脳の血液型物質(続き) [既刊情報]
脳に血液型物質があるかどうかは、いろんな説があります。
調べてみたら、結構面白いことがわかりました
脳に血液型物質があるという元本は、
Chester M. Zmijewski Immunohematology. 3rd ed. New York: Appleton-Century-Crofts 1978.
ですが、この話にはオチがあります。
"Immunohematology. 3rd ed." のデータの出所は、"G. Hartmann (1941) Group Antigens in Human Organs. Copenhagen, Munksgaard." という文献だそうです。
ネットで調べてみると、
この"G. Hartmann (1941) Group Antigens in Human Organs. Copenhagen, Munksgaard."に関しては、もう1つの文献もヒットしました。
つまり、脳が一番検出されたレベルが低いので、血液型物質があるかどうかは、はっきりしないようなのです。
ところが、さらにどんでん返しがあります。
前述のサトウタツヤさん編『現代のエスプリ~血液型と性格』(学術書・1994年)には、次のとおり「脳には血液型物質がある」と読める記述もあるのです。
彼は、「血液型と性格は関係ある」とも言ってます。さすがに、私が聞きに行った講演では言ってませんでしたが。![[ちっ(怒った顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/141.gif)
結局、脳に血液型物質があるかどうかは、きちんと調べられてないようです。
意外ですね。
やっぱり、ナチスドイツが血液型を人種差別に悪用したので、脳の血液型を調べることは、すっかり「タブー」となってしまってたのでしょうか?
調べてみたら、結構面白いことがわかりました
![[ひらめき]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/151.gif)
脳に血液型物質があるという元本は、
Chester M. Zmijewski Immunohematology. 3rd ed. New York: Appleton-Century-Crofts 1978.
ですが、この話にはオチがあります。
"Immunohematology. 3rd ed." のデータの出所は、"G. Hartmann (1941) Group Antigens in Human Organs. Copenhagen, Munksgaard." という文献だそうです。
ネットで調べてみると、
the antigens representing the A and B substances are not limited to the red blood cells but occur in most organs of the body with the possible exception of the brain.とあり、"possible exception of the brain"(脳は例外かもしれない)とあります。
http://oai.dtic.mil/oai/oai?verb=getRecord&metadataPrefix=html&identifier=AD0714306
この"G. Hartmann (1941) Group Antigens in Human Organs. Copenhagen, Munksgaard."に関しては、もう1つの文献もヒットしました。
L. E. Glynn, E. J. Holborow, Distribution of Blood-Group Substances in Human Tissues Brit. med. Bull. 1959直訳すると、「脳に血液型物質があるどうかは、はっきりしない」です。
Small amounts were found in all the other organs tested, the concentration being least in the brain, here only equivocal amounts were detected.
http://bmb.oxfordjournals.org/cgi/pdf_extract/15/2/150
つまり、脳が一番検出されたレベルが低いので、血液型物質があるかどうかは、はっきりしないようなのです。
ところが、さらにどんでん返しがあります。
前述のサトウタツヤさん編『現代のエスプリ~血液型と性格』(学術書・1994年)には、次のとおり「脳には血液型物質がある」と読める記述もあるのです。
前述したように神経細胞、神経膠細胞など脳を構成する細胞にはA、Bトランスフェラーゼは発現しておらず、膜上にA・B・Hの糖鎖は存在していない。しかし注意すべきことはタイプ3から6までの型様の[A・B・Hの]糖鎖が若干発現することは否定出来ない(これを示している人はいない)。しかしこのようなことがおこってもこれは人により脳の場所により発現の程度は異なり、とても性格とは関係づけられない。そういえば、数年前に、成松久さん(日本でのABO血液型遺伝子研究の第一人者)の講演を聴いたときに「脳に血液型物質がないという人がいるが、それはウソだ」「脳に血液型物質はある」と強調してました。
(高田和明さん 血液型学から見た血液型と性格の関係への疑問-血液型…発見から最新知識まで 165~166ページ)
彼は、「血液型と性格は関係ある」とも言ってます。さすがに、私が聞きに行った講演では言ってませんでしたが。
![[ちっ(怒った顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/141.gif)
結局、脳に血液型物質があるかどうかは、きちんと調べられてないようです。
意外ですね。
やっぱり、ナチスドイツが血液型を人種差別に悪用したので、脳の血液型を調べることは、すっかり「タブー」となってしまってたのでしょうか?
2009-05-21 23:04
コメント(2)
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一番下の囲みの中の「(これを示している人はいない)。」という引用箇所は、タイプ3から6までの型様の[A・B・Hの]糖鎖が若干発現することを実験データで示した人がいないという意味ですよね?
by とがも (2009-07-14 19:25)
胎児ならいます。
by ABOFAN (2009-07-14 21:39)