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7/19 読売新聞Web版 血液型と性格「関連なし」…九州大講師が解析【おまけ】 [縄田氏の論文]

読売新聞の2015年7月19日夕刊の記事、

■血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査

についてですが、統計的な分析が間違っていることは、既に説明済みです。ここでは、別の角度からこの記事を眺めてみましょう。
さて、この記事には、
血液型を巡っては、特定の血液型の人格が否定的にとらえられる例があり、問題視されている。厚生労働省によると、採用面接などで血液型を尋ねられるケースは後を絶たず、同省は「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」として、血液型を質問しないよう企業に求めている。大阪労働局によると、採用試験の応募用紙に血液型などの記入欄を設けていた企業に対し、是正するよう行政指導した例があるという。
とあります。このうち、前半の厚生労働省に関する記述について調べてみました。
この記事には、
同省は「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」として
とありますが、ネット上でこの内容が確認できたのは熊本労働局のサイトだけです。厚生労働省本省のサイトにはないし、他の労働局ではほとんど確認できませんでした。いくらなんでもこれは言い過ぎでしょう(さすがに全労働局は調べてませんが…)。筆が、いや指が滑ったのでしょうか?

もっとも、後者の「採用試験の応募用紙に血液型などの記入欄を設けていた企業に対し、是正するよう行政指導した例がある」のは、大阪労働局以外にも見られますから一般的だと思います。まぁ、これは当然でしょうね。
ただ、例外として、採用時に血液検査をすることは好ましくはないが可能のようです…。
もっとも、採用時にそこまで検査する会社って聞いたことがないんですが、本当にあるんでしょうか?
個人的に面白かったのは、血液型ごとに点数を付けて、B型に一番高い点数を付けた企業があるらしいことです(笑・本当かどうかは知りません)。ひょっとして、社長がB型なんでしょうかね?

また、どうも読売新聞は血液型がお嫌いらしく、2015年5月28日夕刊にも、

■血液型 ハラスメント…性格判断で不快な思い

という記事が掲載されています。
「A型の人は○○」「B型の人は△△」。血液型性格判断を自分や友達、有名人などに当てはめて話題にした経験は多くの人があるはず。
だが、血液型だけを根拠にステレオタイプで性格を決めつけられることに不愉快な思いをすることも少なくない。これを「ブラッドタイプ(血液型)ハラスメント」として問題視する声が上がっている。
[http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=119102]
これは少々行き過ぎでしょう。さすがにこの記事にも、
昨年6月には、血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする研究結果を九州大の講師がまとめた。この結果を受けて、インターネット検索サイト大手のヤフーが翌7月に意識調査したところ、血液型と性格は「関係あると思う」とする回答が54%で、「関係ないと思う」の40%を上回った。法政大3年の森一樹さん(20)は「血液型が会話のきっかけになるのはいいと思う」と話す。
とあります。これが正常な反応というものというものでしょうね。
もし仮に、その人が“不愉快”だという理由だけで、他人の発言を規制できるとしたら、とんでもないことになります。私は「スポーツ」が嫌いだから、サッカーのラグビーの話は禁止、「占い」が嫌いだから星座の話は禁止…とかされたら、世の中がギスギスして、何も話せなくなってしまいますよね(笑)。
いくらなんでも、そんな世の中にはしてほしくないです…。
そういえば、一昔に前に「ミスコン」が“差別”だとして騒がれましたが、最近では復活しているようです。これがまともな行き方というものでしょう。
血液型も、いくら自分が嫌いだからといって、他人が話題にすることまで規制しようとするのでは、いくらなんでも行き過ぎではないでしょうか?

弁護士ドットコムでも、
「B型の人はワガママだ」血液型で性格を決めつける「ブラハラ」のどこが問題か?
単に『血液型のことで嫌なことを言われ、不快な思いをさせられた』というだけでは、ただちに違法ということになるわけではありません。…
どんな場合に違法といえるだろうか。
「たとえば、血液型を理由に減給処分にされる、血液型が原因で上司から日常的にひどい嫌がらせをされる、といったことがあれば、問題となるでしょうね。
[https://www.bengo4.com/roudou/n_3263/]
とあります。
確かに、減給処分にされたり、パワハラをされるのは論外です。
しかし、みんなが血液型の楽しい話題で盛り上がっているのを、1人で盛り下げるというのは大人げない態度というしかないでしょう。

繰り返しになりますが、若い女性は血液型の話題が好きです。いくら血液型が嫌いだからといって、若い女性の前で露骨に否定するのは止めておいた方が無難です。

なお、統計的には既に決着済みですので念のため。
○『血液型と性格「関連なし」…九州大講師が解析』の逆解析
 [http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/nawata.htm]
○血液型と性格の関係は「思い込み」ではない!
 [http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/bias.htm]

それに、記事中に紹介されている山岡さんは、「血液型性格判断の差別性と虚妄性(自主企画②)」の中で、大学生6660人を調べたところ「多くの項目で有意差が出た」ということなので、少なくとも統計的には縄田さんの結論『計68項目の質問に対する回答のうち、血液型によって差があったのは「子供の将来が気にかかる」などの3項目だけで、その差もごくわずかだった』は全面的に否定されています。読売新聞の記者は、きちんと論文を読んで内容を確認しているのでしょうか?
#私にはそうは思えません。

それから、記事中に、
放送倫理・番組向上機構(BPO)は04年、「血液型で人を分類、価値付けするような番組は社会的差別に通じる危険がある」と各放送局に注意を呼びかけた。
とありますが、この「要望」は次のように実質的に撤回されています。
岡野誠さんがBPOを提訴した裁判の控訴審判決文
本件要望が、(中略) 血液型と人間の性格、行動パターン、病気等との関係を学術的に研究する学問自体の存在自体を否定したり、これについても占いの類と同列であるとして否定的な評価をしたりするものではないし、学術的に裏付けられた内容で、しかも、青少年にも配慮して番組を制作することを否定する趣旨を含むものとは解されない。
○血液型裁判
[http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/okano.htm]
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