放送大学 錯覚の科学('14)を見ました [テレビ番組]
結論としては、いままでとあまり変わりない内容です。
ただ、少し変わった点もあります。
それは「統計隠し」です。
否定する根拠としては、統計はほとんどありませんでした。
唯一の例として説明していたのが、大村政男さんの「ラベル付け替え」の実験です。
これは、別の血液型の特徴を、その血液型と言って示すと信じてしまうので、血液型と性格が関連する「科学的な根拠はない」というものです。
しかし、こんなことは血液型に限ったことではない(例えば、心理学の実験結果でもある)ですから、否定の根拠にはなりません。
#それは、説明している菊池さん自身も十分わかっているはずです。
#面白いことに「信じない人」も結構いて、それらの人は正しい回答をしています。
思わず笑ってしまったのが、パネルによる説明で、本当の特徴のO型とAB型が逆になっていたのことです。ギャグなのか、あるいは単純ミスなのかはわかりませんが、誰も気が付かなかったのかなぁ。
そして、もっと問題なのは、なんとか細胞でありませんが、本人が間違いなく意図的に統計データを無視していることです。
#言葉は悪いのですが、こうなると、ほとんど“捏造”です。
というのは、血液型ハラスメントの説明で、山岡重行さんのデータを示しているからです。山岡重行さんの主張は、明らかに「データに差がある」ですから、上の大村政男さんの結果とは矛盾しますし、そもそも最近の大村政男さんは、統計的な判断は保留しています。
やはり、ここまで無理しても、全面的に血液型を否定しないとまずいんでしょうねぇ。
本人が番組中で、そこまで大人げなく否定する必要はないのではないか、とも言ってましたが、それよりも、きちんとしたデータでちゃんと説明してほしいものです。
放送大学での説明なら、心理学の定説ということでしょうから、こうなると、なんとか細胞じゃないけれど、心理学自身での検証は無理なんでしょうね。やはり、ネットから黒船のような強力な外圧でもなければ…。
ある程度は予想していたこととはいえ、ちょっとがっかりしてしまいました。
【2014.7.6追記】
blogの読者から、この番組で「心理学会のずさんさと問題点が露呈した」というコメントをいただきました。
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