)と非常に大きな数字となります
#相関係数は、0~1の値をとり、0は全く関係がない~1は完全に関係あるとなります。
つまり、血液型を信じているほどB型のイメージが悪化する…という傾向が見て取れます。
#もちろん、専門的な言葉で言う「効果量」は大です。

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同じB型では「熟知度」との相関は約0.6ですから、これも数値が大きいのですが、実はちょっとした落とし穴があります。
血液型の知識があるほどB型のイメージが悪化する…という傾向となります。

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なぜなら、「確信度」と「熟知度」の相関は約0.6ですので、データ的には確信度だけで「イメージ得点」の差の減少は説明できるのです(念のため、熟知度は1999年と2014年はほぼ同じです)。

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そうなると、2014年にB型のイメージが昔よりよくなったのは、血液型の「知識」(=熟知度)が減ったからではなく、「決めつけ」(=確信度)が減ったからだという結論になります。なるほど、考えてみれば当たり前ですね。

(4)しかし、「血液型のために差別された」は減少していない。とありますから、この“差別”はイメージや決めつけが原因ではない可能性が高いことになります。

理由は別のデータを見れば簡単で、血液型(県民性、性別…のような自分で変えられないもの)で性格を「決めつけられる」のに反対な人は2割弱いるのです。

しらべぇ 血液型を聞かれることが嫌な人は15.7% 圧っっ倒的に目立つB型の人たちの声!
しらべぇ 「高知県民は情にアツい」「は?」TVの県民性番組に15.0%が「暴論や!」

これはイメージ云々とは関係ないはずなので、「血液型のために差別された」は減少していないのは当然です。

よって、“差別”を減らすには、正しい知識を普及させて「決めつけ」を減らすのが一番有効だということになります。だからBPOの要望はあまり関係ないのです。

能見正比古さんは、血液型で性格を「決めつけ」るのは反対ですから、血液型の正しい知識を普及するのが一番大切だということなります。もちろん私も同感です。


さて、細かいことを言うと、これまでのことを確認するするためには、血液型のイメージ得点と確信度の「相関」ではなく、「偏相関」を計算しないといけないですね。
#偏相関とは、他の影響を除いた、純粋にその要因だけの影響度を示します。

ということで実際に計算してみました。気になる結果ですが、O型とB型についてはほぼ1となり、(細かいことを言うとB型はマイナス1となります)、熟知度との相関はほぼ無視できます。
AB型の偏相関係数は約0.6(細かいことを言うとマイナス0.6)で、これも熟知度との相関はほぼ無視できることになります。
#いずれも、血液型のイメージ得点と熟知度との相関(絶対値)は0.1~0.2であり、確信度に比べると無視できるほど小さくなります。

A型は、もともとほとんど熟知度と確信度との相関がほとんどなく、イメージに変化がありません。

よって、血液型のイメージの差は血液型の知識の量(各血液型の特徴をどの程度知っているかという「熟知度」)とは関係なく、決めつけの程度(どの程度信じているかという「確信度」)によって影響されることがわかりました。

ということなので、BPOが何と言おうが関係なく、“差別”を防止するのは、正しい知識で「決めつけ」を防ぐことが大事なことが、現実のデータによって裏付けられたことになります。

ここで再び、能見正比古さんの「血液型十戒」を紹介しておきます。

1.血液型で、人の性格を、決め付けてはいけない。
2.血液型が、性格のすべてであると思ってはいけない。
(中略)
10.血液型による違いより、人間どうし共通性がはるかに大きいと思うべきである。

やはり、正しい知識の普及が不可欠のようです。


コメント(1) 

コメント 1

欺善者

差別を防止しようにも、世の中は「自由・平等・人権」という闘争の火種によっていがみ合うよう仕向けられており、「正しい知識」が普及するような状況にありません。その前に国民の精神治療が必要だということです。「正しい知識」とは何なのか、という根本的な問題はありますが、争いによって差別を生み出しているのは「平等主義者たち」です。自由が保証されると「権利」が発生しますが、自由と平等が両立する訳がなく必ず格差が発生します。マスコミに「少数弱者に対する差別はいけない」と刷り込まれ、狂ったような平等主義による「差別狩り、言葉狩り」が横行していますが、それが正義であるかのように受け入れられてしまっており、ダイバーシティだの、LGBTだのという概念が異常だと正常な判断が出来なくなっています。

憲法改正の真意は「軍隊の肯定」などにあるのではなく、国民の精神を狂わせている日本国憲法で保証された「自由・平等・人権」という共産主義の呪縛を絶ち切ることにありますが、こう書くと、憲法改正に対して狂ったように激昂する平等教信者の精神構造が理解しやすいのではないかと思います。その左翼には全ての血液型が存在しており、政治や世の中が血液型ではなくイデオロギーで動いていると分かります。そして、この「自由・平等・人権」という謳い文句が、世界の民主主義国家と共通のものであることに気付くはずで、世界中がこの狂ったイデオロギーの病理に冒されているのです。

血液型は人間の思考性と密接な関係があるのだから、マルキストに血液型の特徴は出るのか気になるでしょうが、ほとんど似たようなもので見分けがつかないのではないかと思います。枝野、蓮舫、細野、岡田、福島瑞穂、辻本清美、共産の志位などが主張することはいつも皆同じで、「自由・平等・人権」といった抽象的な概念による虚構論理の解釈に大きな違いは見られません。血液型を問わず頭が馬鹿になっているのですが、本人たちにその自覚はなく「自由・平等・人権・平和・民主主義」が絶対に正しいと信じて疑わないのは、政治家だけでなく国民も同じことです。

>血液型の正しい知識を普及するのが一番大切
これは残念ながら綺麗事の理想論で、現実の虚構社会で実現は困難だと思います。思考停止した民衆には自分で考える能力がないので、誰か有名な知識人に判断してもらい、その「多数的意見」という常識の中に居れば間違いない、大人数の意見は正しいと信じられています。民主主義の理屈と同じで、民衆が正しい判断を下せる、民意が正しいと思われていますが、無知蒙昧な民衆による民主主義は必ず衆愚政治になり、「言論の自由・参政権」を盾に口出されて混乱するだけです。
何故、安倍首相以外の歴代総理が短期間で悉く入れ替わっていたのか、マスコミが衆愚性を利用して意見が纏まらないよう仕向けていただけのことで、森友・加計・豊洲・リニア談合なども同じことです。その内、「貴ノ岩の件」も強引に安倍首相と結び付けられるかも知れませんが、視聴者に「何となく胡散臭い」ような印象を与えて支持しないよう失脚させてきたのが過去なのです。勿論、中には本物のスキャンダルもいくつかはありましたが、要するに足を引っ張るためなら事実であろうとなかろうと、手段は選ばないという訳です。このご時世に増税というのも、政権を失脚させるなら増税をやらせればいいということで、財務省など官界に反日左翼が巣喰っていると考えれば分かりやすいと思います。何故、血液型で政治が読めないのか、世の中の構造を理解しなければ分かるはずなどありません。

血液型十戒は、能見氏の思想が反映された「血液型イデオロギー」ともいうべきもので、1や2には異論は有りませんが、10の「血液型による違いより、人間どうし共通性がはるかに大きいと思うべき」には、能見氏が生まれた時代の左翼思想(連帯・平等・平和)の影響が強く感じられるので、個人的には、「血液型で民族性を無視して人類の連帯と平和を説いてはいけない」と反論したくなります。多くの人間がこの綺麗事を欺瞞だと見抜けず正義だと錯覚しています。「血液型だけはイデオロギーから遠ざけておかなければ」と言いながら、自分の(共産主義的な)イデオロギーには無頓着でしたが、何にせよ、能見氏の個人的な信条は、本来、血液型人間学とは無関係なものなのでお断りしたい。科学で人間性をいうなら差別や偏見はいけないなどと言わず、冷徹な目で現実を受け入れるべきなのに、「平等・連帯・平和」のグローバリズムに毒されています。ユダヤ教のモーゼの影響でしょうか。
更には、「血液型で民族性・文化・社会・政治・歴史を語ってはいけない」と追加したくなります。血液型は人間が先天的に持っている本能の一つですが、家庭を持ったり子孫を残すための生殖行為などの本能も人類史に影響を与えてきたと言えば当たり前な訳で、余り本質とは言えません。要するに、それらは血液型で語れることではなく範疇ではないと思うので、差別を防ぐというなら、「正しい知識」とは何なのか定義が必要です。

我々の祖先は、欧米列強に対抗するため、アジアの野蛮人の獰猛な性質を無視して連帯しようと酷い目に遭いました。まるで、琵琶湖に獰猛な外来種を「共存」しろと解き放つようなもので、自然の生態系を破壊し平和を脅かす愚かな行為ですが、人間以外の生物に対してはそれが自然に考えられるのに、何故、人間自身のことになると無知蒙昧になるのか。自然の本能は種族が絶滅しないように子孫を残すようになっているのに、何故、交配させて雑種を作ろうとするのか、それではその種族が先天的に持っている自然の性質が失われてしまいます。
多様化多民族化を謳う左翼の狙いは、遺伝子的に精神性・民族性を絶滅させる、即ち革命を達成することにあり、連帯・共存共栄・多様化・国際化などは、その邪悪な狙いを覆い隠すレトリックに過ぎません。武力を使わず侵略が可能というのは事実であり、我々は、大東亜戦争当時を凌ぐ最大の国難に対峙しているという意味が分かるでしょうか。これが出来て、初めて我々の祖先が置かれていた状況と同じだと理解できるのであり、大東亜戦争の総括ができるのです。軍隊を放棄すれば平和になるというのは、身を守ることを放棄させるための反日左翼の戯言に過ぎません。そうして今、北朝鮮や支那の脅威に脅えているのが現実なのですが、ポル・ポトの虐殺やスターリンの粛清、チベットやウィグルの状況というのは他人事ではないのです。我々の祖先はその共産主義の脅威に対抗していたのですが、共産主義者の狡猾な破壊工作は政権や軍に及んでいて、内部から崩壊して破滅してしまい、子孫の我々はその代償を今払っているのです。

以下のサイトは、共産主義が「国家を破壊するには家族を破壊すること」として、女性の社会進出・男女雇用機会均等法・男女共同参画社会など、所謂フェミニズムがもたらした「少子高齢化」が、どのような結果になっているのか現実を教えてくれる例ですが、人間関係が希薄になり、これ程までに我が国の家族制度は破壊されているのです。反日極左のAB型実業家・柳井正の「現実を視よ」という言葉を思い出します。
http://blog.goo.ne.jp/clean110

by 欺善者 (2018-01-02 20:14) 

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