血液型と性格の常識(9) [血液型の常識]
前回(8)からの続きです。
前回のF検定の説明がわかりにくいということなので、今度は使わない説明にトライしてみます。![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
では、まず結論から…。
現実のデータを分析すると、2004年にテレビ
で血液型番組が毎日のように放映され、熟知度・確信度が高くなっても、回答は意外と影響されていないようです。
不思議というべきか、当然と言うべきか、微妙なところですね。
さて、山岡さんの論文には、
#大差はないと考えてもいいかもしれません。
【高受容群の有意差が出た項目数】
1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
つまり、(高受容群の人数が増えて)全体としては熟知度・確信度が高くなっても、高受容群の差に変化はないか減ったのですから、「思い込み」説にとっては、かなり不利な展開になります。
なぜなら、(高受容群の熟知度・確信度の基準は変えていないので)差が減ったということは「思い込み」が減ったことになるからです。
#差が生じるのは「思い込み」によるというのが「思い込み」説ですから…。
どう考えてもおかしいですよね?
#ここまでは(8)と同じです。
では、具体的な数字で説明してみましょう。
例えば、次のような「有名な特性」では、血液型による差(5点法による)が他の項目より大きく出ています。
【B型】マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
【AB型】気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
※数字は概数です。
ここで、山岡さんのいうとおり「2004年度に放送された大量のTV番組が血液型性格診断の知識を普及させ、それが正しいと信じる人間を増大させた」とします。
高受容群の熟知度・確信度の基準は変えていないので、高受容群の回答に変化はないはずです。つまり、
【1999年=2004&2005年】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
となるはずです。高受容群の人数は、
【高受容群の有意差が出た項目数】
1. 1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2. 2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
です。ここで、1.と2.で高受容群の回答(血液型による回答率の差)が変わらないとすると、高受容群の有意差が出た項目数はどうなるでしょうか?
実は、F検定の仕組みからいって、1.に比べると2.では有意差が出た項目数は増えることになります。しかし、現実には、1.と2.を比較すると、高受容群で差が出た項目は1999年の15項目から2004&2005年の11項目へと減っています。
これは、高受容群の回答(血液型による回答率の差)は、血液型による差が小さくなったということを示唆しているのです。
この現象は、山岡さんも別なところでは認めています。
以前にnさんに(こっそりと
)紹介した「血液型性格判断の差別性と虚妄性」には「2009年4月は熟知度は高いが確信度は最も低くなっており、知識が増えれば単純に信じるようになるわけではないようである」とあります。
#2008-2009年には『○型自分の説明書』が大ヒットしました。
では、一番妥当な推測はどうかというと、テレビ
や血液型本
で知識が増えたからといって、回答はあまり影響されないということになります。
これを実際の数字で検証してみましょう。
しつこいようですが、
【高受容群の有意差が出た項目数】
1. 1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2. 2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
で、1.に比べると2.では高受容群の人数は大きく増えました。しかし、増えても全体の回答が変わらないとすると、増えた分は元々は低受容群だったはずですから、血液型による回答の差はかなり小さかったはずです。つまり、
【1999年】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
【2004&2005年の推測】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.4 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.6 低受容群での差:0.2
といった具合に小さくなるはずです。![[ひらめき]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/151.gif)
ということで、1999年のデータで、有意差の出た項目がどうなるかシミュレーションしてみました。すると、ギリギリで有意だった次の4項目の有意差がなくなります。
【1999年→2004&2005年で有意差が出なくなる項目の推測】
A型 協調性がある
B型 行動的であり、好奇心旺盛である
AB型 親密な人間関係を避けたがる傾向がある/飽きっぽい
※F値が2.6~2.9(有意)→2.6未満(有意でない)
つまり、高受容群で差が出た項目が、1999年の15項目から2004&2005年の11項目へと減った事実とピッタリ一致します。
やはり、テレビ
や血液型本
で知識が増えたからといって、回答はあまり影響されないということなんですかね。
前回のF検定の説明がわかりにくいということなので、今度は使わない説明にトライしてみます。
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
では、まず結論から…。
現実のデータを分析すると、2004年にテレビ
![[TV]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/77.gif)
不思議というべきか、当然と言うべきか、微妙なところですね。
さて、山岡さんの論文には、
山岡(2001*1, 2006*2)が報告しているように,血液型性格判断はマスコミ情報に影響された思い込み,根拠をもたない俗信
出典:山岡重行「テレビ番組が増幅させる血液型差別」心理学ワールド 2011年1月号 52号 特集/偏見とステレオタイプの心理学 pp.8
出典(*1):山岡重行(2001)「血液型性格診断に見るダメな大人の思考法:思い込みと勘違いのメカニズム」ダメな大人にならないための心理学 ブレーン出版 pp.33-73.
山岡(1999)の熟知度・確信度と比較すると2005年の方が熟知度・確信度ともに高くなっていた(熟知度:.876,df=2660,p<.001;確信度:t=3.336,df=2660,p<.005)。やはり2004年度に放送された大量のTV番組が血液型性格診断の知識を普及させ、それが正しいと信じる人間を増大させたのである。とありますが、逆に高受容群(=熟知度・確信度が高い)でF検定で有意差が出た項目は1999年の15項目から2004&2005年の11項目へと減っています。
出典(*2):山岡重行(2006)「血液型性格項目の自己認知に及ぼす TV 番組視聴の効果」日本社会心理学会第47回大会発表論文集 pp.76-77.
#大差はないと考えてもいいかもしれません。
【高受容群の有意差が出た項目数】
1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
つまり、(高受容群の人数が増えて)全体としては熟知度・確信度が高くなっても、高受容群の差に変化はないか減ったのですから、「思い込み」説にとっては、かなり不利な展開になります。
なぜなら、(高受容群の熟知度・確信度の基準は変えていないので)差が減ったということは「思い込み」が減ったことになるからです。
#差が生じるのは「思い込み」によるというのが「思い込み」説ですから…。
どう考えてもおかしいですよね?
#ここまでは(8)と同じです。
では、具体的な数字で説明してみましょう。
例えば、次のような「有名な特性」では、血液型による差(5点法による)が他の項目より大きく出ています。
【B型】マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
【AB型】気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
※数字は概数です。
ここで、山岡さんのいうとおり「2004年度に放送された大量のTV番組が血液型性格診断の知識を普及させ、それが正しいと信じる人間を増大させた」とします。
高受容群の熟知度・確信度の基準は変えていないので、高受容群の回答に変化はないはずです。つまり、
【1999年=2004&2005年】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
となるはずです。高受容群の人数は、
【高受容群の有意差が出た項目数】
1. 1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2. 2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
です。ここで、1.と2.で高受容群の回答(血液型による回答率の差)が変わらないとすると、高受容群の有意差が出た項目数はどうなるでしょうか?
実は、F検定の仕組みからいって、1.に比べると2.では有意差が出た項目数は増えることになります。しかし、現実には、1.と2.を比較すると、高受容群で差が出た項目は1999年の15項目から2004&2005年の11項目へと減っています。
これは、高受容群の回答(血液型による回答率の差)は、血液型による差が小さくなったということを示唆しているのです。
この現象は、山岡さんも別なところでは認めています。
以前にnさんに(こっそりと
![[たらーっ(汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/163.gif)
#2008-2009年には『○型自分の説明書』が大ヒットしました。
では、一番妥当な推測はどうかというと、テレビ
![[TV]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/77.gif)
![[本]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/70.gif)
これを実際の数字で検証してみましょう。
しつこいようですが、
【高受容群の有意差が出た項目数】
1. 1999年 15項目(n=649 全体1300) … 全体として熟知度・確信度ともに低
2. 2004&2005年 11項目 (n=795 全体1362) … 全体として熟知度・確信度ともに高
で、1.に比べると2.では高受容群の人数は大きく増えました。しかし、増えても全体の回答が変わらないとすると、増えた分は元々は低受容群だったはずですから、血液型による回答の差はかなり小さかったはずです。つまり、
【1999年】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.5 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.8 低受容群での差:0.2
【2004&2005年の推測】
B型 マイペース型で、周囲の影響を受けにくい
→高受容群での差:0.4 低受容群での差:0.1
AB型 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある
→高受容群での差:0.6 低受容群での差:0.2
といった具合に小さくなるはずです。
![[ひらめき]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/151.gif)
ということで、1999年のデータで、有意差の出た項目がどうなるかシミュレーションしてみました。すると、ギリギリで有意だった次の4項目の有意差がなくなります。
【1999年→2004&2005年で有意差が出なくなる項目の推測】
A型 協調性がある
B型 行動的であり、好奇心旺盛である
AB型 親密な人間関係を避けたがる傾向がある/飽きっぽい
※F値が2.6~2.9(有意)→2.6未満(有意でない)
つまり、高受容群で差が出た項目が、1999年の15項目から2004&2005年の11項目へと減った事実とピッタリ一致します。
やはり、テレビ
![[TV]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/77.gif)
![[本]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/70.gif)
2013-09-13 23:09
コメント(16)
トラックバック(0)
定性的なデータで定量的な判断をするってアリなの?
by ソボクナギモン (2013-09-14 09:53)
> 定性的なデータで定量的な判断をするってアリなの?
具体的にどの部分でしょうか?
また、ダメという積極的な根拠もお願いします。
閑話休題。
どんなヘンテコリンな理屈でも、現実を説明できればOKなわけです。
もし、ダメというなら、「A組とB組」の例え話(笑)ではなく、具体的に反証をお願いします。
by ABOFAN (2013-09-14 11:20)
自分のアタマで考えよう。
by ソボクナギモン (2013-09-15 02:18)
意味不明です…。
by ABOFAN (2013-09-15 07:21)
ABOFANさんは、受容度と回答の差が直線的に相関してるって仮定で書いてるんですか?
by ソボクナギモン (2013-09-16 01:46)
> ABOFANさんは、受容度と回答の差が直線的に相関してるって仮定で書いてるんですか?
「直線的に相関」かどうかは、まだデータがないでわかりません。
ただ、高受容群で差がある(cf. 低受容群では差がない)のはテレビの影響だというなら、正の相関があると仮定していることになります。
言い換えれば、直線的な相関(y=○x+△)を仮定すれば、○はかならず正の値になります。
ところで、ソボクナギモンさんは、なぜこんな質問をしているのですか?
発言から判断すると、さっぱり理解していないように見えますが、(実は理解しているとか?)何か意図があるのでしょうか?
by ABOFAN (2013-09-16 08:24)
単なる素朴な疑問です。
by ソボクナギモン (2013-09-16 09:57)
その仮定が妥当だっていう根拠はあるんですか?
by ソボクナギモン (2013-09-16 10:08)
ABOFANさんは、直線的な相関は否定してるけど関連は否定してないんですよね?
by ソボクナギモン (2013-09-16 10:28)
> その仮定が妥当だっていう根拠はあるんですか?
その仮定が妥当かどうかと、説明して理解していただけるどうかは別の問題だ思いますが…。(失礼!)
> ABOFANさんは、直線的な相関は否定してるけど関連は否定してないんですよね?
私は原典にそう書いてある、という説明をしています。
よろしいでしょうか?
by ABOFAN (2013-09-16 13:19)
その仮定が妥当だっていう根拠は説明できないんですか?
by ソボクナギモン (2013-09-16 18:19)
> その仮定が妥当だっていう根拠は説明できないんですか?
妥当かどうかの基準を、反証可能な形で示してもらえれば、たぶん説明できると思いますよ。
by ABOFAN (2013-09-16 22:45)
先出ししたくないんですね。
わかりました。
by ソボクナギモン (2013-09-17 02:14)
先出しとは関係ありません。
反証可能な基準がないということは、判断基準がないので説明しようがないということになります。
by ABOFAN (2013-09-17 19:25)
ABOFANさんが書いている内容は、ABOFANさん自身が持っている反証可能な基準に従って妥当だと判断できるのですか?
by ソボクナギモン (2013-09-18 02:27)
私の基準ではなく、否定論者(心理学者)の基準を使っています。
仮に、その基準が妥当でないとしても、それは私の責任ではありません。(笑)
血液型と性格の新・常識!?&入門
[http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/intro.htm]
by ABOFAN (2013-09-18 07:21)